演劇部員は許しておけない！

　この春、新しい出会いがあった。

　彼女は演劇を学んだことがあるとか、学んでいる最中だとかいう事だ。

　つまり、出会って間がなく、それほど親しくもない。

　はずなのだ！

　それが妙に馴れ馴れしい。

　馴れ馴れしいというか、距離感がやたら近い。

　かなり驚いている。

　けどまぁ、それはたいしたことではない。

　距離感が近くても不快ではないから、構わない。

　ある意味、接しやすい、とも言える。

　が！

　だが！

　この間、彼女に笑われた。

　笑われた、というか小バカにされた。

　それも、唇の端をちょっと吊り上げる、というハイレベルな方法でバカにされた。

　人生初である！！

　許せない！！

　いや、もちろん、相手が冗談でやった、というのはわかっている。

　わかっているが、そんな演劇部で身につけた高等テクニックでバカにされるなんて、我慢がならん！！

　チクショー！！！！

　僕も歌劇の勉強をして、高らかに歌い上げながら、あの女を小バカにしてやりたい！！