Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

「1789 ~バスティーユの恋人たち~」観劇

2018-05-06 15:30:21 | つぶやき

 2年前、帝劇で東宝版を初演。「これ、きっといずれ再演されるだろうな。」と思っていたら、今年4月から7月にかけて東京・大阪・福岡で再演決定。一部新たなキャストを加えて、さらにパワーアップした作品に仕上がった。

↓  帝劇前には、舞台写真の拡大写真が掲示されている。

↓  主人公の農民ロナンと、アントワネットの侍女でルイ・ジョセフの養育係であるオランプ

↓  役替わり公演であるため、毎回出演者の名前が掲示される

 「ベルばら」と似ているなと感じたのは、実在の人物に架空の人物を絡ませ違和感なくストーリーが展開していくところ。主人公のロナンとオランプは架空の人物。二人を取り巻くのはルイ16世・アントワネット・アルトワ伯・フェルゼン・ロベスピエール・デムーランなど、「ベルばら」でお馴染みの人々。脚本が時系列を追って書かれているので、無理なくわかりやすい。

 メインキャストは皆、歌唱力がある方たちばかり。主役のロナン@小池徹平さんは、他の男性出演者と比べると身長は低いが、そんなことを全く感じさせないほど、ロナンその人になっていた。、一口に第3身分と言っても、デムーランやロベスピエールと違って十分な教育を受けてこなかったことに、自分と彼らは違うのだと野良猫のように拗ねてみせたりする。小柄だけれど実は骨太のロナンだった。オランプ@夢咲ねねちゃんは勝気なキャラが、彼女の個性と合っていた。

 若いロナンとオランプの脇を固める脇役がまたいい。悪役ペイロール@岡幸二郎さんが本当に憎らしいほど民衆にきつく当たるから、第3身分の人たちの怒りがより深く伝わってくる。国王の弟アルトワ伯@吉野圭吾さんの、妖しく嫌らしい感じが小憎らしいくらい絶妙。ロナンの妹ソレーヌ@ソニンさんは第1部で、貧しくて夜の街に生きる女に身を落とした哀しみを、第2部では飢えと空腹で苦しむ女たちの怒りをパンチのある歌声で表現。2年前はあまり印象に残らなかった(ごめんなさい)フェルゼン@広瀬友祐さん。今回は貴族の風格や、アントワネットに寄せる一途な想いが伝わってきた。そのアントワネットは宝塚月組の元男役トップスターだった龍真咲さん。男役をやっていたのが嘘みたいに自然な発声で、身のこなしも女性そのもの。まさおさん、今後いろんなミュージカルで活躍されるのでは?個人的に好きなのはダントン@上原理生さん。実際のダントンもあんな感じだったのでは…と思わせる。ロベスピエール@三浦涼介さんは、純アリスさんの三男で今回から参加。なかなかイケメンのロベスピエール。場数を踏むと、更に進化するだろう。

 フランス革命を扱っている作品なので、重く深刻になりがちだがそこはちゃんとお笑い担当者もいて、嫌味になり過ぎず程よい加減で笑いのスパイスを振りかける。芝居って悲劇より喜劇のほうが難しいと聞いたことがあるが、人を笑わせるのは本当に技量がないとできない。2年前に続いて今回もアルトワ伯が放つ秘密警部ラマール@坂元健児さんが、本編から大きく外れることなく観客にホッと一息つかせてくれた。カーテンコールでも坂元さんが登場すると、一段と拍手の音が大きくなった。

 この作品は若いアンサンブルさんたちのキレのいいダンスが見どころ。18世紀の民衆の衣装を着て、アクロバティックなダンスを披露。女性は長いスカートを履いて跳んだり回転するので、うっかり裾を踏んで転ばなければいいが。民衆の怒りを激しいダンスで表現。若いって凄いな。デムーランの恋人リシュル@則松亜海さんのダンスは男性のように力強く、キレキレで見事。歌声もピュアで美しい。信念がある力強い、それでいて人に優しい女性…それがリシュルかな。

