私は島が大好きだ。
といっても、ハワイ、ボルネオ、マンタナニ、サイパン、テニアン、そして今回行ったティオマンしかしらないけど。
小さければ小さいほど、開発されていなければいないほど、好きだ。
好きな順に並べれば、マンタナニ、テニアン、ボルネオ、サイパン、ハワイ、だいたい小さい順。
サラン村のメインストリート。(というか唯一のストリート)
私は「こうありたい。こうあるはずなのに。」という自分への要求が強く、ぬぐえない。。
なのにそれに伴う努力をしないものだから理想からどんどん離れていき、離れれば離れるほど人と会いたくなくて引きこもり、引きこもれば引きこもるほどさらに理想から離れていく。
そんな悪循環が続いて、ここ2年ですっかり緩み切ってしまった。
非リア充が続くと、精神面でも閉じてしまう。
なぜやぶからぼうにこんな暗いカミングアウトをするかというと。
島に行くと、そんな自分基準値がリセットされて、「私はこんなもん、いいじゃんそれで。」という気持ちになれるのだ。
現状の自分を肯定していいんだ、と思える。
ポッコリお腹にも臆さず水着で遊びまわるし、気持ちが素直になっていろんな人たちと仲良くなれる。
そんな風に思わせてくれる島が、大好きなのだ。
ただ海外じゃなく、なぜ「島」なのか。
そこはよくわからないけど、地元の人もほとんどの旅行者も、島にいる人たちは他人との垣根が低いように思う。運命共同意識なんだろうか。不思議とお互いに肯定しあう雰囲気の中で交流するから、安心できるし、表面的な会話の空っぽ感を感じない。
またできること、いける場所が限られているせいか、それとも陸よりちょっぴり怠惰な島民のメンタリティが乗り移るのか、気持ちがゆったりする。なにが起きても、「まあしょうがない。」って思える心の余裕がうまれて、そんな自分になれることに大きな感謝。
そんな島の力に身を任せて過ごす時間は、まさに至福の時なのだ。
(*なお、電気の供給も夜間限定だったマンタナニ島のイメージで、すべての通信機器をKLのLuggage Serviceに預けていったのだが。あけてビックリティオマン島、あちこちにWifi Receptionが。。。。超都会。)
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ティオマン島のリアルラマダン
今年のハリラヤ・プアサは8月19日。
なので到着して2日間はまだラマダン中(日の出から日没までは食事をしてはならない、イスラム教の断食の月)。
去年マレーシアに来たのもラマダン中だったが、KLやKKでは中華系・インド系のお店は全然関係なく営業していたし、マンタナニなんかモスリム達すらラマダンなんて無視だったのだが(*サバ州はモスリム率が低く、またイスラムの習慣もゆるやか)。
今回はモスリム文化をもろ体感することになった。
到着した日の午後、きれいな海にテンションあがっていきなりスノーケルをして、おなかペコペコ。
これならビールも美味かろう!とノリノリで通りがかりの食堂に入ったのが午後6時半。
メニューを持ってきた女の子がひとなつこい笑顔で、さりげなーく言いました。
「7時45分までは食事を出せないけど待てる?」
は?
まだ1時間もありますが?
なんというトラップ。
開店している=食べられると思ったら大間違い。
働くのはいいけど、食べ物はNG、ということでこんなちぐはぐな状況になっているのだ。
さらに、アルコール類を一切置いていないという、まさかの事態。
ただ持込みはOKだというので、空港で買ってきたGinを部屋から持ってくる。
コップがなかったので貸してくれるか聞いてみると、「そのコップでアルコールを飲むのか?」と確認するやスタッフ間でもめはじめた。
どうもお店の食器を使ってアルコールを飲まれることが、モスリム的に問題あるっぽい雰囲気。
「ああ、もういいよ、気にしないで。部屋で飲むから。」って言いかけたとき、問題解決したらしくコップが出てきました。
カールスバーグのビールジョッキが。
どーゆーことやねん!
