第11話~焦燥~

日中友好センターの情報で、岡田は1945年に亡くなっていたことがわかった。情報不足もあり、結局ほとんどつかめていないのだ。

蕭漢生の映像を見る内に、創太は男の声が聞こえるようになった。若き日の漢生の声だ。彼は「オレが暴動を指揮したというのか」と言っている。


収容所に女性の挺身隊と宮崎美恵子医師が到着の報告を受ける岡田は、美恵子の名に反応する。夏明遠を釈放すると、自ら美恵子に会いに行き、夏から工作を聞き出させようとする。

蕭は夏からの情報で、新しく入った捕虜の中に建築と化学の専門家がいる事を知る。賀子俊は以前夏が国民党のスパイだった頃拷問にあっており、"唐山"への参加を渋るが、蕭は「中国人のために」と共闘を訴える。

周の病状は重くなるばかりだ。蕭が過激な行動に出る前に、爆薬を盗み出すよう三宝たちに命じる。

憶は萩村教授を訪れる。外で大音響で戦争を恥じない右翼団体を、萩村は「あれは芝居だ。過去を軽視すると同じことをする」と非難する。萩村も回顧録の内容を信じるとはしながら、更に詳しい証拠が必要だと話す。彼はその証拠となる台湾人通訳である李克倹の名前を知っていたが、彼も昨年亡くなったのだ。

周は岡田の命で病院に移されることになったが、彼は猛然と抵抗し結局残ることになる。三宝の報告を聞く周は愕然とする。共産党側の人間は自分を半ば裏切り者視していたのだ。自分にもしものことがあったら、遺志を継ぐよう頼む。

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【登場人物】
宮崎美恵子(武藤美幸):医師。岡田の女か
萩村教授:日本における捕虜問題を研究。アカい思想に冒されている

【解説】
萩村教授登場の場面は11話のハイライト、かなりネタが詰め込まれてますね。まずマンションの外で右翼に「真実に目をむけよ」「反日、自虐的精神、史実捏造」と叫ばせ、中国人の右翼観をストレートに体現。「右翼は歴史を捏造する」を植えつけてます。

しかし、彼らはわりとさわやか系で騒音も並ですし、通行人が普通にビラをもらってる点から、この右翼は市民生活に割りと溶け込んでると推測されますが、どうでしょうか。

そして荻村はいわゆる良識的な日本人(理想であり代弁者ですね)、ドイツ大統領ワイツゼッカー(ドラマでは「バイゼッカー」)の「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目である」を引用し、さりげなく日本を批判。これも掲示板で見られる「謝罪したドイツ」と「してない日本」の違いを強調したものです。

これは言葉だけが独り歩きをしているようです。ドイツはユダヤ人への個人補償のみが行われただけで、ホロコーストや他国侵略の補償はまだ、ワイゼッカー自身もナチスの将校である過去を曖昧にする狙いがあったとして批判を受けていたのですが、一部では意図的に引用されているようです。このドラマでもそうですね。

なんとも都合のいい新入りが連れられてきたものです。建築と化学って…

「悪役も家族や親しい人間にはやさしい一面を見せる」という、黄金の鉄則が岡田にも適用されました。相手は武藤さん演じる美恵子。ついに噂の武藤さんがでてきました。さすがに女優さんだけあって、小百合役の小山田さんより演技が光りますね。繰り返しますが、小山田さんと比べてですよ。次回以降の活躍に期待しましょう。
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