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遠い家への道のり (Reprise)

Bruce Springsteen & I

Jay-Z feat. Alicia Keys "Empire State of Mind"

2010-03-30 15:19:39 | In the U.S.A.
ブルックリンで育ち
今ではトライベッカに住んでいる
デ・ニーロと隣付き合い
だけど一生、ちんぴら
俺は新たなシナトラ
この地で成り上がったんだから
どこででもやっていける
どこでも愛されてるのさ 俺は
昔はハーレムでヤバイ仕事もやっていた
ドミニカ系の仲間達
ブロードウェイから
マクドナルドまで俺を連れ戻してたっけ
俺のヤクの隠し場所
ステイト通り 560番地
シモンズがパイでも作ってる所みたく
俺が台所にいるのを見つけるって訳さ
8番街をすっ飛ばす
オフ・ホワイトのレクサスで
とんでもなくのろい運転だけど
BKはテキサス生まれ
俺はベッド・スタイヴセント出身
ビギーの故郷
今じゃ俺のビルボードがそびえ
俺は仲間を連れている
Ty-tyに元気かって聞いてくれよ
今でもMai-taiを啜ってる
コートサイドに座っていれば ニックスやネッツの連中がハイ・ファイブをくれる
酔っ払って審判員を転ばす事だってできるぜ
俺の態度を見れば ほぼ一目瞭然 俺がどこから来たか

ニューヨーク
夢の生まれるコンクリートジャングル
できない事なんて何もない
今ニューヨークに身を置き
この街で真新しい気持ちを抱ける
巨大な光が希望の源となる
盛大な拍手をニューヨークに

俺のおかげでホットになっただろ
ヤンキースの試合で見つけてくれ OGと一緒にいるからな
俺がヤンキースができる以上にヤンキースの帽子を有名にしてやった
俺は正真正銘のヤンキースファン だけど廃人じゃないぜ
俺には一緒に渡り歩く仲間が大勢いる
坩堝へようこそ
街角ではrocksやアフリカ・バンバータの音楽
ヒップホップの故郷
イエロー・キャブに違法タクシー、1ドルタクシー
外国人に呼びかける
足し算の仕方を忘れたみたいに振舞うのはフェアじゃない
そこには800万もの物語があり どれもありのままのもの
大都会 惜しいが半分の連中は成功を手にする事がない
俺はSpecial Edの"I Got It Made"を聴いたぜ
JeezyがLeBronを買うって言うなら俺にはDwayne Wadeがいるぜ
路地裏の博打
レイバー・デイのパレード 安らかに眠れ ボブ・マーリー
自由の女神 WTCよ 永遠に
王よ 永遠に
俺はエンパイア・ステートの出身 それは・・・

まばゆい光の街へようこそ

光は目も眩むばかり
女の子には目隠しが必要
すぐに束縛から逃げ出せるよう
周りには駄目になった盲目の連中でいっぱい
名声の甘い汁に中毒になって
りんごを齧っちゃいけない イヴ
群集の中で目を覚ませ
流行のスタイル
冬には寒くなっても肌を出しているのが流行り
罪深い街は気の毒にも気まぐれ
良い子はお休みの時間
街はそんな子たちでいっぱい
マミはバスで旅に出て 逃げ出した
誰も彼もが彼女を バスルートかのように乗り回す
マリア様に敬礼 この街に
イエスには君を救う事はできない
教会が閉まり 人生は始まる
学校に通うためこの街を訪れ 卒業し上流社会に入っていく
野球選手、ラップ・スター、注目される事に心を奪われている
エクスタシーでチャンピオンのような気分
この街は決して眠らない 睡眠薬でも飲んだ方がいい

この大都市のために片手を空高く掲げて
街灯、大いなる夢 どれも素晴らしい
世界中のどんな街も比べものにならない
ライターを握った手を高く挙げて 叫んで
Yeah と

ENGLISH


(参) 歌詞のリンク先の回答を対訳の面でも参考にしています。ここでは対訳の中でアルファベット表記のままにしたものを取り上げていますが、その他にも字面通りではなく、意味をとって訳した部分があります。どうして、こういう訳になるのかという疑問や、ここは違うのでは、というご意見があればぜひお聞かせください。

