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Astro Dragon's blog

天体写真を撮影しています。

α7Sについてあれこれ(その2)

2014-08-03 | 機材

新月期も終わりましたので備忘録的に。

 

・使用ISOについて

ISO1,600、6,400、12,800を使っていくつか撮ってきました。感覚的なものですが、1,6006,400は多枚数スタックしていけば大きな差はないのかな、という印象です。12,800は合計6分程しかスタックしていないのでまだ参考程度ですが、対象によっては充分使えそうな気がします。ちなみに51,200くらいになってくるとアンプノイズのような赤カブリが発生するので、天体撮影には苦しいと思います。12,800~51,200については検証していません。

ISO6,400~12,800が実用域であれば、鏡筒の明るさにも依存しますが、30秒~2分の短い露光時間ですむのでオートガイドの精度があがります。撮影スタイルによってはガイドなしという選択もありなのかもしれません。あと、雲が頻繁に通過したり、強風が吹いたりするような悪条件下での歩留まりアップに大きな威力を発揮すると思います。機材や空のコンディションでISOを使い分けるのもいいかもしれません。

 

・リモート環境について

Canonデジカメ環境における、BackyardEOSやEOSUtilityに該当するソフトウェアがまだありませんので、リモートコントローラーを使います。



いくつか試してみましたが、真ん中にある有線リモコンに落ち着きました(HUQさんに教えていただきました)。よくあるオーソドックスなタイプのリモコンですのですぐに使う事が出来ました。ちなみに左はSONY純正の動画リモコン(タイマー機能なし)、右は赤外線リモコン(タイマー機能あり)です。赤外線のものはもちろんワイヤレスなので取り回しは楽なのですが、カメラの赤外線受光部にリモコンを向けて固定する必要があるので、ふとした事からシャッターミスの可能性がありそうです。うまい具合に固定する事が出来る方は使ってみてもいいと思います。カメラにぴったりと貼付きたい方には一番左のがおすすめです 笑

 

・周辺減光について

前にも書きましたが、周辺減光というより、カメラ開口部の狭さからくる、四隅のケラれに近い大幅な減光に悩まされています。特にここ最近使用しているε-130D(F3.3)ではそれが顕著です。四隅のフラットがあいません。FSQ85ED+レデューサー(F3.8)の時はあまり気にならなかったのですが…。

これについては、サードパーティからカメラ開口部を拡げられるアダプタが発売されるという話が聞こえてきていますので、そちらに期待したいと思います。当面、εと組み合わせる際は、周辺をクロップするか、Photoshopゴリゴリです^^;

 

・冷却改造について

前にも書きましたが、気温21℃(ISO6,400)で撮影した時の所感では、冷却改造は不要なのかなと思います。それ以上の気温で撮影する機会は少なくとも僕はそんなに多くないでしょうし、以前検証した、室温25℃でのノイズを鑑みても個人的には改造なしで問題ないと判断しました。PS等のノイズ処理で対処できる範囲だと思います。ちなみに言い訳ではありませんが、僕の最近の作例はノイズ処理を控えめにしている傾向がありますのでその辺もご考慮願えればと^^;

とはいえ、作品クオリティの面からすれば冷やすに越した事はないでしょうし、僕自身このカメラを冷却した時の作品も見てみたいので、どなたかトライお願い致します 笑

 

・IR改造について

Hα領域の発色についてはやはりノーマルでは"鮮烈な赤"、とはいきません。薄ピンク色ですね。ちらほらとIRフィルタ改造してくれる業者さんも出て来ていますので、やっぱりHαはVividな赤でないと撮った気にならない!という方はそちらに入院させるのも全然アリだと思います。僕は普段使いもありますので、当分このままでいきます。

 

・電子先幕シャッターについて

このカメラはミラーレスですが、シャッターショックはそれなりにあります。ミラーレスカメラなのでもちろんミラーアップ撮影はありません。そこで"電子先幕シャッター"という機能をオンにしています。これにより、シャッターを開いた時のショックはなくなります。なお、無音・無ショックの"サイレント撮影"という機能もありますが、これにするとバルブ撮影が出来なくなりますのでご注意。


・DROについて

DRO(ダイナミックレンジ・オプティマイザー)という機能がこのカメラにはついていて、RAW撮影時にも有効に出来ます。名称からして気にはなっていますが、まだ試すには至っていません。


 


ε-130D + α7Sでカベを撮りました。

2014-07-21 | 機材

織姫星ではありません。

このところ、鏡筒の主鏡セルを何度も(5、6回)外したり、慣れない光軸調整を繰り返したので、本当に出てくる撮像は大丈夫なのかなという不安が払拭できなかったため、効果の程はわかりませんが、以前、FSQ+QSIでやりましたように窓から隣のオフィスビルの壁を新機材で撮ってみました。ビルは50mくらい先でしょうか。星を撮れば話ははやいのでしょうが、このお天気ではそれもかないません。


一番不安だったのは、主鏡マスクを外して付け直した時のネジの締め具合が分からず、もしかしたら強すぎたかもしれないという事でした。「鏡、歪んじゃってないのかな?」って訳です。かと言って締め付けが甘過ぎてネジが徐々に緩んだ挙げ句、主鏡に落ちて傷がついてしまうのはもっと困ります…。

 

壁と鏡筒(カメラ)の関係は完全に並行・垂直にはなっていないとは思いますし、鏡筒も窓際に簡易的に固定しただけの撮影ですが、何かの目安にはなるのかなと…。しかしおあつらえ向きの壁があったものです。ちなみに対象のビルには換気用の窓しかないので怪しい撮影は出来ませんので念のため 笑

