その昔、学校図書館の本棚に、ずらりと「アンジェリク」シリーズが並んでいた記憶がある。ハードカバーで、きれいな表紙だった。なぜか当時は読まなかったが、最近ふと読みたくなり文庫本を入手。全26巻読破は難しいので、せめて第1巻だけでも読んでみようかな?
作者はロシア出身のセルジュと、その妻でフランス人のアン。セルジュは1903年生まれ。ロシア革命を逃れフランスに亡命。第二次大戦後、二人はアンの実家があるヴェルサイユに住む。生計を立てるため、歴史小説を書くことを思いつき、来る日も来る日も二人で宮殿の傍らにある図書館に通い、一日中17世紀フランス社会の資料・書籍を読む。その数200冊~300冊。またちょうど宮殿が修復中だったので、作業現場に足しげく通い、王政時代の豪華絢爛差を再現しようとしている職人たちに、壁紙・家具・金箔などについて質問する。執筆前にかなりリサーチしている。アンが登場人物や事件、物語の展開つまり話の骨組みを考え、セルジュがその後を引き継ぐ。こうして大作「アンジェリク」が生まれた。
夫婦合作---アンはこう語っている。「歴史に対する彼のセンスは、私を大いに刺激し、いつも新鮮な観点を与えてくれる。私一人ではおそらく開けることのできなかった観点だと思う。また彼は、私とは異なる男性としての視点や意見で、インスピレーションをかきたててもくれる。戦いや危機に瀕した時の、男性特有の力と均衡の感覚について 語ってくれる。おかげで、私の物語のスケールは、どんどん大きくなっていく。」
池田先生が「ベルばら」を(あるいは「オル窓」を)執筆されるにあたり、セルジュのような、先生に的確な助言やインスピレーションを与えてくれる人が、近くにいたかどうかわからない。あるいは創作の神が先生のもとに、降臨されていたかもしれない。いずれにせよ「ベルばら」は、名作であることに変わりない。
読んでくださり、ありがとうございます。
原作は買いましたがなかなか読み進めにくかったです。映画もありましたBSで。
ペイラック、雰囲気違うなあと思いながら見ましたね。
超大作で、買ったあとにも図書館でどんどん増えていって、いつか読めるかしら…?
懐かしい題材の記事本当にありがとうございます。
ドジさま---懐かしいお名前です。池田先生と仲良しで、お二人でレーゲンスブルクを旅行された間柄。ドジさまも歴史物をお描きになっていましたね。それから青池保子先生、山本鈴美香先生も---。「歴史物は少女漫画では当たらない。」なんて言っていた出版社の方たちはその後、認識を改めたでしょうか?