モグリッチョのフィールドノート

八丈島の自然などを紹介しています。

カクレイワガニ

2010年07月26日 | 甲殻類
学名: Geograpsus grayi
 
 
 
 乙千代ヶ浜トイレの海側にあるコンクリート製の大きな波除けの内側で確認しました。最初はイワガニかとも思ったのですが、よく確認すると八丈島に生息する数少ない陸生の“カクレイワガニ”で、既に命つき果てており体が乾燥しはじめていました。ちなみに八丈島ではこのカニは“オカガニ”という地方名で呼ばれていますが、現在では残念ながら地元の者でさえもこのカニの存在すら知らないという人が大多数なのが現実なのであります。海岸近くの石垣などに棲み夜行性なので人目につきにくい、というのも存在を忘れられる一要因なのかな?

 腹部を確認すると雌で沢山の卵を抱卵しており、産卵に海へ向かう途中だったようです。大きなコンクリート壁に進路を阻まれ帰る道も見失ってしまい、容赦なく照りつける真夏の直射日光とコンクリートの放射熱の灼熱地獄の中で、事切れてしまったのでしょうね。“行くも地獄、戻るも地獄”なのでありますよ…合掌。

 今更ながらに思うのですが “開発と自然保護” なかなか難しい問題でありますな。
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