顔が広い、とよく云われる。
面積の話ではない。
交友関係の話だ。
特に意識したことはないが、まぁ、そうだろうな、とは思う。
だが椿影虎にとっては、そんなのどうでもいいことだ。
後輩の佐々木紘也にとってはそうではないらしく、尊敬の念をこめて向けてくる眼差しが鬱陶しい。
「すごいっスよ。いまの志藤紫じゃないですか。さすがっスね。影虎さん、あんな美女ともお知り合いなんスね」
同級生の志藤紫 . . . 本文を読む
志藤紫はあることが気になっていた。
学校の廊下でちょくちょく見かける、少し目だった感じの男子生徒。
背はちょっと高めで同じぐらい。ヒールを履けば紫が見下ろすことになる。
顔はまぁ、悪くない。
平均点以上ではあるが、如何せんよく並んで歩いている連れの男子が格好よすぎて、そこまで際立った印象を与えない。
よく笑い、通る声をしているので、気にするつもりはなくてもついついそちらを見てしまうのだ . . . 本文を読む
男爵の称号を名前につけた関西弁を喋る男の人が、テレビで変な歩き方をしていたのは何年前のことだろう。
あの頃はへんなの、なんて笑っていた結城ひなただが、いまは少し歩き方に興味を持っていた。もちろん、あんな変な歩き方ではない。
ファッションモデルのそれとも違う不思議な、けれどとても美しい歩き方だった。
ひなたは気付いた瞬間に虜になり、以来なんとか真似しようと試みていた。
まず最初には背筋を伸 . . . 本文を読む
ようやく『16:00-18:00』が完成した。
400字詰め原稿用紙四十枚に届かないような作品だったけれど、書くのに偉い手間をかけてしまった。
何度も投げ出そうとした作品ではあるけれど、何とか完成することの出来たいまとなっては、投げ出さないでよかったと思っている。
この作品は僕の苦手な描写力を高めよう、と決意して書き出した作品。
ひとつの町を何とか描写しきれたら、と思ったのだが、結果は . . . 本文を読む
通りに出て時計を見ると、時刻はもうじき十七時になろうかというところ。たっぷり、というわけではないが、時間の余裕はあるようだ。
駅に戻るのも手の一つだが、もう少し先に進んでみることにした。
少し先に広い道路が横切っているのが見える。
僕の頭にあるのはその道路のことではなく、いまいる通りに併走しているであろう、駅で二股に分かれていた隣の通りだ。
きっとあの道路からそちらに移れるはず。見知らぬ . . . 本文を読む
《ネット小説ランキングより来られた方へ》
はじめまして、kouといいます。
僕の小説に興味を抱いてくださってありがとうございます。
ここはブログがメインなのですが、少し小説も置いてあります。
カテゴリーのオリジナル小説のところにおいてありますので、もしよろしければそちらもご覧下さい。
もちろん、ブログの方も読んでいただけると幸いです。
拙いものばかりで構成されているブログですが、暇な . . . 本文を読む
書きたいと思っているテーマのひとつに『サムライ』がある。
『サムライ』といっても時代劇ではなく、かといって単純な剣戟ものでもなく、ではどういったものが書きたいんだろうなぁ、と漠然と考えていたんだけど、この間答えが出た。
僕は思い描く『サムライ』は忍耐だ。押し寄せる不条理でやるせない事象の数々。逃げる事も改善することも叶わず、ただじっと耐え抜き、最後の最後で解放される感情の波濤。
その荒れ狂 . . . 本文を読む
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今回は初の試みとして、ネット小説ランキングというものに登録してみました。
これが吉と出るか凶と出るか、結果が楽しみなところです。
さらに今回は文をシャープにまとめる練習として、枚数制限も設けてみました。
制限枚数十枚。
意外と簡単なようにみえて難しい。
なにがって、この枚数で抑えるのが。
初稿の段階では、二人が通用口を挟んで喋る前にもう十枚越えてしまってましたからね。
その後ざっ . . . 本文を読む
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