メディア規制に人事抗争。中共は今年も正常運転

あけましておめでとうございます。今年もお付き合いいただけるように、なるべく読みやすくするつもりです。

どうもきな臭いというか、年末から変な動きがあるようです。

まずは『新京報』問題の補足から。

『新京報』のサイトがやけに重いです。というかさっきからずっと繋がらないんですが、私だけですか?百度でもNGワードに指定された模様。PDF版を置いてあるのは『南方網』なんで大丈夫っぽいのですが、それでも重い。本気の介入でしょうか(午前4時25分に正常動作を確認)。


(左から『新京報』27日~31日の要職リスト。きれいにいなくなってます)

それを裏付ける、と言うと過ぎるかもしれませんが、昨日『新京報』は予定通り(たぶん)スタンドに並んだものの、ご覧のように削除された編集長以下の名前が31日付けでも回復されていません。責任者不在でどうやって報道の全てに責任を負うのやら。そういえば同紙のモットーだった"負責報道一切"のロゴが無くなってますね。

昨日チェックを忘れていた『香港文匯報』によると、『光明日報』はすでに4名が出向し、『新京報』の副編集長などの要職に就かせることを決定したとあります。『太陽報』によれば、しばらくの間は社長の戴自更に編集長を兼任させ、他の要職は空けたままにしておくつもりだったとか、副編集長の孫雪冬、李多らは当初の予定では解任するつもりだったが、内外マスコミの注目を集めすぎたため保留とされたとあり、情報が錯綜しています。

しかし、編集長復帰によるスト終了で、一応の解決をみた後に発行された31日の紙面でも編集長以下の名前はありませんし、昨日のスト終結エントリーは早まりました。先に謝っておきます。ごめんなさい。

30日付の雁の記事、あれは『新京報』最後の抵抗になるかもしれませんよ。




以前、『新京報』を買った時に貰ったマグカップ。"負責報道一切"というスローガンが懐かしい。あちこちのビルの屋上にありましたね。

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もうひとつは沈国放の左遷。人事抗争に負けたから、その開放的な言動が誰かの癇に障った、私生活に問題があるのだ、などの理由が出てきましたが、一番最初の人事抗争の理由が不明だったため、怪しいのはこれだと思っていました。『太陽報』はそんな私の疑問に答えてくれています。ああ、またミスリードされてるのかしら。

中国外交 銭其シン時代に別れ
http://the-sun.orisun.com/channels/news/20051231/20051231020441_0000.html

沈国放の解任は胡温人事再編成の一手目である。中共第十六次四中全会以降、胡温体制が始まり、中央、地方の人事再編成を開始し、それは外交にも及んできた。中国外交はまもなく銭其シンの影から抜け出す事になる。

80年代、新聞局局長出身の銭其シンが外交部長に就任すると、新聞局の人間を大抜擢し始めた。李肇星(現外交部長)や馬毓真(元駐英大使)、呉建民(元駐仏大使)らがそうだ。銭其シンを核心とする新聞局派閥が形成され、過去10数年に渡って外交部の主流となっていた。銭其シンが外交部を離れた後も、"新聞局"は李肇星を新しい主人に向かえ、沈国放はその新鋭となり、外交部の新しい指導者となった。銭其シン自身は"外交の父"となって、外交においての発言権を確保してきた。

しかし、江沢民が中央軍事委主席を辞職すると、李肇星の外交への影響力は小さくなった。江沢民時代、海外訪問となると李は常に付き従っていたが、胡錦濤、温家宝は何度も海外訪問を行ったにもかかわらず唐家センとして随行するのみで、重要な問題は唐が発言していた。

また、前の対外連絡部長だった戴秉国(外交副部長)が、外交部党組書記と常務副部長を兼任し、近頃また中央外弁主任となっって胡錦濤の特使として何度もアメリカを訪れている。目下外交部で活躍が目立つのは、唐家センのアジア局長時代の部下であり、その中には武大偉副部長や、王毅駐日大使も含まれる。
沈国放の更迭は前ぶれで、李肇星の辞任も時間の問題でしかない。銭外交の時代は終わったのだ。

なるほど。武大偉と王毅は二人とも前後して副部長と駐日大使を歴任していますし、戴秉国は事実上外交部の業務も仕切るという党組書記を兼任し、対外連絡部長時代もアジア共産党を仕切っていたとか。日中共産党の和解も彼の功績ですかね。唐家センはアジア局副部長だったようなんですけど、そこは香港紙ですから期待してはいけないのかも。

私のような単純な人間は、王毅の召還もそういうの意図があってのことかと考えたくなります。確実に言えるのは、沈国放は外交の舞台から外され(一級降格されてるらしいです)、李肇星は来年定年を理由に退任の見込みだということ。どっちにしろ外交部の対日政策が激変する事はなさそうですが、誰が外交部の主導権を握ったかが問題。この流れだとやはり胡錦濤でしょうか。

新年1つ目のエントリーから意味不明になりました。今年もこんな感じで続きますので。
コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (閑話休題)
2006-01-01 17:26:06
新年好!



aquarellisuteさんのご指摘のように,当局に統制された中国内のニュースサイトは,今ひとつ真面目に読もうという気力を失わせます。私など,いかにも中国らしい「トンデモ事件」を拾って読む程度,政治ニュースにはあまり食指が動きません。ただ,大本営発表とはいえ,継続的にウォッチして裏の裏まで読むことも必要なのでしょうね。



