
「ベルばら」のメイン・キャラクターたちを模写しようとすると、髪型や目、そして手の描き方にかなり苦労する。どうしたらあのような絵が描けるのだろうといつも不思議に思う。
例えばオスカル。風になびく豊かなブロンドの髪や、星が飛ぶ目の大きさや位置を少しでも池田先生の描く絵に近づけたくて、描いては消しまた描く…そんなことを繰り返すうちに、紙は薄く弱くなり、オスカルの顔がどんどん原作からかけ離れていく。絵は一向に上達せず、そのうち描くことを諦めてしまう。そんな私と同じ経験を持っている方はおられるだろうか?
1789年7月になるとオスカルとアンドレの想いが通じ合い、幼馴染が恋人同士として歩み始める。あの劇的な愛の告白場面は、素敵な手の描写にあふれている。
↓ 父の成敗から、命がけで自分を救ってくれたアンドレにどうしても伝えたいことがあって、彼を立ち止まらせようと、さっと手を伸ばすオスカル。1本1本の指のラインがとても繊細でしなやか。
↓ 「わたしだけを 一生涯愛し抜くと誓うか?」と尋ねられ、言葉ではなく手を差しのべて返答するアンドレ。手全体を描いているわけでないのに、何も台詞がないのに十分アンドレの熱く深い想いが伝わってくる。「決まっているじゃないか」「誓うとも」「俺が見つめるのは、お前以外いない。」「さぁ、こっちへおいで。」いったいアンドレはこの手にどんな気持ちを託したか?
↓ 20年以上片想いをしてきたオスカルが、ようやく自分の胸に飛び込んできた。愛おしさいっぱいで、オスカルの髪に触れるアンドレの幸せを噛みしめる表情がいい。
↓ 愛する人にくちづけしようと、オスカルの両頬に優しく触れ、顔を少し上向けさせるアンドレ。オスカルの眼差しには、ほんのちょっと甘えた感じもあり、アンドレはますます愛おしさでいっぱいになっただろう。
「ベルばら」には、台詞がなくても十分登場人物たちの心情が伝わってくる場面が随所にある。何もかもすべてを語らせる必要はない。あとは読者が思い想いに想像するだけ。
読んでくださり、ありがとうございます。
何度読んでも素敵なシーンですよね。
今日も読み返してました。
大きくて暖かなアンドレの手。さぁおいで、と言わんばかりの手は、前に少々乱暴に告白したときとは違い、相手を想い、慈愛に満ちているように思いました。
ふと思ったのですが…オスカルがアンドレへの愛に気付いた(本当はそれよりももっと前に愛し始めていたとは思いますが)のが父からの成敗を身を挺して守ってくれた瞬間だったとしたら、そこから即告白するのって、実は凄いですよね。
逡巡とかしないのが、真っ直ぐなオスカルの人柄を表しているように思いました。
りら様のお気持ち、私も同感です。
他人にどう思われても、迷惑をかけているわけでなし、自分を幸せにするささやかでも大事な事なので、私もベルばら愛は枯らさずにいたいと思います。
中には好き過ぎて、自分とは違う見解や価値観を持つ人を認めない、みたいな方も居ますけど、こちらに集う方々は、違う解釈でも尊重して下さる方ばかりのような気がします。私の周りには、ベルばらに関して熱く語れる人はいないので、こちらで思う存分浸っております(笑)。
りら様のお人柄ゆえか、居心地の良い場所です。ありがとうございます。
告白場面の雄弁な手の表情、まさにまさに!
相変わらずのりらさまの洞察力、その語りが私たちファンの気持ちを代弁して下さっているようです。
ベルばらのあらゆる場面で、その手が語りかけるもの…
告白後、ドアの前でキスする二人の握られた手。
12日の夜、アンドレの背中、頭を抱くオスカルさまの手。
死に行くアンドレが、オスカルさまの顔を確かめるように触れる手。
アンドレの死を嘆き、顔を覆って慟哭するオスカルさまの手。
等々、枚挙に暇がありませんね。
どの場面も、ほぅっと、ため息が…
実はずっと気になっていた事があるのですが、手の話題でしたので聞いて下さい。
『生まれてきてよかった!』と抱き合う二人の前ページの下のコマ。
確か、オスカルさまの顎を挟むように捕らえ頬を包み込む手が描かれていたように思うのですが、手持ちのどの単行本も顎の辺りで切れているのです。
むか~し読んだ時に、男の人の手ってこんなに大きくて、こんなに大切に優しく包んでくれるんだ~!?って、感動した覚えがあるのですが…
こちらに書き込まれていた、豪華復刻版では再現されているのかしら?
オマケは付かなくてもいいから、本体をバラ売りしてくれないかなあ?
なんて、とても気になり、手の出せない豪華セットに羨望の眼差しです。
>そこから即告白するのって、実は凄いですよね。逡巡とかしないのが、真っ直ぐなオスカルの人柄を表しているように思いました。
出動前夜の2人もドラマチックですが、成敗のあとの愛の告白シーンも、とても劇的ですよね。愛の告白すら命がけに見えてきます。軽々しく「愛してる」なんて言いません。一言一言、噛みしめるように、想いを込めて伝えたでしょう。オスカルから「愛している」という言葉を聞ける日が来ようとは!この言葉を聞くために、彼は生きてきたと言っても過言ではないはず。
>こちらに集う方々は、違う解釈でも尊重して下さる方ばかりのような気がします。私の周りには、ベルばらに関して熱く語れる人はいないので、こちらで思う存分浸っております(笑)。
いろんな解釈を聞けるのは楽しいです。自分が全く気付かなかったことを教えていただいたり、違う視点から思ったことを書いていただけると、「ベルばら」ってなんと奥深い作品なのだろうと感じます。「ベルばら」だけに関したことではありませんが、何事も柔軟な気持ちで受けとめたほうが、穏やかに事が運ぶ気がします。私と違う考えをされる方がいて当然。別に白黒はっきりさせる必要はないと思っています。これからもいろんな方が、自由にお喋りしてくださったら、本当に嬉しいです。
>告白後、ドアの前でキスする二人の握られた手
そうなんですよ!しっかり恋人同士になったことを印象づける手ですよね。アンドレにキスのおねだりをするオスカルの目がまた何とも言えません。
>『生まれてきてよかった!』と抱き合う二人の前ページの下のコマ。確か、オスカルさまの顎を挟むように捕らえ頬を包み込む手が描かれていたように思うのですが、手持ちのどの単行本も顎の辺りで切れているのです
今、集英社の文庫本版と、完全版を見比べています。サンドラさまが仰っているのは「わたしの知っているくちづけは…」の場面でしょうか?完全版は二人のあごのラインがきちんと描かれていますが、単行本版は二人とも途中で切れています。いやあ、これ気づきませんでした。サンドラさま、素晴らしい記憶力です。もしかしたら他にも文庫本では見切れているコマがあるかもしれません。
>本体をバラ売りしてくれないかなあ
サンドラさま、バラ売りもしていますよ。バラ売りですと1冊8,834円です。セット版は在庫数あと24。売れ行き好調です。この調子ですと完売するかもしれませんね。