ものごとの善悪、損得、正邪について、人間は自分が考えたいように、考え、思いたいように、思うようにできています。すべて自分中心に解釈しています。だから、善悪や損得や正邪の判断を控え、さらには停止させないかぎりものごとの真相・真実は見えてきません。
人間がなした悪い心や悪い言葉や悪い行いの結果を帳消しにすることはできません。その報いから逃れることはできないのです。神さまや仏さまにすがってもムリです。神さまや仏さまはその結果や報いをどのように乗り越えるか、そのヒントを教えてくれるだけなのです。
ひとつの事実についてその真実や真相は人の数ほど存在します。つまり、何が真実か、何が真相か、分からない。それが真実であり、真相です。だから、自分が考えている真実や真相にこだわると人生が不自由で窮屈なものになってしまいます。
人間、善をなせば幸せになり、悪をなせば不幸になります。人間の眼で世間を見て肯定しがたく思えても、これは永遠の真理です。この永遠の真理を否定する思想はどんなに魅力的であっても人間を破滅させます。
心が平安である、ということは、心が客観的である、ということです。それはプラス思考で舞い上がることでもなく、マイナス思考で落ち込むことでもありません。心が平安であれば、神仏に頼らなくても、人生のすべての問題が順調に解決します。
人生には「自己責任の法則」がはたらいています。あなたに対して神や仏が責任を持っているとしたなら、あなたは永遠に自由にはなれません。神や仏があたなたを支配するからです。自己責任だから、あなたは自由に生きられるのです。あなたはあなた自身の人生を支配できるのです。
変化とは生滅の法則です。すべてが生じては滅しています。あなたという心と体を持った存在も今の一瞬に生じて滅していきます。今の一瞬に地球も生じて、滅していきます。今の一瞬に宇宙も生じて、滅していきます。すべてが過ぎ去っていきます。あなたはすべてを手放さなければなりません。だから、思考も感情も手放すことが先決です。
人生の有り様はみんなそれぞれ違います。でも、絶対に変わらない唯一の真実があります。それは人はかならず死ぬ、という厳然たる真実です。科学や医学がどんなに発展しても人間は死から逃れることはできません。これが森羅万象を支配している絶対平等の法則です。
すべてが変化する。これが人生と宇宙の唯一の絶対的真理法則です。心すれば人間だれでも、自分の目や耳や鼻や皮膚、すなわち、五感をとおして、その真理を悟ることができるのです。