14年前の殺人で容疑者逮捕

　◇「日雇い労働者をしながら各地を転々」

　東京都足立区小台（おだい）２のアパートで１４年前、住人の男性が殺害された事件で、警視庁捜査１課と西新井署は８日、住所不定、土木作業員、中窪信雄容疑者（６０）を殺人容疑で逮捕した。中窪容疑者は「生活費や遊興費欲しさでやった。（被害者と）面識はなかった」と容疑を認め、「日雇い労働者をしながら各地を転々としていた」と話しているという。

　逮捕容疑は、１９９９年５月５日夜、アパート１階の部屋に侵入し、住人の会社員、武田鎮雄（しずお）さん（当時６３歳）の鼻と口を布団を使い塞ぐなどして窒息死させたとしている。

　台東区の郵便局で翌６日、武田さんの口座から現金５９万円が引き出され、今年２月に千葉県で起きた暴行事件に関連して採取された中窪容疑者の指紋が払戻請求書に残っていたものと一致した。

　中窪容疑者は「殺害の翌日、郵便局で金を下ろした」と供述しており、別の人物から事件を持ちかけられたことをほのめかしているという。【喜浦遊、松本惇、山崎征克】