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遠い家への道のり (Reprise)

Bruce Springsteen & I

John Lennon "Stand By Me" in Greenwich Village

2010-03-29 14:51:25 | In the U.S.A.
夜が訪れ
地上は暗く
月の光だけが見える
だけど僕は恐れない 恐がりはしない
君が傍にいてくれる限り

だからダーリン、傍にいてほしい 僕の傍に
いてほしい 僕の傍に

もしも僕らの見上げる空が
落ちてきたとしても
山々が海の中へと崩れ落ちても
僕は泣いたりしない 決して 涙はこぼさない
君が僕の傍にいる限り

苦しい時も どうか僕の傍にいてくれないか
今 君が傍にいてほしい
僕の傍にして欲しい 僕の傍に

ENGLISH

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長い間が空いてしまってすみませんでした。3週間のニューヨーク・シティとオルバニー滞在から無事に戻ってきました。10ヶ月ぶりのアメリカ訪問でしたが、今回は短期滞在という事と自分が新しい生活の節目に立っているという事などから、また前回その場にいた時とは異なる思いで過ごす事ができました。4月に忙しくなる前に少しずつ書いていければと思っています。

長い間、聞き馴染み続けてきた大好きな音楽をある場面で偶然耳にする事で、その瞬間が完璧になり、永遠に心に焼き付けられるという事が私には時々あります。それは経験それだけをとっても、特別なもの、例えば遠く普段の生活から離れた所にいるだとか、何かの節目の行事の最中であるだとか、である事もあれば、日々の何でもない瞬間であったりします。私にとって音楽が手放せないほど大切なのは、それがこうして日々を彩っているからでもあります。

ニューヨーク・シティを訪問中、そんな忘れがたい瞬間を残してくれたのが、グリニッジ・ヴィレッジの路上で出会った4人組のドゥワップ・シンガーのおじさん達でした。日は殆ど暮れ、街灯や店舗の明かりがヴィレッジに日中とは異なる素敵な趣を与え始めた頃でした。向こうから聞こえてくる歌声に引き寄せられるように通りを渡り、すぐ傍まで行くと、細い通りにも関わらず小さな人だかりが彼らをぐるりと取り囲んでいます。そして、次に彼らが歌い始めたのがベン・E・キングのソウルの古典「スタンド・バイ・ミー」だったのです。この曲に初めて出会ったのがいつなのか、もう思い出す事もできないけれど、10代始めの頃から映画『スタンド・バイ・ミー』と共に大好きな1曲でした。けれども、あまりに馴染みの深い曲であるために、歌詞やこの曲の自分にとっての意味を問い直すという事はこの夜までなかったのでした。そして、今、「夜が訪れ、地上は暗く」、空には本当に月が浮かび、私の傍には、傍にいてほしい人が立っている。今夜は3週間のアメリカ滞在最後の夜で、夜が明ければ私は日本に帰らなければならず、傍にいてほしい人はアメリカに残らなければいけない。半年以上、実際に会うことができないというのは個人的にはとても辛く、もうやっていけないと思う事も何度かありました。それでも今回3週間近くを共に過ごして、この人が自分にとって唯一無二の存在である事を実感する事ができ、会えない間に感じた迷いを恥じる思いも、申し訳なく感じる思いもありました。けれども、これから再び半年の月日が立ちはだかると思うと、「決して涙はこぼさない」という訳にはなかなかいかないのでした。そもそも、歌詞の中では「君がいてくれれば」、泣きも恐れもしない、という内容です。それでも、私は不幸な気持ちでこの曲を聴いて泣いた訳ではありません。広いニューヨーク・シティで、あらゆる可能性が存在していた中、今回の滞在で最後の夜に、今いる人と一緒にこの曲をグリニッジ・ヴィレッジで聴けた、素敵な偶然に心をひどく動かされたのです。この曲に耳を傾けながら、この時間がこれから長い間、私にとって大学卒業間際のアメリカ訪問を象徴する思い出になるとはっきり分かりました。帰ったら1番にこの曲について書こうという事もこの時、決めました。

ニューヨーク・シティは私にとって、心惹かれる土地になかなかなりませんでした。ある土地が自分にとって何か意味を持つようになるには、自分がそこで自分にしかない特別な経験をしなければならないけれど、その機会をこれまで欠いてきたからです。今回、自分の足で本当に見たい所、訪れたい所をのぞく事ができ、様々な感慨を感じながら、このように私にとって特別な経験を重ねた事で、ニューヨーク・シティにはアズベリー・パークにも負けないくらい深い親しみと愛情を覚えるようになりました。けれども、ここは私1人の思い出の場所ではなくなってしまった。次に訪れる時もこの曲を聴いた時、隣にいた人が隣にいてくれますように。ビデオはダコタ・アパートの傍、セントラル・パークの中に綺麗な碑があるジョン・レノンのカバーを載せました。






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2 コメント

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Unknown (ブルヲ)
2010-03-29 23:53:37
asburyさん
おかえりなさい。
AlbanyやNYCでとても有意義な時間を過ごせたようで何よりです。
大事な人がいたり、または一緒に過ごせたり、というような場所は特別な場所になりますよね。
そういうことを感じることが出来る時間を、じっくりと大切に過ごしてください。
ちょっと偉そうな言い方ですが、僕も自分の昔の日々を思い出すとそう思います。


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Unknown (asbury)
2010-03-30 15:35:47
ブルヲさん
早速のコメントありがとうございます。嬉しいです。
そうですね。私は長い間、1人でいる事が平気で誰かを必要とするという気持ちが殆どありませんでした。でも、ここ1,2年の間に大切な人が傍にいるという事の意義を実感するようになっていったと思います。1人で平気でいられる気丈さも恋しいと言えばそうなのですが、1つの成長の証なのかなとも思っています。前向きに、大事にしていきたいです。

追伸:グリニッジ・ヴィレッジやイースト・ヴィレッジを歩いている間、よくブルヲさんの事を思い出しました。イースト・ヴィレッジは本当に地元の人々の息遣いが感じられる場所でお勧め頂いて良かったです。
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