Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

ロココ時代の子ども服(男児)

2018-03-18 15:39:08 | つぶやき

 ロココ時代、王侯貴族たちがおしゃれに注いだ情熱は凄まじかった。ならば子ども服はどうだったのだろう?やはり大人同様、豪華だったのだろうか?

↓  1756年、フランソワ・ユベール・ドゥルエが描いたルイ16世兄弟。右が当時2歳のルイ16世、左が革命後ルイ18世となった弟のプロヴァンス伯。二人が着ているのは当時の宮廷服。そして…男の子なのにドレスを着せられている。注がなければ女の子の肖像画かと思ってしまう。子ども服とはいえ、何とも豪華。

 ヨーロッパではこの時代、男児は6.7歳になるまで、女児とほとんど変わらない服を着ていた。その理由にはいくつかの説がある。男子の方が死亡率が高く、死神の目をくらまそうと少女の服を着させたという説、貴族の仮装趣味という説、すその長い中世の服装にあこがれた懐古趣味という説など。中野京子さんも「男児は女児より生存率が低かったから、邪気払いのためか、洋の東西を問わず20 世紀初頭に至るまで、幼年期の男の子の多くが女児服を着せられていた。」と述べている。

↓  幼児(男の子)用  シルク 1740-70

  中世に聖職者や法曹界の人びとなどが愛用した裾長のローブを子どもに着させることで、親たちは自らの豊かさや社会的地位を誇ることができ、わが子に対する愛情を実感できた。オスカルは生涯でただ一度、ローブを身につけフェルゼンと踊ったが、実は幼少期、ローブを着ていた可能性は十分ある。

↓  ノルウェー シルクとウールのローブ 1763年

↓   イタリア ガウン シルク 1770年

↓  フランス シルク 1750年

 7歳を過ぎると男児はローブを脱ぎズボンを履き、成人男性と似たようなスタイルの服を着用する。

↓  イギリス ミリタリースタイルのスーツ シルク 1760年

↓  スリーピース シルク 1760年~1775年

↓  デンマーク シルク 1780年代

↓   コート シルク 1730年代

↓  オランダ シルクスーツ 1775年~1800年

↓  デンマーク シルクコート 1786年~1787年

↓  ベージュのシルクコート 1770年

↓  こちらはデンマークの、従僕の少年(4~6歳)用のお仕着せコート 1740年。アンドレがジャルジェ家にやってきた時、彼はもうちゃんと男の子の身なりをしていた。彼はジャルジェ家ではこんなローブを着ることはなかったかも。アンドレは子ども時代のオスカルが、ローブを着ている姿を拝むこともなかった。というよりオスカルなら小さい頃から「こんな動きにくいもの、着ていられるか!」と言うなり、さっさとキュロットに履き替えてしまったように思う。子ども時代のアンドレが、ローブを着たオスカルを見たら、何と言っただろう?「きれいだな。」と思ったかな?

 読んでくださり、本当にありがとうございます。



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