Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

歯のお手入れ

2017-02-05 22:18:55 | つぶやき

 古代より美人の条件の1つとして、歯並びが整っていることや歯のお手入れが行き届いていることが挙げられる。では18世紀、オスカルたちはどのようにしてお口の中を清潔に保っていたのだろう?

↓  こちらはナポレオンがセントヘレナ島に流された時、体調を崩した彼の治療にあたったアイルランド人医師Barry Edward O'Mearaに贈った歯ブラシ。二人は堅い友情で結ばれ、ナポレオンは彼にこの歯ブラシのほかに、嗅ぎ煙草入れも贈っている。持ち手に銀メッキが施され、"N”の文字が刻まれている。ナポレオンの時代には、歯磨きの習慣があったことになる。

 口腔衛生について、古代から人々は関心を持っていた。古代エジプトの副葬品からはつまようじが見つかっている。また紀元前1,600年の中国では、歯の汚れを落とし口臭を防ぐため、食後に香りの良い木の小枝を噛んでいた。枝を噛むことで、歯も丈夫になっただろう。

↓  こちらは1780年頃の歯ブラシ。持ち手は牛の骨でできている。小さい穴をたくさん開け、雄豚の剛毛を細いワイヤーを使って固定させている。オスカルが使っていた歯ブラシもこんな感じだったかも?オスカル、かなり大きな口を開けないと、ブラシ部分が口の中に入っていかなかっただろうなぁ。

 世界最初の歯磨き粉は古代エジプトで作られた。成分は岩塩・ミント・乾燥させたアヤメの花を混ぜたもの。塩入り歯磨きは私も使ったことがあるけれど、既に古代エジプトで作られていたと知りビックリ!

 18世紀の後半になると、歯磨き粉に重曹が使われるようになった。気持ちよく磨けるよう砂糖を加えたり、泡が立つようホウ砂を混ぜたりした。お金持ちは歯ブラシを使って磨き、貧しい人たちは指で磨いた。1800年代の初期の頃には、歯ブラシや歯磨き粉が大量生産されるようになった。

 オスカルもきっと子どもの頃から、歯磨きの習慣があっただろう。おそらくアンドレも…。常に清潔な息で二人は行動を共にし、口臭と無縁の生活を送っていたはず。「凛として閉ざされた唇から おまえの生きたかぐわしい吐息のもれるたびに 俺の体のずっと奥の方から 何か熱っぽいものがこみあげてきて」アンドレの気持ちは落ち着かなくなる。オスカルのかぐわしい吐息は、歯磨きを怠らないことによって生まれた賜物だったのかもしれない。

 読んでくださり、本当にありがとうございます。



2 コメント

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美しい人は (あまぞう)
2017-02-06 13:03:48
肌や髪だけでなく、歯並びが綺麗なことも大切。幼い頃から、衛生の面でもきちんと教育されていれば、成長してからも綺麗な歯でいられますね。彼と彼女の、歯並びが悪かったら幻滅してしまいます(笑)
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あまぞうさま (りら)
2017-02-06 22:49:00
 コメントをありがとうございます。

>歯並びが綺麗なことも大切

 にっこり笑った時、歯並びが良いとそれだけで美しく見えますよね。二人とも丈夫できれいな歯の持ち主だったと思います。
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