ちなみに右側の添えられたお花は、道で会った地元の子供たちがくれたもの。(道端に咲いてるのをその場でちぎってくれるだけなんだけどね。次々に「もらって、もらって。」と言ってくるのがかわいかった。)
まさに開店休業中のレストラン、キッチンスタッフはテレビに夢中(笑)。
ここのごはん、どれも10RM(280円)前後でお手頃、どのメニューもおいしかった!
これを夕日を見ながら食べられたらサイコーなんだけどな~(笑)。
イカのブラックペッパー炒め
空芯菜?炒め
ビーフルンダン(カレー餅?ショウガやスパイスが効いてて、うまい!!
ナシレマッ。ここのナシレマッをいただいてから、すっかり大好物。
明けてハリラヤ
モスリム色が濃厚な分、ハリラヤの祝いっぷりも盛大だ。
朝早くお祈り音楽が鳴り響き、昨日までノーメーク&スーパーカジュアルだった村人たちがみな、男性はサンピン、女性はバジュケバヤ、バジュクロンと呼ばれる正装に身を包み、メイクもばっちりいそいそと歩いている。
いろんな村のモスクにお祈りに行ったあと、各家のオープンハウスを行脚するわけだから、大忙し。こんなに速足の島民を見たのは、後にも先にもこの時かぎり。
この日ばかりはツーリストは完全に脇役です。
私がダイビング講習を受けたダイブセンターは完全に欧米系&スタッフ全員西洋人なので、ハリラヤの雰囲気はなかろう~と思いつつ集合時刻の9時に行ってみると、一緒に潜るオシアナ以外、ダレモイナイ。
10時ごろようやくスタッフが一人チャリンチャリンと現れ、
「今日はハリラヤでローカルのボートが出ないので、11時半出発になるよ。よろしく~」
キャプテンがローカルだったか・・・。盲点だった。
そりゃ~出ないわな。
そんなもん事前にわかりきってるのに伝えてくれなかった(しかも集合時刻にもきやしない)ショップには少々改善の余地ありだけど、まあいっか。11時半に出してくれるだけでも御の字です。
そして夜になってもお祭りムードは続きます。
そこここで花火が上がり、あちらこちらで宴会が。
レストランは日の入りまえから営業してるものの、「ハリラヤ特別メニュー」はファーストフードレベルの超簡易バージョン。
やる気なさすぎ(笑)。
夜12時ごろ、星を見みようと桟橋まで歩いてみた。残念ながら桟橋の電燈が明るくてみえなかったけど。
まだ村のレストランやバーでは、地元の人のハリラヤ宴会(注:本来酒禁止です。)とツーリストのただの宴会で盛り上がっています。
そんな中一人で歩く帰りみち、さっきまで花火をあげていた地元のおっちゃん4人組が、「一杯飲んでけ!」と声をかけてくれたので、参加してみました。話すうちに、この島では観光がほぼ唯一の産業で、それを守るためにも、遊びに来た人にはティオマンを好きになって帰ってもらいたいんだ~、というみんなの強~い思いが伝わってきました。
いろいろ話をしている横で、おっちゃんらの友達が2人加わり、友達の知り合いが5人加わり、場所を移動して常連のお客さんが3人加わり、しまいにはオッチャンの上司たちまで加わって・・・気づいたら地元半分、ツーリスト半分の30人ぐらいの大所帯になってました。(時すでに3時近く。)
こういう感じ、よくない?
島のクソガキ
マレーシアのどこに行っても思うのは、子供が子供らしい。
興味のままに行動するし、人に対する警戒心や媚びがない。
親の方も良くも悪くも寛容。日本だったら、「そっちに行っちゃダメ!」とか「そんなことしたら迷惑でしょう!」と叱りそうな場面でも、相当アブナイ状況じゃない限り、ほっぽらかしである。(他人の方が心配になるぞ。)
ティオマンでも、たくさんの子供たちと触れ合った。(男は寄ってこないが、子供はやたら寄ってくるのだ。。。なぜだ。)
地元の子供たち
到着日、ハリラヤの前祝いなのか、やたら爆竹を鳴らす子供が多かった。
それも「みて、みて。」と目の前でやって見せようとするもんだから、うるさくてしょうがない。(しかもなんか破片が飛んできてアブナイ!)