  BK: 恋人のビヨンセ・ノウルズ。
  Ty-ty: 親友のあだ名らしいです。
  Mai-tai: カクテルの1つ。
  OG: Jay-Zの所有するレコード会社の社長であり、クラブ40/40の共同経営者でもあるフアン・ペレスの事みたいです。
  rocks: 調べてみたけれどよく分かりませんでした。
  アフリカ・バンバータが最初にヒップホップを始めた頃、ロックのレコードを使っていたから、という意見やドラッグの事だという意見がありました。
  私としては前者が文脈的に合っているかなと思ったのですが、そのままにしました。
  Special Ed, Jeezy: どちらもラッパー。
  LeBron, Dwayne Wade: どちらもNBAのバスケットボール選手。

  
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今回ニューヨーク・シティにいる間、よくこの曲の事を思い浮かべました。2009年に発表され、瞬く間に昨年のヒットとなった楽曲でした。ニューヨーク賛歌である事は知っていたけれども、詳しく歌詞を見た事がなかったのでぜひ帰ったら訳してみようと思っていました。

訳してみた結果、ひしひしと感じられたのはニューヨークへのひたむきな愛というよりも、ニューヨークで鍛え上げた不屈の精神と自身と故郷に対するプライドでした。そしてニューヨークとは、確かにそんな強気な姿勢を感じさせ、それがよく似合う街でもあると思います。街中に溢れる「I Love NY」を掲げたお土産物はニューヨーカー自身の愛と自信があるからこそ説得力があるのであり、エンパイア・ステート・ビルディングや自由の女神、イエロー・キャブにブルックリン橋など、街の象徴となるものも彼らにとってそれが日常の中で深い意味を持つからこそ私達にも魅力的に見えてくるのだと思います。また、ニューヨークはアメリカ人全体にとっても、憧れを感じさせる大都会であり、郷愁を呼ぶ移民入国審査の土地であり、そしてアメリカそのものの活力を感じさせる自尊心の源ともなる場所であるように感じます。だからこそ、この”Empire State of Mind”が全国的なヒットになるのだろう、と。

私は世界有数の大都市などというものはあまり訪れた事がなく、今住んでいる東京と、ニューヨーク・シティがせいぜいといったところです。なので、ロンドンやパリのような他の大都会を訪れた時に一体どのように感じるものかは推して知るべしといったところですが、ニューヨークにいて感じたのはこの街の度量の広さのようなものでした。3週間の滞在のうち、1度目に1人でいた時はタイムズ・スクエア近くのホステルに、2度目にはソーホーの端っこの安いホテルに泊まっていました。さすがにタイムズ・スクエアの近くにいると写真を撮り歩いている観光客の人たちとぶつからずに歩くのが大変なほどで、そこに住んでいるという感じはしないけれど、朝、ニューヨークでこれから仕事をしようという男女と共にデリで朝食を頼み、コーヒーを片手に通りを歩いていると、そこにいる事が本当に自然に感じられるのです。セントラル・パークで日向ぼっこをしていても、ワシントン・スクエア・パークでボブ・ディランの影響を受けてそのまま歳をとったようなおじいさん達が輪になってフォーク・ソングを演奏している傍を通っても、巨大なホール・フーズ・マーケットの中を歩き回っていても、あたかも自分がこの街に暮らしているかのような、自由で気楽な空気を味わう事が私にはできました。私は高校を卒業してから東京に出てきてから長い間、この土地は仮住まいでしかない、という感覚から抜け出す事ができませんでした。そして、慣れのようなものは感じるようになったものの、今でも東京への愛着よりは、かつて退屈でたまらなくて飛び出した故郷の魅力を実感するようになった気持ちの方が強いのです。どんな土地であれ、そこに根を張って生きていこうと思うと、それなりの気概が必要とされるのは当然の事だと思います。私がニューヨーク・シティで感じる気ままな空気は自分がその場限りの訪問者に過ぎないからなのか、それともこの街には本当に何か懐の深さのような魅力があるのか確かめてみるためにも、1度この街に暮らしてみたいと思わないではいられません。ワシントン・スクエア・パークで出会ったジャズ・バンドのトランペッターの男性は「このちょっと先」に住んでいる、という日本人の方でした。きっと大好きなのであろう音楽をやりながら、ニューヨークで生きているこの男性が何だか羨ましく、こんなふうに生きる勇気があれば、きっと”Empire State of Mind”も憧れではなく、自分自身への賛歌として聴く事ができるのだろうと思ったのでした。



