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遠い家への道のり (Reprise)

Bruce Springsteen & I

Green Day "Sex, Drug & Violence"

2013-03-30 01:30:25 | Uno!, Dos!, Tre!
俺の人生は いつだってトラブルがついて回る
まるでミステリー・ガールのよう
俺はずっと思い出を追いかけてきた ミステリー・ガールを追うように
この町中で魂を捜し求めるうちに すっかり道を見失ったきりなんだ
大人になる途中で道を誤って それで今は恐怖のどん底

学校にいた頃は
何だか筋が通らないとずっと思ってた
今は支払いならできるけど 注意を払うのは無理
人生でも最も手厳しい教訓
死ぬには頭が悪すぎるってことなんだろう
でもそういうものなのさ
時には後戻りが必要 セックス、ドラッグ、そして暴力に
国語、算数、そして理科に 集団に紛れていれば安全だなんて
俺は危険な方がいいね

能たりんなんかでいたくないんだよ
でもイエスが俺をそんなふうに作っちゃったんだ

生まれてこのかたずっと好き放題やってきた 家出少年みたいに
夜が連れて行ってくれる所ならどこへでも まるで密航者のよう

学校にいた頃は
何だか筋が通らないとずっと思ってた
今は支払いならできるけど 注意を払うのは無理
人生でも最も手厳しい教訓
死ぬには頭が悪すぎるってことなんだろう
でもそういうものなのさ
時には後戻りが必要 セックス、ドラッグ、そして暴力に
国語、算数、そして理科に 集団に紛れていれば安全だなんて
俺は危険な方がいいね

ENGLISH


すっかり更新が滞ってしまって、4月が目前です。グリーン・デイ『Tre!』(2012)は、私は『Uno!』(2012)、『Dos!』(2012)、『Tre!』の3作の中で1番好きだ、と確か以前に書いたはずだけれど、それなのに『Tre!』からは1曲しか取り上げていないことになっていたので、少し書こうと思います。最近になってグリーン・デイはステージにまた立つようになったり、ビリー・ジョー・アームストロングのインタビューなども出てきているので、また少しずつ活動がこれから増えていくようです。私は『Rolling Stone』のビリーのインタビューを読んだけれど、ところどころとても印象的な発言はあったにしても、アルコール中毒や薬物乱用の話の周りをぐるぐるしている感じであまり面白くなかった。もう語り尽くされた苦痛というふうにしか感じられない。

ただ、インタビューの中で"X-Kid"への言及があり、この曲は、中年になることと、パンクであることの折り合いをつけることができず、ビリーと同じ依存症によって命を落とした彼の友人についての歌だと書かれていました。私はこの曲の歌詞における、「I」と「you」は同一人物だと思う、と前に書いたけれど、亡くなった友達は、ビリーにとって、「自分もそうなるかもしれない人」だったのではないかと思いました。何かを為し遂げたはずなのに、或いは少なくとも自分の信念に従って生きてきたはずだったのに、いつの間にかこんなはずではなかったのに、という思いに囚われている。何も変わっていないように思える。その停滞の中に沈み込むのではなくて、それを受け容れて、これから先また同じことが起こるかもしれなくても、再び旅に出ることを自分に強く促す。ビリーは自分は若い頃から父親が亡くなったり、自殺や自殺的行為によって命を落とした友達が周りに沢山いたから、死に対する感覚がなまくらになってしまったと思う、と話しています。これまで死んだ人について曲を書いたのは3度だけで、父についての"Wake Me Up When September Ends"、"X-Kid"、そしてエイミー・ワインハウスについての"Amy"だと言います。それほど死が昔から身近であったのに、今になって"X-Kid"を書くのは、それほどその友人がビリーにとって様々な意味で近しい相手だったからだという気がします。

