Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

マリー・アントワネット展 (13)

2016-12-11 20:52:25 | つぶやき

 引き続き第12章です。

 第12章  「牢獄から死刑台へ」

↓  国王一家がタンプル塔に移され1793年1月21日、ルイ16世が処刑された。これはアントワネットの喪服姿。遅まきながらようやく王妃としての自覚が確立し、凛とした表情を見せるアントワネットに美しさを覚える。この喪服はローズ・ベルタンがデザイン・製作したものらしい。肩のラインを見ると心労からか、「ロココの華」と謳われた頃よりずいぶん痩せた感じがする。

↓  タンプル塔で着用していたとされるシュミーズ(肌着)。1793年頃。101cm×83cm。アントワネット展公式サイトの解説を引用すると

 囚われの身となった彼らが衣装一式を所望したため、革命政府は王室に仕えていた御用商人にそれを依頼したが、古文書によれば、供給された下着や衣類は質素なものであった。
王妃の身の回りの品の中には、「15点の小さなレースが施された薄手の布製シュミーズ」があった。このシュミーズは、バチストと呼ばれる薄手のリネンの白布で出来ている。バチストは18世紀末にはもはや贅沢品ではなく、下着などに用いられるようになっていた。マリー・アントワネットの死後、王妃のシュミーズは娘マリー=テレーズによって保管され、1795年にタンプル塔の警視エティエンヌ・ラヌの手に渡った。

 とある。このシュミーズは現在、パリのカルナヴァレ博物館が所有している。

↓  首周りの装身具(伝 王妃のヘアバンド) 1784年頃。綿・黒いレース 32.5cm×26.5cm×4cm。意外と小さかった。

そしてついにアントワネットは家族と引き離され、コンシェルジュリーへ移送されることになる。

↓  「タンプル塔でのアントワネットと家族の別れ」 1795年。

↓  革命裁判所での様子。アントワネットは革命派の意地悪な質問に、巧みな答弁で矛盾なく自分の主張を述べたという。

↓  イギリス人のウィリアム・ハミルトンが描いた「死刑に処されるアントワネット」 1793年。アントワネットを殉教者として描いている。彼女の両手を縛っているのは死刑執行人のアンリ・サンソン、向かって左側に彼女が告解することを拒んだ立憲政府の司教がいる。

↓  アントワネットが断頭台に登る際、脱ぎ落したとされる「サン=チュベルティ風の」短靴 1790~1793年頃。皮と絹の飾り。10.2cm×23.2cm×6.8cm  王妃の処刑もしくは埋葬の時に収拾 。横幅が狭く意外と小さめだった。当時靴は左右の別なく作られ、履いているうちに自然と左右の違いが生じていった。王妃の最期の数週間に付き添った獄吏によると、このころ彼女は「サン=チュベルティ風の」黒い短靴を一足所有していたことがわかっている。 綺麗に整った細かい針目から、職人の技の確かさを感じる。

↓  こちらは靴の中敷き。こういう時、「フランス語が理解できたらなあ。」と思う。

  駆け足で巡った「マリー・アントワネット展」の記事は、これで終わりです。言葉足らずでうまくまとめることができませんでしたが、東京まで見に行くことができない方に、少しでも展覧会の様子が伝わるといいなと思いながら書いてみました。これまで読んでくださり、どうもありがとうございました。



6 コメント

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隅から隅まで…。 (おれんぢぺこ)
2016-12-11 22:09:48
りら様、こんばんは。
いつも、読み逃げであいすみませぬm(__)m

ひと月間の長きに渡り、マリーアントワネット展の記事、ありがとうございました。
いつもの事ですが、りら様って鋭い観察眼をお持ちなんだなぁと感心しております。
ましてや、今回のように遠方住まいの者にとって行きたくても行けない催しについて詳細な内容をUPして下さると、実際にそこに行ったような気分を味わわせていただいて、隅から隅までたっぷり堪能させていただきました。
かつ、読み返しも既に何回目・・・???

オーストラリアでの開催と、内容が違うというのも興味深い物でした。やっぱり、日本においてヴェルサイユって言うとアントワネットだと主催者側は思っているのでしょうか?
面白い違いですよね。


それにしても、りら様のアンテナの張り方ってどんな感じなんでしょう。とっても気になります。
12/3付のお衣裳の件、11/9付の髪の毛のお話…。挙げるとキリがないのですが(少々古い話になりますがビリヤードの件然り)…相当な時間を費やして調べ物をしてらっしゃるのでしょうね。
≪ それを許可なく参考にさせていただいているワタクシをお許しくださいませ(;^_^A ≫

りら様、もしかして、後半の展示にも行かれるご予定とか・・・? 大きく違うのでしょうか?
だとしたら、またここで……(#^.^#)

寒くなってまいりました。お身体お気をつけて……。

おれんぢぺこ
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実際に足を運んでみたい (あまぞう)
2016-12-12 10:34:32
皆さん同じかと思いますが、ベルばらという作品をキッカケにして、歴史にも興味が湧きますね。SSはもちろんのこと、今回のアントワネット展、当時の肖像画や調度品などについても、とても興味深く読ませて頂いています。
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おれんぢぺこさま (りら)
2016-12-12 15:53:05
 コメントをありがとうございます。

 読み逃げ、お気になさらず。お時間のある時に寄って読んでいただけるだけで十分嬉しいです。

 アントワネット展の記事は、何年か後に振り返った時「あぁ、こんな展示品が来ていたんだ。」と懐かしむことができるよう?自分への備忘録代わりに書きました。途中「もうやめようかなぁ。」と思った時もあったのですが、何とか一応断頭台まで漕ぎ着けることができました。

