【断腸亭日乗とは?】
日乗: 「乗」とは記録を意味する だから日乗は日記・日誌・日録である
荷風は1917/T06年 39歳から1959/S34年 79歳の死の直前まで
42年間にわたって日記を書き続けた それがこの「断腸亭日乗」
全集本の約3,000頁を占めるというから膨大な量
日誌とはいえ随筆・詩歌・評論・天候・来客・外出・交遊・家計簿・・・内容は多岐
また 1日1行の時もあれば 1日1頁など 長短も様々
冒頭写真は私の手元にある文庫本上下 これは全集からの抜粋である
ところどころに 荷風自筆の挿絵が描かれている(表紙の絵も)
今日から数回 テーマごとに超要約口語体で筆記する(原文は文語体)
【最初の結婚】
私はなぜか荷風は生まれながらの放蕩男だと思っていたが結婚歴があった
33歳(1912/T01)のとき
慶応の教授職にあった荷風は親が決めた商家の娘ヨネと結婚
翌年に荷風の父親が死去し 荷風が家督を継ぐ
元々結婚そのものに疑問を抱いていた荷風は 半年足らずで離婚した
34歳 馴染みだった新橋の芸妓・八重次を入籍(どうやら別戸籍?)
これがもとで兄弟・親戚らと絶縁したが その八重次とも翌年離婚
その後 生涯妻帯することは無かった
この八重次という女性 別れた後舞踊家となり藤間静枝と名乗った
その後 別派藤蔭流を興して藤蔭静樹と名乗り 多くの弟子を育てたという
因みに 荷風が初めて吉原に遊んだのは18歳のとき
たぶん学業に身が入らなかったのか 一校試験に失敗
その後 入った外国語学校も2年で除籍されている
また 同じ頃 落語家に入門したり 歌舞伎座の作者見習いなどもしている
かと思えば 新聞社の雑誌記者として入社し 半年足らずで首になる・・・
荷風の結婚話は「断腸亭日乗」を書く以前の話である
青空文庫辺りで ほかの作品を探してみれば あるいは詳細が分かるかも
なお 58歳の時の「日乗」には 情を交わした女性の名前が十数名ズラリ・・・
次回にでも載せたいと考えている
青空文庫では 次の年代の「日乗」を読むことが出来る
朗読のたいへん上手い人の朗読 「二人妻」 Yutube 2時間10分弱
今日はここまで それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]