本書は”人生の中で出会ったより抜きの名曲を、心をこめて読者に紹介したい”と願って著者が厳選した100曲の解説。
わたくしのようなバッハ以外はほぼ無知という初心者がバロックの森に分け入るには打ってつけの道しるべだ。
ただ、すべての曲が作曲年代順に並んでおり、誰がどんな曲を作ったか少々わかりにくい。
そこで、地域・作曲家別に並べなおしてみた。
曲の番号が本書の順番である。
イタリア
カッチーニ Giulio Caccini(1545頃~1618) フィレンツェでギリシャ悲劇復興を研究した「カメラータ」の一人
1.歌曲「アマリリ麗し」
モンテヴェルディ Claudio Monteverdi(1567~1643) オペラの開祖
3.マドリガーレ集第4巻 ルネサンスからバロックへの変容を示す通過点
5.歌劇「オルフェオ」 オペラの歴史を一瞬にして成熟させる超弩級の名作
6.晩課「聖母マリアの夕べの祈り」 無人島に持っていく1曲として礒山氏が選ぶ曲
11.歌劇「ウリッセの帰還」 市民劇場のニーズに応える
12.歌劇「ポッペアの戴冠」 悪が勝利する勧善懲悪とかけ離れた台本
ガブリエーリ Giovanni Gabrieli(1553‣56~1612)ヴェネツィア サン・マルコ教会のオルガニスト
8.カンツォーナとソナタ集 複数のグループの掛け合い
フレスコバルディ Girolamo Frescobaldi(1583~1643) イタリア初期バロック器楽音楽の頂点
9.オルガン曲集「フィオーリ・ムジカーリ」 ミサの中で演奏させるオルガン曲を集成したもの
カリッシミ Giacomo Carissimi (1605~74) ローマでラテン語オラトリオを作曲
13.オラトリオ「イェフタ」 筋は「イドメネオ」そっくり
チェスティ Pietro Antonio Cesti (1623~69) ヴェネツィア出身でカヴァッリの好敵手
17.歌劇「オロンテーア」 全欧的な成功を収める
カヴァッリ Francesco Cavalli (1602~76) モンテヴェルディの直弟子
19.歌劇「カリスト」 熊になったカリストが昇天するところのシャコンヌが聴きどころ
ストラデッラ Alessandro Stradella (1644~82) 音楽家屈指の猟奇的生涯を送った
23.オラトリオ「洗礼者ヨハネ」 R.シュトラウスの「サロメ」をはるかに先取り
コレッリ Arcangelo Corelli (1653~1713)「音楽家の王」として尊敬された爽やかなバロック音楽の典型
29.コンチェルト・グロッソ作品6第8番ト短調「クリスマス協奏曲」 最終楽章が美しいパストラル
37.ヴァイオリン・ソナタ集作品5 18世紀の間に42版を重ねた大ベストセラー
カルダーラ Antonio Caldara (1670頃~1736)ヴェネツィア→マントヴァ→ウィーンと渡り歩いた多作家
35.オラトリオ「キリスト足下のマグダラのマリア」 徹底した独唱中心で美しいアリアが次から次へ
A.スカルラッティ Alessandoro Scarlatti (1660~1725) ナポリ楽派の代表
41.セレナータ「愛の園」 ティツィアーノの名画のようなほのかな色気をたたえた牧歌的世界
ヴィヴァルディ Antonio Vivaldi (1678~1741)ヴェネツィアの司祭だったのに最後はウィーンで不遇のうちに死去
47.二つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調
48.「グローリア」 まばゆい明るさ
56.リコーダー協奏曲ハ長調 甲高いソプラニーノ・リコーダーの響きが可憐なイメージをまき散らす
65.ヴァイオリン協奏曲「四季」
A.マルチェッロ Alessandro Marcello (1669~1747) ヴェネツィアの裕福な貴族
54.オーボエ協奏曲二短調 バッハがチェンバロ独奏用に編曲
アルビノーニ Tomaso Giovanni Albinoni (1671~1751) ヴェネツィアの紙商人の息子でアマチュアながら美しい旋律の名手
60.オーボエ協奏曲二短調 流麗な旋律と心地よいはずみ、人なつこい表情
ジェミニアーニ Francesco Geminiani (1687~1762)コレッリの弟子で、ロンドンでヴァイオリニストとして成功
75.コンチェルト・グロッソホ短調 コレッリに比べ自由奔放で情熱的、大胆な和声
ペルゴレージ Giovanni Battista Pergolesi (1710~36)ナポリに学び若くして頭角を現すが結核で夭折
76.歌劇「奥様女中」 オペラ・セリア「尊大な囚人」の幕間劇だが大受け、オペラ・ブッファの源流となる
86.「スターバト・マーテル Stabat mater」もの悲しい詠嘆が一貫して流れる