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (しゅんまっく)
2010-04-02 22:05:49
growin' upの件、ありがとうございました。

Empire State of Mindは、去年一番よく聴いた曲です。なんで、こんなに昂ぶるんだろ?と思っていたら、asburyさんの書いていらっしゃるように「自分自身への賛歌」になっていたのかもしれません。。。

ちょっと間違えば、梯子を外され、底なしの世界へ落ちてしまうかもしれないけれど、俺は俺であり続ける。この街は俺の一部であり、俺はこの街の一部である。

てな気概が伝わってきます。

丁寧な訳詞ありがとうございました。そして、この曲がもっと好きになれました。



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Unknown (asbury)
2010-04-02 22:57:13
しゅんまっくさん

この曲の歌詞は、本当に「気概」という言葉がとてもよく合いますね。それをご自身への賛歌として聴く事ができるのは羨ましいです。私はどちらかというと憧れを感じます。しゅんまっくさんは以前、暫くニューヨークにいらっしゃった事があったのではなかったでしょうか。その時に味わったニューヨークの空気もこの曲から思い出されるのかなと思いました。

訳は、スラングや独特の言い回しが多く、言葉が勝負のラップなのでなかなか大変だったので、そう言って頂けてとても嬉しいです。
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Unknown (aka DEGGI)
2010-09-14 15:53:12
JAY-Z

to day ThankYou、
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Unknown (asbury)
2010-09-15 00:32:49
aka DEGGIさん
はじめまして。ご訪問とコメントをありがとうございます。何かおっしゃろうとされていた途中だったのでしょうか。。何だかミステリアスなコメントが気になっています.。o○
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Unknown (ykoshi)
2011-01-20 14:12:58
この曲の名前を聞いて,YOUTUBEでチェックした,歌詞を探していたらこちらにたどり着きました。
asburyさんのこの曲への文,非常に共感しました。
米国では街中で異邦人であるとは感じませんが,ともに生きているという感じはなかなか持てません。しかし,NYはこの感じがあるんです。
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Unknown (asbury)
2011-01-21 01:22:30
ykoshiさん
はじめまして。辿り着いていただけてうれしいです。どうもありがとうございます。
ニューヨークシティに行かれたか住まれた経験がおありなのですね。「異邦人であるとは感じないけれど、ともに生きているとい感じはなかなか持てない」というのは、簡潔で言い得て妙だ・・!と思いました。きっと暮らしていくとなったらかなりタフでなければならないのかもしれないけれど、訪れると「この感じ」が何とも魅力的ですね。少し懐かしく、足を運びたくなりました。
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Unknown ()
2011-07-07 02:15:35
どうも初めまして。
この曲とゴッシガールに感化されて猛烈にニューヨークに行きたくなった、
社会人歴三か月の23歳です。(自分兎年なので同い年かもしれませんね。)
高校→予備校→大学→就職と敷かれた線路にのって生きてきたので少し道を踏み外したくなるんですよね。
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Unknown (asbury)
2011-07-07 04:42:27
円さん
はじめまして。ご訪問とコメントをありがとうございます。
今年24歳になられるのですね。私と一緒です。もう社会人になられて3年目とは、何だかびっくりしてしまいます。私は寄り道ばかりです.。o○
どちらが良いとは言えないけれど、ぜひニューヨークは訪れることができるといいですね…!日本での日常とはやっぱりかなり感じが異なるものだから、道を踏み外さなくても、新鮮な気持ちを味わえるかもしれないです。
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Unknown (ゆうき)
2011-09-08 21:37:08
確かにニューヨーク滞在してもかなり自然な感じしますね。。
訳も感想もぴったりですね!
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Unknown (asbury)
2011-09-09 15:59:39
ゆうきさん
こんにちは。温かいコメントをいただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。
ゆうきさんもニューヨークに滞在されたことがあるのですね。他の方も同じように自然な気持ちで街を歩かれるのか、ということはあまり尋ねたことがなかったので新鮮でした。
滞在前はきたいや憧れを煽り、滞在中や滞在後はニューヨークの実感を味わわせてくれる1曲のような気がします。
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