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【タイ】衣料品輸出が不調、中国製品で大打撃

2005年11月28日 | インドシナ
 タイ衣料品業者協会(TGMA)によると、1~10月の衣料品の輸出伸び率は昨年同期比2.25%増にとどまり、年間伸び率は昨年の12%増を大幅に下回る見通しだ。今年1月のクオータ(輸入割り当て)制撤廃で、最大輸出先の米国などで中国製品にシェアを奪われた。業界ではコスト削減や品質向上に努める一方、自由貿易協定(FTA)による輸入関税の削減に期待が高まっている。

 25日付ネーションなどによると、1~10月の衣料品輸出額は昨年同期比2.25%増の28億7,058万米ドル(約1,183億バーツ)と伸び悩み、予想を大幅に下回った。昨年の年間輸出額は前年比12.5%増の33億9,729万米ドルと好調だった。このため、政府は今年の伸び率を17%増と予測していたが、目標達成はほぼ不可能な状況だ。

 1~10月実績を輸出先別に見ると、輸出額の半数以上を占める米国のほか、欧州連合(EU)向けも昨年同期比0.64%増の7億551万米ドルにとどまった。日本向けは同1.85%増の1億9,176万米ドル、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けが2.87%増の6,826万米ドルといずれも低迷。業界では今年の年間実績が昨年割れするとの懸念の声も出始めた。

 今年5月には米国が中国製品に対する緊急輸入規制(セーフガード)を発動し、タイ国内では輸出の先行きに楽観的な見方が広がっていた。しかし、貿易摩擦を避けたい米中両国は輸入枠をめぐり繊維交渉をスタート。中国側が2006~08年の輸出伸び率を毎年10~17%増に抑制する代わりに、米国側はセーフガードを発動しないことで先月8日に合意した。

 ■対米FTAに期待

 TGMAのティエンチャイ会長は「中国に比べてタイは生産コストが高く、質の高い労働力も欠けている」と指摘。米国が衣料メーカーに取得を義務付けている製造業者識別コード(MIC)をクリアできるよう、中小メーカーの技術力向上に官民で取り組むべきと訴える。また、来年の合意を目指して交渉中の米タイFTAについても「輸出額が5割増える可能性がある」と効果に期待している。

(NNA) - 11月28日10時31分更新

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