私は『Tre!』を聴いた時に、同じような「魂を捜しに求めるうちに道に迷った/何もかも手に負えなくなった」というような表現がある"X-Kid"とその次に並ぶ"Sex, Drug, and Violence"は双子の曲なのかな、と思っていました。精神状態の違いが曲の違いを生み出しているだけで、結局自分が変わらないこと、を歌っているんじゃないかと思ったのです。それに対するやりきれなさが"X-Kid"であり、少し前向きにいられるとき、或いはそれほど深刻に考えずにいられるときが"Sex, Drug, and Violence"。頭が悪すぎるから死にはしない、駄目な奴だけど自分のせいじゃないし仕方がない、前にばかり進んでいる訳じゃないけど、だから何だ!セックス、ドラッグ、バイオレンス、そして国語、数学、理科への後退だって時には必要。そして私はそれに激しく共感しているのだと思う。

最近、中高の同窓会への招待状が届いた。厳密には同窓会に準ずるもので、個人の主催者がいたので、彼は私が行かないというのを聞いて、好意を感じる返事をくれたけれど、それはまるで中高生時代の私たちの関係(というものは当時はほぼ存在していなかった)をやり直せるかのような内容だった。私たちが友達付き合いをしなかった、という彼の意見は正しい。お互いに相手のことなんてどうでも良く、殆ど何も知らなかった。でも、今更どうなるものでもなく、私はどうしたくもないのに。高校生の頃と同じように、何とかうまく橋を渡って、誰にもワインをかけられたり、パイを顔面に投げつけられることなく家に帰って、ぐったりして、「Everyone's full of shit!」なんて日記に書きたくない。そうなることが目に見えているし、思ったより楽しかったなんてことになるのはもっと嫌だった。でも、そういう頑なな自分がいちばん中高生の頃から変わっていないような気もしました。何年か前、今でも親しくしている当時の友人に、「何で今でもそんなに(中高のときのことに)こだわってるのさ」と言われたことがある。でも、人生は円(或いは螺旋)を描いているから仕方がない。彼女だって、結局当日は行ったもののいつの間にか姿を消すという高校以来の技を使っていたようだった。私は髪を切りに行ったあと、家で『クラークス』(1994)を観ていた。

ビリーは、『Uno!』は若く、自由であることを、『Dos!』は中年の危機を、『Tre!』は現実を見据えることを歌っていて、17歳のときから今にかけて、それを一渡り生きた、と話しています。でも、その大きな弧の中には、それより小さな『Uno!』『Dos!』『Tre!』が実は沢山連なっているような気もするのです。だから時には後戻りが必要。国語、算数、理科に。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (love_in_earth)
2013-04-08 11:32:47
お久しぶりです。TRE!はまだ聞いたことがなかったのですが、そのようなことを歌った曲があることを知り自分も聞いてみることにしました!
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Unknown (asbury)
2013-04-08 11:39:48
love_in_earthさん
お久しぶりです。コメントもありがとうございます。「そのようなこと」、というのがどの部分を指しているのかにもよりますが、記事の中には私の解釈もずいぶん混じっているので、「なんだ、違うじゃないか!」とならなければいいのですが.。o○でも『Tre!』は、私は本当にいいアルバムだと思います。また聴かれましたら、love_in_earthさんのご感想もぜひお聴きできたらうれしいです。
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Unknown (love_in_earth)
2013-04-08 16:54:34
表現が足りなくて申し訳ありませんでした。わたしが今のところ3作の中でお気に入りなのはトラブルメーカーです♪
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Unknown (asbury)
2013-04-09 01:01:51
love_in_earthさん
いえいえ、とんでもないです。ご丁寧にありがとうございます。『Uno!』は、私の中ではアルバムの始まりと終わりの印象がとても強かったので、こうして他の方の好きな曲をうかがうと新鮮ではっとさせられます。感想やレビューをいろんなところで少しずつ読みかじったのですが、3枚の中で評価されるアルバムも曲も結構まちまちな感じがして、おもしろく思っています。
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