 子役さんが上手い。特にシャルロット@山口さんの賢くておませな感じが可愛い。この作品、次の再演があればまた是非見たい。

 読んでくださり、本当にありがとうございます。



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは。連投すみません。 (まい)
2018-05-06 22:50:41
先日は長々と本当に申し訳ありませんでした、投稿したあとで 重い内容ゆえ かえって りらさまを困惑させてしまったかと後悔しておりました(・・;) 
今は 人前で演奏する時には頭の中では亡き母との思い出を思い起こしながら弾いています。ああ、この曲が好きだったな・・とか。そうすると、緊張感もなく穏やかな気持ちで弾けるのです。

「1789・・・」観劇されたのですね!私は、小池徹平さん・神田沙也加さん・凰稀かなめさんが御出演された4/11の昼の部に行って参りましたが、りらさまの記事で 約1か月前の忘れかけていた感動の場面の詳細を思い起こすことが出来ました(^-^) 題は重いのに終演後の爽快感・気持ちが「前へ!前へ!」と進む躍動感からくる感動に包まれて、一緒に行った友人共々 涙で顔がクシャクシャになりました。 友人は 親戚の結婚式に大阪に帰るときもまた観劇するそうで 何度も観たい訳が解りました。 そう、私もソレーヌ役のソニンさん印象に残っております。
秋に 同じ帝劇で上演される花總まりさんのアントワネットのミュージカルにも行く予定です。
友人にもりらさまのブログを紹介したところ、「色々なことが詳しく載っていてビックリでした!」とのお返事がありましたよ。
どうか少しずつお気持ちが和らぎますよう願ってやみません・・・。
返信する
まいさま (りら)
2018-05-08 17:08:43
 コメントをありがとうございます。

>今は 人前で演奏する時には頭の中では亡き母との思い出を思い起こしながら弾いています

 そうやって今もずっとまいさまの心に、お母さまと過ごした日々が息づいているのですね。ふと「千の風になって」を思い出しました。

>題は重いのに終演後の爽快感・気持ちが「前へ!前へ!」と進む躍動感からくる感動に包まれて、

 そうなのです。真の自由を勝ち得るために、多くの血が流れる重い内容であるのも関わらず。見終えた後パワーを感じました。特に第2部、民衆を演じる若いアンサンブルさんたちの、怒りに満ちた力強い歌と踊りに感動。きっとあの時代も民衆達はこうして、踏まれても踏まれても、いや踏まれるたびに一層強くなって、王侯軍に立ち向かっていったのではないかと思います。メインキャストからアンサンブルに至るまで、熱演の舞台でした。別キャストでも見たかったです。

>花總まりさんのアントワネットのミュージカルにも行く予定です

 ずっと前、涼風真世さんがアントワネット役で上演されました。こちらは「エリザベート」を作詞・作曲したコンビによる作品です。2人のM.A(マリー・アントワネットとマリー・アルノーだったかな?)の物語です。

 お友だちにもブログを紹介してくださり、ありがとうございます。のんびりと更新していこうと思います。
返信する
7月、博多座 (おれんぢぺこ)
2018-05-12 22:40:56
こんばんは😃🌃
お久しぶりです。お元気そうで安堵致しております。
さて。。。どーしよっかなあ、と悩んでいたのですが…。≪1789≫、りら様の観劇記拝読し、一気に行く気スイッチ入りました❗
実は、今までにもかなりのミュージカル観た結果、吉野圭吾さん、ちょっと気になる😃❤😃存在になっていたこともあって……。今日、チケット販売初日、予約してしまいました(笑)

もう何年も山笠時期の博多には行ってないので、ちょっと不安ですが😖💧
まだ2か月も先のことだけど「行って来まぁす➰👋😃」
返信する
おれんぢぺこさま (りら)
2018-05-13 00:35:37
 コメントをありがとうございます。

 お久しぶりです。お元気でしたか?

>今日、チケット販売初日、予約してしまいました(笑)

 東京は昨日12日が千秋楽でした。今回若手キャストを、吉野さんら達者なベテランの方がしっかりサポートし、安心して見ていられる舞台になっています。

 博多座は一度行ってみたい劇場です。ロビーにはたくさんのお土産屋さんがあって楽しそう。6月は大阪、そして7月が博多座公演ですね。きっと更に進化した舞台に仕上がっていくと思います。どうか楽しみにしていてくださいね。
返信する

コメントを投稿