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新井律子建築設計事務所のブログ

住宅の設計を中心に仕事をしています

當麻曼荼羅絵解き

2010年11月08日 | 日記

11月6日、當麻寺を訪れました。當麻寺奥院で「當麻曼荼羅(たいままんだら)絵解き」を聞く機会に恵まれました。

當麻寺には古来より、「當麻曼陀羅」に描かれた内容を解説する「絵解き」が伝わっています。

奥からお坊さんが現れ、阿弥陀様の左にある絹で復元されたつづれ織の當麻曼荼羅を示しながら、楽しくわかり易く絵解きをしていきます。
まずはつづれ織の説明から
つづれ織とは、手の爪をギザギザにカットして横糸をジグザクに爪で織りこんでいく大変手間のかかる技法です。鏡が後ろに置いてあり、裏面を見ると横糸は見えず、同じ絵になっていました。

国宝・當麻曼荼羅は、天平時代、中将姫(ちゅうじょうひめ)が極楽浄土の光景を、五色の蓮の糸によって織り表した縦・横約四メートル四方の大画幅です。織り上げるのにどのくらい掛かったことか・・・。
図相は西方極楽浄土の壮麗さを表わしたもので、浄土三部経の一つに観無量寿経に説かれた韋提希(いだいけ)夫人の物語に阿弥陀十六想観と九品往生(くほんおうじょう)の姿を周縁三方に、中央にその時感得した極楽浄土の有様を現わしたものです。

また、中将姫のお話もお聞きすることができました。

今は昔、藤原鎌足の子孫である藤原豊成には美しい姫があり、後に中将姫と呼ばれるようになりました。この美しく聡明な姫は、幼い時に実の母を亡くし、意地悪な継母に育てられました。
中将姫はこの継母から執拗ないじめを受け、ついには無実の罪で殺されかけます。
ところが、姫の殺害を命じられていた藤原豊成家の従者は、極楽往生を願い一心に読経する姫の姿を見て、どうしても刀を振り下ろすことができず、姫を山に置き去りにしてきます。
その後、當麻寺で出家し、ひたすら極楽往生を願い、五色の蓮糸を用い、一夜にして織り上げます。これが「当麻曼荼羅」です。
29歳の時、生身の阿弥陀仏と二十五菩薩が現れ、姫は西方極楽浄土へと旅立ちました。中将姫は多くの人々に浄土信仰への道を開きました。

お坊さんの話は三十分つづきましたが、「救われない人に極楽浄土を!」という中将姫の思いを、現在まで語り継ぐ熱のこもったお話でした。

お昼は東大門を入ってすこし行った右側にある宗胤院の奥座敷で、庭を楽しみながらゆっくりと「茶がゆ点心」をいただきました。

大根でできたむくげの花、ひょうたん形の長芋、田楽、さくらんぼの形の小梅など、丹精こめた料理でした。おいしかった!

帰りに、駅前の中将堂本舗で中将餅(よもぎ餅)をおみやげに買いました。これもおいしかったです。