振り向けばカジュアルウォーターII

某ゴルフサイトで連載していたコラムの続編です。

No.29 勝利要因

2005-04-13 | ゴルフ
石神井川畔 桜並木


【今週の1枚】石神井川畔 桜並木
その重みで、自らの根よりもたれさがった枝をたたえる、立派な桜の並木。その両側は遊歩道となっており、暖かい春の日射しを浴びながら桜をめでるにはかっこうの散策路。何キロも続くその並木は、まさに圧巻。
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週一連載の予定でしたが、やはりマスターズはもう少し書いてみたい。それも、これぞ振りカジというようなコラムでないといけませんね。さて……

とりあげるとしたらやはり最終日でしょうか。第3ラウンドを終わった時点でタイガー・ウッズが12アンダー、クリス・ディマルコが8アンダー。その差4打。この二人のペアリングは非常に対称的であったと思います。パワーで攻めるウッズと、正確さのためには迷わずレイアップするディマルコ。その飛距離はティーショットで50~60ヤードの差がついていました。

その二人の4打差はバックナインに入ってもまだ3打あった。そして、16番、神懸かりともいうべきチップインバーディ。この時点でウッズの勝利を確信した人も多いかと思いますが、その後の2ホール連続ボギー。72ホール終わった段階で12アンダーで並び、プレーオフ……。この展開、どう考えてもディマルコに分があったと思います。しかしそうならなかった。

知人は、今年はウッズがオーガスタの女神に愛されたからだと言いました。確かに16番でのチップインでは、一瞬止まったかに見えたボールがスローモーションのようにカップにすいこまれていった。あのショットこそ、勝利者のためにあったと言っても過言ではありません。しかしそれだけでしょうか。

あれだけの飛距離の差がありながら、4打差を追いついたディマルコは、要するに最終ラウンド、ウッズより上をいっていたわけです。なのに負けた。二人の明暗を分けた要因はなんでしょう? ウッズは確かに強い。けど、そのウッズの上をいっていてディマルコが勝てなかったのは、プレーオフでウッズが4メートルのバーディパットを沈められたからではない(もちろん直接的にはそれで負けたわけですが)と考えています。

その前にディマルコは、負けるべくして負ける要因があったのではないかと思うのです。それは二人のプレースタイルから推し量れます。飛距離で負けるからこそ、レイアップしても確実にピンに寄せるプレースタイルをとらなければならないディマルコが、最終ラウンドにしてはいけなかったミス。それはショートホールを落としてはならないということです。

ロングホールで2オンを狙えるウッズに勝つには、パワーのいらないショートホールでその分を補わなければいけない。しかしそれができなかった……だけでなく、そこでミスを積み重ねたのが敗因ではないでしょうか。3番は両者パー。6番は、手前が急激に下っているグリーンのぎりぎりのところに一度止まりましたが、結局落ちてきてしまった。あれは確実に乗せていなければいけなかった。そして12番では痛恨のボギー。さらに運命の16番では、バーディを取り返せなかった。この4ホールで1つでもウッズを上回っていれば勝てたのです。

さらにいえば同じミスの繰り返しも痛い。18番では、最終ホールとして回ったときも、プレーオフで回ったときも、同じようにグリーン手前で届かなかった。同じミスをする選手は普通の試合ならともかく、やはりメジャーでは勝てないと私は思います。これは、ミケルソンにも同じことが言えると感じています。去年のマスターズで優勝するまでメジャーで勝てなかったのは、同じ理由でしょう。

メディアなどでもウッズのすごさばかりが強調されていますが、今回のマスターズ、ウッズが勝ったのではなく、ディマルコが負けたのだと思います。


 from Manabu **Springwater** Shimizu
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