景色

とおりすぎていく日々のなか
景色のなにかが
わたしに触れる

室温

2010-08-27 | weblog

日中の室温は32℃、33℃があたりまえという日が続いている
30℃という数字をみたら涼しいとすら思うようなこの夏だ
絶好調の高気圧のおかげでにわか雨すらなく
不謹慎と言われようと台風でもこないかと期待する

うだる暑さのなかでは読書に熱中するのも家では無理だ
仕事の合間に冷房の効いた電車内や
ドトールといった店内でボチボチ読んでいる

ヴィゴ・モーテンセンのファンとして
新作映画は見たいとは思ったが
<ザ・ロード>はしんどい時期とも重なって
とても映画は見ることはできなかった
原作も恥ずかしながら知らなかったので読むことにした

涙で字がかすみちっとも進まない
静かなとても静かな壮大な詩を読んでいるという感じだ
胸をしめつけられる
父と子の会話は是非とも原文でみたい
涙があふれてとまらない

新 冷血
お盆休みをはさみ合田の登場だ
高梨一家の日常は見事なまでの手法で断ち切られた
あーっと開いた口がふさがらないほどだった
高村氏、お見事!と言うしかない

<太陽を曳く馬>以来の登場だが
アイモカワラズの変わっていない合田に笑うしかないぞ
ヤレヤレ

有料か

2010-08-23 | weblog
ただのコーヒーを飲んでただのお煎餅を食べて
ガラス越しにぼんやり通りの欅を眺めたり
通り過ぎる車をぼんやり眺めたりしていた

博多区の一等地に建つオフィスビルの一角にある
なんとも贅沢なフリーカフェ 播磨屋ステーションだったが
とうとうというべきだろう
今日立ち寄ったら有料になっていた
店内ががら空きなはずだ

オープン初日から店の変わりゆく様をみてきたから
有料化にふみきったのは客のマナー、モラルの問題と思うから
いたしかたないとしても200円はチト高いんでないかい
結局ベローチェまで歩いた

8月の仕事は終わったけれどお盆も過ぎたけれど
今日は処暑だけれど
この暑さにはもうあきらめしかない
どうでんいいよ
なんでんいいよ
暑さに腹をたてても疲れるだけ
暑さを我慢することも疲れるだけ

なんだかすっかり諦めの境地に達してしまい
ぼんやり毎日を過ごしている
体力が落ちたらヤバイという実感はないけれど
食欲はいつもよりあるし、食べる食べる

冷たいカキ氷やアイスクリームといったものを食べたい
とも思わないのは、食べたら腹を壊すぞという脳の指令かもしれない
かくして夏バテもなく酒も美味いし何でも食べる
こうしておばさんは生きのびていくのだ




義務

2010-08-16 | weblog
暑い
どうしてこんなに暑いの
どうして高気圧はそんなに安定しているの
不安定という言葉を知らんのか


帰省の機内放送で今の気温、30℃と聞いたとたん涼しいやんとすら思った
帰福の機内放送で今の気温、35℃と聞いたとたんうんざりした
今日も朝から30℃を越す暑さだ
洗濯物の山と格闘しベランダに出るとそこは熱帯
朝、乾したものはとっくに乾いた

パソの部屋は室温33度
この夏は例年にも増してMBの温度上昇を知らせる
ASUS probeがうるさいったらない
アンタも熱いかもしれんけれど
ワタシも暑いのよ、と下らないつっこみが出るけれど
MBのほうが大事だからネットする時間も減るという寸法だ

実家に帰省する義務も果たした
母は寝たきりなのにいちだんと肌はツヤツヤして
以前よりふっくらと太ってきている
そのことを父はあたかも回復の兆しのように
明るい材料のように喜びながら
ワタシは半年に一度しか会うことがないだけに
客観的に母の様子をどう思うかと聞かれた

父の期待する答えはわかっている
しかしワタシは当初から現実だけを受け入れてきたから
期待する答えはできっこない
良くも悪くもナシ、現状維持だ
ときっぱりと答えた
しかし次に続く言葉は言えなかった

肌ツヤもよくふっくらとしているということは
内臓になんの障害もないということだ
いつまでもずっとずっとこのまま寿命尽きるまで
100歳すぎても生きていくかもしれないということだ

病院をあとにするたびにいつも思う
ぽっくり死にたいよ、あたしゃ


残暑

2010-08-09 | weblog
立秋も過ぎた、残暑お見舞い申し上げます

35℃を越す毎日が日常になり
最高気温38℃だ、39℃だとニュースで見ながら
どうして外出禁止にならないのか、戒厳令の昼にして欲しいと
毎年のようにおもふ

体温が35度前後のワタシにとっては
36℃だ37℃だという外気温は熱がある状態といっていい
どうして仕事に行くの
どうして倒れないの
と毎年のようにぶつくさブツブツこぼしながら
暑さでボーっとしながら仕事を終えて
長い盆休みに入った

脳も溶けそうな暑さに小難しい本は拒否するようになり
しばらく天皇の世紀はお休みだ
かわりに岡本綺堂<中国怪奇小説集>にとりかかった
半七捕物帳ですっかり綺堂ファンになり曳きこまれた

まず、冒頭の海音寺潮五郎の序文に参りましたー
恥ずかしながら氏の作品は読んだことがない
読まねばならんな

子供のころからおなじみのいろんなお話のルーツ
というか原典を初めて読んでいるが、おもしろいに尽きる
螻蛄と雷車の話がお気に入りだ

この数日は雷車を推す阿香が来るのを心待ちにしている
少しは空気も冷えていくというものだ



猛暑日

2010-08-02 | weblog
8月に入った
当然のようにまだまだ暑い
猛暑日の連続だが日中はエアコンは使わない
汗ダラダラで首にタオルを巻きつけ
一日何度もタオルを取り替えるが
湿ったタオルを新しいタオルに変えたときの爽快感たらない
乾いたタオルの感触に、あぁシアワセと感じる

猛暑に見舞われるたびに福岡の過去最高気温は
とテレビでもラジオでも話題になるが
その年のことは忘れはしない
1994年福岡二度目の大渇水
今の仕事に就いた初年度の夏だから
そしてとうとうエアコンを買った年だ

というと今のエアコンは16年目になるんだ
故障したら当然買い替えにはなるが
きっと電気屋さんにはまだ使っていたのかと
呆れられそうな省エネに逆らう商品ではあろう

近所で家屋の解体が始まった
大きな木の門扉に閉ざされ、一度も門が開いているのをみたことがない
この区域でこれだけのお屋敷では固定資産税はいかばかりかと
庶民はいらぬ心配をしていた
家屋の取り壊しというのは人の家であってもなにかしらが痛む

庭の奥に家屋はあり解体中の様子しかうかがえないが
道路から見えるところに
息子夫婦が住んでいたとおぼしき別棟があり
壁をむかれ、家の中が丸見えになり
台所の景色が目に飛び込んできた

若い夫婦のための台所だったのだろうか
システムキッチンは鮮やかなイエロー
ワタシの目にまっすぐに入ったのは
食器が残ったままの食器棚だった
扉は取り外され皿や茶碗が売り物のように並んでいた

なにか見てはいけないものを見たのではないだろうか
様々な想像がかけめぐった

ゆらゆらと陽炎が燃え立つ暑い夏の昼下がりに
鮮やかなイエローのシステムキッチンとむきだしになった食器
ワタシは幻をみたのかもしれない