>オーストラリアでの開催と、内容が違うというのも興味深い物でした

 こんなに大量に同時期、海外に所蔵品を貸し出す宮殿側の意気込みにも驚きました。「ベルばら」によって、日本ではアントワネットの知名度が、ルイ14世以上に上がりましたね。これは池田先生の功績だと言えます。オーストラリアでの展示も興味深いですが、とてもじゃないけれどキャンベラまで飛ぶお金も時間もありません。

>それを許可なく参考にさせていただいているワタクシをお許しくださいませ(;^_^A

 おれんぢぺこさまは、ゼロから物語を創り上げますが、私は他人のふんどしで相撲を取っているだけです。創作力のある方を尊敬します。どうぞこれからも素敵なSSをお書きくださいね。楽しみにしています。

>後半の展示にも行かれるご予定とか・・・? 大きく違うのでしょうか

 アントワネットの漆器コレクションが入れ替わります。それ以外は変更がないようですので、う~ん、たぶんもう行かないかな。森アーツ強気の入場料(大人1人、当日1,800円)は、リピするには少々お高い感じがします。

 おれんぢぺこさま、まもなく25日がやってきます。もう構想は練っていらっしゃるのでしょうね。楽しみに待たせていただきます。
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あまぞうさま (りら)
2016-12-12 15:58:51
 コメントをありがとうございます。

 今年はオスカルとアンドレに関するあれこれより、惣領先生の漫画も含めアントワネットにまつわる話題が多かったかなと思っています。

 フランス語の知識があれば、いろんな史料や参考文献が読めて、もっと「べルばら」の世界が広がるだろうなぁ…と思うこの頃。もはや今から学ぶ元気はありませんが、PCの前で電子辞書片手にしばし現実を忘れる時間を楽しんでおります。
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アントワネット展 (とんとん)
2016-12-14 17:17:04
りらさま アントワネット展の記事 ありがとうございます!
詳しく書いてくださり、会場に行けなくても、どのような感じだったかすごくよくわかります。
読めてすごくうれしいです。

当時の日本ふうのセーブルは興味深かったです。
本当に日本の伊万里焼みたいですね。当時のままきれいに残っているのもすごいです

アントワネットがフェルゼンに宛てた手紙、黒い部分は最近解読されたのですね、内容が切ないです。
暗号文字が600種以上あったとは…驚きです!600!

最後にアントワネットが身につけていたという下着の写真には
胸がキュッとなりました。マリー·テレーズはどのような気持ちで
これを受け取ったのでしょう…


私も先日やっと、ベルばらカフェに行ってきました!店内は他のかたも書いてらっしゃいますが、
ビュッフェもあるちょっとおしゃれなカフェレストランって感じです。

平日の午前中に入ったのですが、9割が女性客で、2人~4人くらいのグループも多かったですが、
1人で来られてるかたもすごく多かったです!

みなさん店内のポスターを写真に撮られていましたよ。入ってすぐの壁には、
アントワネットとオスカル(文庫本1巻の表紙)のポスター、横に回れば完全版5巻の表紙のオスカルがどどーんと
飾ってあり、めっちゃテンション上がりました。

私はチキンとぬるいショコラを頼みました。ショコラはココアでした。ホンマにぬるかったです…
一緒に行った友達はベルばらファンではなく(彼女はカバ丸ファン)コースターをくれたので嬉しかったです。

ラスクは本当にビニール袋に入れて持って帰ってきました(ちょっと恥ずかしかった)、
私たちが帰る頃は(お昼ごろ)、平日ですが20人弱くらいのお客さんがならばれていました。
やっぱりベルばら好きな人って多いんだな~と感激しました!
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とんとんさま (りら)
2016-12-14 21:53:08
 コメントをありがとうございます。

 多くのイベントが首都圏や大阪などの大都市で開催され、地方在住の方たちの中には行きたくても行かれない方が多いはず。自分が見てきたことを、少しでもお伝えできたら…などと偉そうな考えで書き始めました。自分の記憶力が衰えてきているので、こうして文章として残しておけば、いつかこのイベントを振り返った時、懐かしむことができるかもしれないとも思いました。

>本当に日本の伊万里焼みたいですね。当時のままきれいに残っているのもすごいです

 一瞬、日本から輸出された伊万里焼だと思いました。(解説がなかったら、絶対Made in Japanだと信じてしまいそうです。)陶器類は絵や織物類と違い、著しい劣化がないため、今見ても全然古さを感じさせません。

>マリー·テレーズはどのような気持ちで
これを受け取ったのでしょう…

 マリー・テレーズは天寿を全うしたとはいえ、少女期に余りにも多くのつらすぎる経験をしました。笑顔の少ない女性になってしまったのも無理はないと思います。

>アントワネットとオスカル(文庫本1巻の表紙)のポスター、横に回れば完全版5巻の表紙のオスカルがどどーんと飾ってあり、めっちゃテンション上がりました

 わぁ!ポスターが飾られているのですか!とんとんさまも写真に収めましたか?

>私はチキンとぬるいショコラを頼みました

 定員さんに頼めば、熱いショコラにしてくれるそうです。ラスクはご自宅で召し上がりましたか?食べるのがもったいなくて、飾ってありますか?

>平日ですが20人弱くらいのお客さんがならばれていました

 これに気を良くして、カフェの営業期間を延長するかもしれませんね。そのうち東京でもオープンするかも?「ベルばら」のコラボ企画、来年も途絶えることがなさそうです。カフェの様子を教えてくださり、本当にありがとうございました。
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