 

ε-130D+α7S, ISO:100, 1/250秒

 

この鏡筒のポテンシャルというか基準が自分的に不明のため、完全に判断する事は出来ないのですが、タイルの正方形は保たれているような気はします。でも厳密なところはわかりません…。やはり実際に星空を撮ってみたいところです。

ついでにCCDInspecterでスケアリングも見ようと思ったのですが、なぜかエラーが出てうまく測定が出来ませんでした…。


εの光軸調整を行っています。(その2)

2014-07-18 | 機材

PP板というプラスチックのような素材を使い、前回出来なかった斜鏡合わせ用の「丸板」を作りました。よっちゃんさん推奨の調整方法です。

工作は本気で苦手なのですが、光軸マスターを目指すためにはそんな事も言ってられません。サークルカッターも工作マットも生まれて初めて使いました… 笑

 

主鏡セルを再び引っこ抜き、丸板を取り付け。センターに穴を開けてあります。

まぁ僕にしては上出来です。

 

そして斜鏡の位置合わせ。

白い点が主鏡センター、黒い点が斜鏡センター、十字線がセンタリングアイピースの糸十字。これは分かりやすい!写真は斜鏡センターを合わせた後ですが、かなりズレていました^^;

 

これで合いましたよね?

 

主鏡セルを戻して、主鏡の調整、および斜鏡の最終調整。大分慣れて来たような気がします。

どや!とりあえず、こんなところで良いのではないでしょうか。

 

三連休、天気は期待出来ませんが、もし晴れたら何か撮って来ます。


εの光軸調整を行っています。

2014-07-17 | 機材

購入時に既にしっかり調整されていたイプシロンの光軸ですが、高橋製作所の光軸調整用センタリングチューブの取り説に下記の様な文言を見つけてしまいました。「良い写真を撮るためには」、、、

 

 

「光軸修正を完全にマスターして下さい。」有無を言わせない雰囲気が漂います。世界のタカハシがこう言い切る以上、これはもう良い写真を撮るためには是が非でも光軸修正を完全にマスターするしかないのだと悟りました。

それに遠征先で光軸のズレに気がついても直せないようでは惨めな思いをしそうです。そんなわけで、昨夜はああでもないこうでもないと2時間程光軸合わせに奮闘していましたがあえなく力尽きました。そして本日はその続き。

 

主鏡の押しネジ、引きネジを一生懸命いじっていましたが、ラチがあかないので、よく分からないけどとりあえず主鏡を外しちゃいました。

 

 

意外と簡単に外れました。事前によっちゃん氏のεレビュー動画(光軸調整編)や、主鏡取り外し編を何度もみていたので、主鏡取り付け位置再現の"トラップ"にもかかりません。

うーむ、みていて良かったです…。(危なかった…)

 

主鏡を記念撮影。三基さん製の主鏡マスクもいい具合です。

 

本当はよっちゃん氏考案の赤い板を使った斜鏡の調整をしたかったのですが、準備が出来ていなかったので、今回はブロアーだけで許してあげました。

 

主鏡を元に戻して、引き続き光軸合わせ…。

 

それなりに合って来たのかなぁ…?光軸マスターへの道は険しい。


ε-130Dをテストしました。

2014-07-16 | 機材

いつもの公園に黄色いビアジョッキを持って行きました。目的は重心バランスチェックと簡単な撮像チェックです。場所は都内某公園。有料駐車場ということもあって夜は空いているし、東京にしては視界が開けていてなかなか快適です。光害はいかんともしがたいですが…。

 

まずはセッティング。

なかなかコンパクトな感じです。好みです。赤道儀のウエイトは写真のもの(BabyQで使っているウエイト、1.9kg)では軽すぎたため、SXP付属の少し重いもの(3.7kg)に変更する事でバランスが取れました。ケーブルはワイヤレス…ではなくてこの後付けました^^;

 

前後バランスも問題なし。なかなか良い場所にガイド鏡のペンシルボーグが収まっています。α7S、ペンシルボーグ共に軽量なので、この位置でバランスが取れます。少し重めのQSI(冷却CCD)取り付け時にはこれよりも後ろにずらす事になると思いますので、ちょうど良さげです。遮光フードはまだない状態ですが、形状と取り付け方が課題になりそうですね。

 

というわけで1stライトは、ちょうど昇って来た東京の月。

ISO:100, 1/250秒, 1枚。ホワイトバランスは太陽光、CameraRawで現像。画像処理なし。

 

トリミング版。

現地で撮像を見ながら、やっぱりεはシャープでクリアなんだなと思いました。まさにイエロー・マジック・テレスコープです。YMTです。

 

次に星像チェックで超光害サドル付近。光軸は触ってません(これから)。なお、赤外線リモコンでシャッター時間・枚数指定のバルブ撮影をしています。

ISO:6,400, 2秒, 1枚

街明かりが明るすぎてよくわかりませんorz 概ね良しなんでしょうか?いずれにしても本番撮影までには光軸調整に挑戦します。

 

ついでにガイドテスト。たしか、アークトゥルスだったでしょうか。

ISO:50(!), 5分, 1枚

明るすぎてISO50でもこれ以上の露光は厳しいです。極軸は追い込んでいませんでしたが、ガイドは問題なしだと思います。さすが東西名門のパーツ群、超安定ですね。

 

さて、次は光軸調整です。鬼門となりますかどうか。