「おい!びっくりするやんけ!!」と言ったら、「ごめーん」といいつつ、ちょっとうれしそう。
超クソガキ(笑)。
その子たちが夜、ごはんに向かう道端でお花を摘んでくれた。詫びの印か?
一日中外で遊ぶ子供たち。
たくましく育つわけだ。
旅行者の子供たち
クアラルンプールから割と安価で来れるためか、それほど裕福じゃなさそうな旅行者が結構多い。
レストランで毎日一緒になったインド人の一族もその手合い。
大人たちは盛大に飲み食い、宴会をしている脇で、退屈した子供たちがいろいろ悪さを始める。
エリオンとエリシャ兄妹といとこのクリス。
毎晩、エリオンが「日本語教えて!」と来ては私の旅日記帳、ダイビングのテキストにまで、ゴリゴリといろいろ書いてくれた(苦笑)。
フリクションボールを使っていたら、目ざとく「そのペン消えるの?!」と大興奮。(終いには「おれにくれ」と言い出した。)
デジカメにも興味津々で、「ボク撮って」「見せて?」を繰り返す。そのうち勝手に撮影をはじめた。
子供は直感だけで、何でも使いこなす(脱帽)。
エリオン撮影
ヤスミン
レストランオーナーの娘さん。ものすごくかわいらしい。
お母さんが仕事終わるまで、端っこのテーブルで座って手遊びをして待っている。
テイクアウトを待つ間一緒に座ってお話をしようとして、びっくり。
英語がほとんど通じない。
私はマレー語が全く分からないので、会話にならないんだけど。
折り紙をして見せたり(これは思った以上にウケなかった)、絵を描いたりして遊んでいると。
"my nama iz Yasmi..."
とゆっくりゆっくり書いて、「見てくれ。」と差し出してきた。
まずは「えらいねぇ~!英語お勉強してるんだね~!」と褒めてから、正しいスペルを下に書いてあげると、真剣な面持ちでそれをまねて何度も書いている。
子供って、ほんとは学びたいもんなんだよね~。いいね~素直で。
ヤスミンはそこそこ裕福なおうちの子だから、きっとちゃんと学校に行っていると思うけど。
他のクソガキ達はどうなんだろう…と、思いをはせた一瞬でした。
水のありがたみを痛感
4泊中3日目の午後から水圧がグングン下がって、夜には部屋の水が全くでなくなった!
お風呂もシンクも、トイレの水もウンともスンとも言わない。
今回泊まったバンガローでは山の沢から取水しているので、乾季には時々起るらしいのだ。特に私の泊まった部屋は海にせり出した、一番沢から遠い場所だったので、水が来るのは一番最後。結局チェックアウトまで復活せず(涙)。
シャワーはダイブショップの前のホースですまし、そこからペットボトル4本分の水を部屋までヘイコラ運んでトイレのタンクにためるハメに。
月並みだけど、水道ひねれば水がジャー、というのは、本当にありがたいもんです。
この辺も「まあ島だから仕方ない。」だけど。一泊135RMもするんだから、もう少し本気で水確保の努力をしてもらいたいもんだ。せめてポリタンかなんかで運んでくれるとかさー。
・・・まぁみんなお祭り気分で、日ごろにまして仕事なんかしたくないもんね。しょうがないか。
部屋の前のベランダ。
景色は最高。水の出は最低。
イスラム教とニャンコとワンコ
泊まったバンガローはテラスハウスタイプ?で、2つのユニットが一つの建物に入っている。
真ん中の緑のバンガロー、向って左側が私のUnit、AC25.
