今年は短編を二本仕上げることが出来た。
評価はイマイチだったけど、完成させたことがなにより嬉しい。
来年も、頑張って書こう。 . . . 本文を読む
最近小説を書いていない。
まったくといっていいほど書いてない。
忙しくて時間がない、というのもある。
でも、もっと決定的ななにかが僕の中で欠如してしまったような気がする。
それがなにかはよくわからないけど、
寂しいような、
苦しいような、
いまはそんな感じ。 . . . 本文を読む
完結はしていないが、『ロイヤルストレートフラッシュ』の3を公開してみた。
たとえ連載ものでも完結しているものを、というのが僕の考え方なのだが、それをやっているといつになるかわからないので、とりあえず載せてみた。
少しでも動いている証と云おうか、これしか書いていないんだ、という恥を晒したと云おうか、まぁ、そんな感じだ。
察しの良い方は去年の総まとめで乗せたものと冒頭が全然変わっているこ . . . 本文を読む
零は家を出るとき鍵を掛けるという行為をしない。オートロックのついた高級マンションの一室が、彼のいまの家であるからだ。
いまという云い方をしたのは、本来の家はここよりもっと郊外にある山の上にそびえる豪邸だからだ。その家にさえ、生まれてからの十七年間で三百六十五日も生活していない。幼いときより海外での暮らしの方が長かったからである。
ある意味では人も羨むような生活ではあったのだが、常に注目される . . . 本文を読む
擬音をつければ『ヌッ』という音が似合うであろう。
大きな影が少女に覆いかぶさる。
確かに少女は少し震えていたが、それは脅えているからではない。たぶん、痛みのせいでもないだろう。
ほどなくして全てが終わり、影が引いた。
「あ、ありがとうございます」
同じ高校の一学年下の生徒であることを示したスカーフを首に巻いた少女は、大輔の顔を見上げながら照れたようにそう云った。
これまで医者以外の男性 . . . 本文を読む
久住零は変に恥ずかしがり屋なところがある。食事をしているところを見られるのも、見てしまうのも恥ずべき行為と感じている。
学校でも昼食はひとりだ。購買で買うという行為すら人に見られるのを嫌い、毎朝自分で弁当を作り、学校に持っていく。それを人気のないところで食べる。
その隠れっぷりは天才的で、高校に入学してからの一年と三ヶ月、誰にも見つかったことはない。
ただ一度だけ、おせっかいな同級生の女子 . . . 本文を読む
悔いが残る、といえばこれほど悔いが残るカテゴリーもない。
結局『ロイヤルストレートフラッシュ』は完成には至らなかった。
怠惰の極みとはまさにこのことだ。
紡ぐ言葉もないのが現状だが、年の終わりの恥さらしとして、書きかけの数行を残しておく。
この章で全てのカードが出揃う予定だったのだが、メンバーの紹介は来年まで待って欲しい。
『ロイヤルストレートフラッシュ3(仮)』
ひと . . . 本文を読む
久し振りの蛇足。
数時間前にUPした小説は二週間前に一度書き上げたもの。
それをボタンの押し間違えで全部消してしまい、欝な気分と戦いながら書き直したもの。
最初に書いたものは前半部分の、薫の感じているズレの部分を強調した内容で、後半の信号待ちのシーンももう少しだらだらしていた。
ちょっと気に入らない構成だったので、書き直しのときに意識的に変えようとした。
ズレの部分をいまとシンクロして . . . 本文を読む
雨の日は楽だ。
若菜薫はそう思う。
雨の日は誰も彼もが鬱蒼とした顔をしている。どれだけ普通にしていても、他人からよく呆としている、と云われる薫にとって、雨の日は自分のそんな表情が目立つこともなく、誰からも注目されることがないので楽でいい。
若菜薫は他人に注目されることが嫌いだ。
それは人付き合いが幼い頃から苦手で、さらに云うと、自分が他に人間とズレている、と感じているからだ。
いまでこ . . . 本文を読む