17世紀フランスで、ルイ14世によって製法が定められたマルセイユ石けん。オスカルとアントワネットもこの石けんを使い、しっとりつややかな肌を保っていたはず。昨年からマルセイユ石けん作りにチャレンジ。一度使ったら湯上りの肌がとても潤い、もう他の石けんやボディソープを使えなくなった。(以前もマルセイユ石けんについて記事を書きましたので、「またか。」と思われたらごめんなさい。)
マルセイユ石けんとは何か?私が参考にした本の著者前田京子さんによると、次のように定義されている。
「材料の配合が、オリーブオイル72%、水28%の石けん」を指す。
これは1688年にルイ14世が王令によって定めたもので、ヨーロッパでの石けん製造の独占権をマルセイユに与え、以来厳しい品質管理が続けられてきた。ただ現在では、「使用する油の72%をオリーブオイルにする」のがマルセイユ石けんということになっている。
オリーブオイル100%では泡立ちが控えめなので、残りの28%をココナッツオイルで泡立ちを良くし、パーム油で溶け崩れを防ぐ…というのが伝統的な製法になっている。
↓ 今回この配合で作りました。
材料:
オリーブオイル 458g (エクストラ・ヴァージンでないほうが石けん向き)
パーム油 64g
ココナッツオイル 112g
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム) 83g (取り扱っていない薬局もあります)
精製水 125cc
ミルク 125cc
アロマオイル適量 (今回はスィートオレンジを使用)
以下、作り方をざっと説明します。
1 苛性ソーダをガラス瓶に入れ、精製水を入れて溶かす。苛性ソーダは空気に触れるとベトベトし始め、肌に触れるとチクっとするので、手袋をはめて手早く混ぜるのがポイント。水と合わせると一気に温度が80度近く上がる。苛性ソーダ水が41~43℃になるまで待つ。急ぐ場合はボールに水を張り冷やす。
2 ↓ ボールに3種類の油を入れ、湯せんして温度を41~43℃にする。
3 苛性ソーダ水と、油の温度がそれぞれ41~43℃になったら、苛性ソーダ水を少しずつポタポタと油に垂らし、泡立て器でゆっくりかき混ぜる。電動ミキサーを用いず、手で最低20分混ぜる。
4 ↓ 3にラップをかけて20~22時間くらい放置する。(室温によって固くなり始める温度が違います)写真は23時間後の状態。
5 ↓ 角が立つくらいの固さになったら、ミルクを加えてしっかり混ぜる。好みによりアロマオイルを垂らす。ホホバオイル大さじ1、ココアパウダーをマーブル模様になるように加えてもよい。
6 ↓ 型に流し込む。あれば大きめの発泡スチロールの容器の中に入れて(保温機能がある)約1週間放置。
7 ↓ 約1週間後、型から取り出し、使いやすい大きさに切り分ける。
8 ↓ 切り分けた石けんを4週間乾燥して出来上がり。
これがオスカルとアントワネットも使っていたであろうマルセイユ石けんの作り方です。石油系物質を用いていないため、アトピー性皮膚炎の方も安心して使えるとか。非常に保湿効果の高い石けんで私の場合、湯上りにハンドクリームを塗らなくてもかさつかなくなった。体を洗いながら、皮膚の表面にいい具合に脂が乗る?のではないかと思う。いい気になって、この石けんを友人や同僚にプレゼントしたら気に入ってくれる人が増え、「「また作ってほしい。」と嬉しいオーダーを頂いた。
石けんに限らず、ロココの時代の職人たちの技能の高さを知るたびにいつも感動する。この石けんにも丁寧に時間をかけて良いものを作ろうとした人たちの心意気と、特許としてマルセイユの業者だけに製造を許したルイ14世の法令、そして品質を落とさないように現在まで製造を続けてきた歴代の石けん製造業者の熱意が感じられる。軍人オスカルは基本的にメークをすることはなかっただろうけれど(眉の形を整えるくらいはしていたかな?)、マルセイユ石けんのおかげで常に美しくしっとりと潤う肌を保つことができたはず。
読んでくださり、本当にありがとうございます。
自分で作ったりはしないのですが、市販のものを購入して使っています。皮膚の乾燥が改善すると嬉しいなあ。
マルセイユ石鹸は、材料さえ揃えてしまえば、作るのはそれほど大変ではありません。石油系の物質を一切使っていないのも魅力です。冬向きの石けんかな。あまぞうさまの皮膚の乾燥トラブルが、なくなりますように。
マルセイユ石鹸は使ったことがないので、今度探してみようと思います
冷奴さま、ぜひ石けん作りにチャレンジなさってみてください。お店で買う場合、あまりに安い製品は、ちゃんとルイ14世の命令どおりの比率で、材料を混ぜ合わせているかアヤシイので、よ~く確認されてから購入することをお薦めいたします。