独白

全くの独白

挫折とその後

2019-04-29 00:45:53 | 日記

今年の「大河」は不評らしいが、何と言ってもクドカンはいつも視聴者を裏切らず、笑わせ泣かせてくれる、大いにカタルシスを与えてくれる。最初だけ幾分違和感を持った私も今は気に入っている。

昨夜も見たが面白かったし、本編の後の付け足し(タイトルはあるが、私の頭には無い)も刺戟的であった。

マラソンの金栗四三も、レスリングの高田裕司も、運命に振り回された。

五輪の金を確実視されながら、金栗の大正のベルリン大会は世界大戦の為に開かれず、高田の昭和のモスクワ大会を、日本はボイコットした。

二人を含めた多くの選手が絶望した事であろう。

併し爾後、金栗は箱根駅伝等、多くの事績を残し日本マラソンの父と呼ばれるようになった。

高田さんは「今の私は来年の東京大会に向かって、指導者としてこの上なく充実した仕合わせな日々を送っている。併しモスクワで金メダルを得ていたら、爾後の軌跡が今まで辿って来た実際のものと寸分違わないもので在ると云う事は、あり得まい。そして今の生活がこの上無いものである以上、仮定の軌跡の先に在った筈の生活は、今の生活以下のものでしか在り得ない。」と云うような意味の事を言って居られる。

この事実から、挫折は決して不毛では無く、寧ろ豊饒の源なのであるという事が知れる。

挫折で自暴自棄に等、為るべき理由は無いのである。