さて,この数日,ヤフー中国のニュースページから「国際ニュース欄」が消えています。今までは,上から「社会」「国際」云々と並んでいましたが,「国際」が消えて「社会」も下の方へ移動,トップは中国人らしく「財経」になっています。何か深い陰謀があるのか,はたまた単なるエラーなのか。なお,私の勘違いという可能性も大ですが。笑



ここで知った「新京報」ですが,先日ようやく「お気に入り」に登録。その途端に編集長解任とかでがっかり。今のトップニュースは「胡錦トウ,人民共享改革成果」ですからねえ,あ~あ。ところで,今年は真面目に香港や台湾のサイトも眺めてみようかと。繁体字が苦手なのでもっぱら英語版ですが,中国からアクセス不可のサイトが多くて悲しい。



では,失礼します。
 
 
 
Re: 『新京報』のサイトがやけに重い (遊爺)
2006-01-01 18:03:07
aquarellisuteさんはじめまして。遊爺と申します。



>『新京報』のサイトがやけに重いです。というかさっきからずっと繋がらないんです



 PDFのhttp://www.nanfangdaily.com.cn/southnews/pdf/xjb/20051230/A32.PDFを試してみたら、10分くらいかかりましたが開きました。

 Webの頁をブックマークしていたのですが、年末の大掃除で消えたらしくて、新しく検索した http://news.thebeijingnews.com/ は、ストレス無く開きます。

 でも、年末に観たときとは頁のデザインも違っています。英語やフランス語の頁へのリンクがあったのが見あたりません。

 中国語は全然解らず、英語も怪しい私なのですが...。



 
 
 
初春のお喜びを申し上げます。 (パンダ)
2006-01-01 20:04:32
もしやと思いブログにアクセスしたら・・・(笑)



今年も「好き勝手独り言コメント」を何度も投稿させていただくことになりそうです。昨年後半からのにわか中華ファン?なので、思い違いも多々あることでしょうが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

ニュースで報道官の登場回数が増えたあたりから、ふと隣国を正視すると、固太りした不気味な国になっていたというのが中国に対する正直な印象です。



せっかく名前と顔を覚えたのに李外相は(実はとっつぁんと呼びたい、親しみをこめて)あと1年ほどですか。

阿南氏も交代ですね。この人は工作活動を大陸できちんとしてくれていたんだろうか?
 
 
 
Unknown (閑話休題)
2006-01-01 21:13:02
私のところ(吉林省)からは,以前と同じような感じで「新京報」を閲覧することができます。とは申しましても,名ばかりの寛帯(ADSL)のため決してスムーズではありません。ヤフーや新京報はまだ軽量級ですが,「捜狐」など中国特有の超重量級「よくばりトップページ」のためにフリーズすることもしばしば。
 
 
 
Unknown (aquarellisute)
2006-01-02 22:28:47
皆さん明けましておめでとうございます。





>閑話休題さん



yahooですが、新聞も数日前から「資訊」になってるような。アドレスはxinwenのままですけど。『新京報』のアドレスも変わってますが、こんな微妙な差を個人でチェックしてられませんっての。それが楽しいというところまで行けばあなたも私も立派なヲチャー。なりたくないけど。



寛帯ですか。128kbで寛帯とか名乗るのはいい加減止めて欲しいなあ。まあ、場所にも寄りますけど、独享を謳ってても隣が繋げると途端に遅くなったりして、って私はどんな酷い所に住んでいたんでしょうか。それだけ環境が貧弱なのに、広告は立ちまくるわ、フラッシュは流れるわ。2chを見習って下さい。お願い。

ttp://xinwen.yahoo.com.cn/



>遊爺さん



はじめまして。よろしくお願いします。



PDFのダウンロードには元から多少時間を要していましたが、31日からさらに遅くなったような。『新京報』のアドレスが変わったのは分かるんですが、ご指摘のサイトのデザインについては違和感を覚えるものの、チェック不足のため分かりませんでした。どこかに以前の画面を保存していないかと探してみたんですが・・・なかった。



>パンダさん



>もしやと思いブログにアクセスしたら・・・(笑)

ねえ。



私もヲチは一昨年のサッカーからですし、見習いの肩書きが取れるまでには、あと100年くらいはかかりそうです。人様をご指導するほどの見識はありませんが、宿題を教えあうような感じで、皆さんの知識や考え、経験などを共有したり補完できるブログになればいいかなと思います。永遠に終わりそうに無い量の宿題なので、手伝っていただけると助かります。



李のとっつぁんに限らず、外交部の人は対日外交の足を引っ張る集団だと見ていたのですが、やはりどんな小さいところにも派閥はあるんですねえ。報道によると新聞局は干されていくそうですから、孔泉はどこか小国の大使になれれば良い方かもしれませんね。残念。
 
 
 
あけまして (愛読者)
2006-01-04 16:45:48
一時更新が低調だったようですが、このところ復帰(?)され、また内容も濃くなったようでとても喜んでおります。今年も楽しみにしております。
 
 
 
Re:あけました (aquarellisute)
2006-01-04 23:52:48
愛読者さん、はじめまして。参った、そんな名前で書き込まれると、恥ずかしいです。



面白いネタはありましたが、私に消化する時間と力が無かっただけでして。今は時間だけはありますので、ボチボチ更新していけると思います。



締め切りのある人たちは大変です。こっちは「作者急病のためお休み」なんて断りを入れなくても、放置しておけばいいんですから。サボるぞと宣言してるんじゃないですよ。



よければこれからも読んでやって下さい。
 
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