4泊したうち後半2日、お隣になったのはイラン人とロシア人のご夫婦(KL在住…どんだけインターナショナルなんだ・・・)。二人の間はめちゃめちゃラブラブなんだけど、お隣の私にもすごくフレンドリーで、「ごはん行くけど一緒にどう?」「スノーケリング一緒にいかない?」と、なにかと誘ってくれる。そんな無粋はするべからず、感謝して辞退したけど。(どうもマレーシアでは、女性が一人旅をするというのはかなり特異なことらしく、いろんなところでビックリされたり、尊敬されたり、憐れまれちゃったりする。こっちはフツウなんだけどな~。)このご夫婦が連れてきていたワンコ(スパニエル)がまた、人懐こくて、元気でかわいい!
…だが、これがこの後問題の種になろうとは・・・。
ティオマン最後の夜、ベランダで黄昏ながら写真の整理をしていると、隣の旦那さんが、「なんでそんなとこで一人ぼっちでいるの!今ワインとフルーツを買ってくるから、ここで一緒に飲もうじゃないか!」とまた誘ってくれる。お言葉に甘えて、少しだけご一緒させてもらうことに。
少しだけのつもりが、おしゃべり上手&聞き上手な奥さんのトークに、すっかり長話。旦那さんがとにかくケガっぽくて、いつもどんだけ肝を冷やしているかを熱弁してくれるんだけど、その話しぶりに愛しさが詰まっていて、聞いているだけで幸せな気持ちになりました。(実際その前日も酔っぱらって側溝に落ちたらしく、右目の周りに手のひら大のアオタンが…。)
その間ワンコは脇に座っていい子にしています。
とその時。
仲良くなったリゾートのオーナーの親戚Jくんがおしゃべりしにやってきた。
そして、ワンコをみつけて顔面氷結、ご夫婦もその状況にフリーズ。
なんとモスリム的には犬は不浄のもの、禁忌なのだそうで。(旦那さんもモスリムなんだが。。。)
お互い大人的自己紹介をしあっているものの、なんだか険悪。
「イラン人とロシア人のカップル」というところに妙な反応をしたらしいJ。
そこに「いい年してバーガー焼いてて、どういう展望があるの?」とロシア人妻反撃。
「いいじゃないか、彼は彼の考えがあってバーガーを焼いているんだ。」とイラン人旦那の仲裁。
(考えはかなり浅そうだけど、この人何にでも肯定的なのだ。結構いい性格。)
いや~~~ん、なーかーよーくー!!
犬NGルールを知らなかったとはいえ、このご対面の一番の責任者ワタクシはその時・・・。
さんざんワインを飲んだ上に(3人で2本空いてました)、旦那さん常用のイケナイ葉っぱを一口いただいてしまった後。どっちが原因かわからんケド、冷静な判断はおろかまともな受け応えもできないテイタラク。
とにかくこのキンチョウを打破しなければ!!とメロンの皮を片づけてみたり…したあたりまでしか記憶がございましぇん。
翌朝は意外なほどにお目覚めさわやか!
早めにチェックアウトの準備をしていると、旦那様が起きだしてきた。
さりげなく触れない方が大人かなとも思ったものの。
気にかかって仕方ないので思い切って、「昨日私はすっかりWastedで詳しくは覚えてないんだけど。友達のJが奥さんの気に障るようなことを言ってしまった気がする。本当に申し訳ない。奥さんにも私に代わって謝っておいてくれる?」と話したら、「そんなことは気にすることないよ。大丈夫。でも言ってくれてありがとう。」と言ってくれる。やっぱりいい人だ。浅いけど。
ご夫婦のせっかくの旅行、いやな記憶になっていないといいな。
ティオマンに限らず、マレーシアにはネコがおおい。
お昼寝中。
かわいがられているから、人懐こい。
レストランですぐ人のひざに乗ってくる。
怒る人もいるらしく、「大丈夫ですか???」とスタッフが飛んでくる(笑)。
仏教の国タイでは、そこらじゅうに汚いノラ犬がいた。
確かにあれは「不浄」だと、私も思う(笑)。
マレーシアではまず見ない。
ところ変われば、宗教変われば。