ロカテッリ Pietro Antonio Locatelli (1695~1764)晩年のコレッリに師事した後、アムステルダムに居住
78.「ヴァイオリンの技法」12の協奏曲各曲に超絶技巧の無伴奏ヴァイオリンのカプリッチョが2曲ずつ含まれる
タルティーニ Giuseppe Trtini (1692~1770) パドヴァの聖アントニオ大聖堂主席ヴァイオリニストを40年以上勤めた
96.ヴァイオリン・ソナタ「悪魔のトリル」 当時の常識を超えたテクニック
フランス
ゲドロン Pierre Guedron(1565頃~1619/20) アンリ4世に仕えた
2.エール・ド・クール(宮廷歌曲) 「死すべき者よ」 ポリフォニックなアンサンブルにフランス・バロックの芽生え
シャンポニエール Jacques champion de Chambonniere (1601/2~72) パリの音楽家の家系でフランスクラヴサン音楽の源流
18.クラヴサン組曲ニ短調 クープランを先取りするような表題曲を多く含む
リュリ Jean-Baptiste Lully (1632~87) ルイ14世に仕えイタリアに対抗するフランス様式を開拓(実はイタリア人)
22.コメディ・バレ「町人貴族」 喜劇、バレエ、歌、管弦楽を結合
25.歌劇「アティス」 詩、音楽、舞踊、舞台仕掛けの総合芸術
ドラランド Michel Richard Delalande (1657~1726) リュリの後継者
27.グラン・モテ「テ・デウム」 独唱、合奏、器楽のアンサンブルによる壮大な様式
シャルパンティエ Mac’Antoine Charpentier (1643~1704)リュリらフランス派と対立するイタリア派の筆頭
30.哀歌「ルソン・ド・テネーブル」
31.「真夜中のミサ曲」ノエルがメドレーのように引用される砕けた曲
グリニー Nicolas de Grigny (1672~1703) ランスのノートルダム大聖堂オルガニスト
36.オルガン曲集第1巻 バッハが全曲筆写して勉強した傑作
カンプラ Andre Campra (1660~1744) エクサン・プロヴァンス生まれで聖→俗→聖とキャリア
38.「レクイエム」 フォーレの世界を先取りする瀟洒と優雅さ
マレ Martin Marais (1656~1728) ルイ14世の楽団に所属したガンバの名手
40.追悼曲「サント=コロンブ氏へのトンボー」 ヴィオルならではの音色と和声
ジル Jean Gilles (1668~1705) 南フランスのタラスコン生まれでパリやヴェルサイユとは無縁
42.「レクイエム」 カンプラの尽力でジルの死後普及
デマレ Henry Desmarest (1661~1741) 教え子と駆け落ちし未成年者誘拐の罪で死刑宣告→ルイ14世没後ようやくパリ復帰
45.グラン・モテ「主は統べたもう Dominus regnavit」 ヘンデルのDixitに匹敵する傑作
ド・ヴィゼ Robert de Visee (1660~1725) ルイ14世のギター教師
51.リュート組曲嬰へ長調 リュリの様式を学んだおフランスの香りと優雅
クープラン Francois Couprin (1668~1733) 大音楽家一族の出身でクラヴサンの名手
58.クラヴサン曲「フランスのフォリア」陰影に富む自然描写に人間的な隠喩
66.「リュリ讃」 リュリとコレッリがあの世でフランス趣味とイタリア趣味を和合させるという趣向の器楽曲
ラモー Jean-Philippe Rameau (1683~1764) 機能和声を体系化
64.クラヴサン曲集第2巻 明晰で高い演奏効果
83.オペラ・バレ「優雅なインドの国々」エキゾチシズムとスペクタクル満載
100.歌劇「レ・ボレアード」 1763年完成(80歳!)の大作で変幻自在な楽器法と精妙な和声法にはバロックを超える創意
ボワモルティエ Joseph Bodin de Boismortier (1689~1755) 102もの曲集を出版した流行作曲家
71.ファゴット・ソナタト長調 羽のように軽く優雅
ルクレール Jean-Marie Liclair (1697~1764)ダンサーだったがコレッリの弟子に入門しヴァイオリニストになった
81.ヴァイオリン・ソナタハ短調「トンボー」 フランス趣味をイタリアの器に盛り込んで荘重な中に華やぎ
ドイツとその周辺
スウェーリンク Jan Peterszoon Sweelinck(1562~1621) オランダの鍵盤音楽家で北ドイツ・オルガン楽派の祖
4.変奏曲「わが青春はすでに過ぎ去り」 ドイツの旋律を主題とする6つの変奏曲
プレトーリウス Michael Praetorius(1571~1621) ヴォルフェンビュッテルのオルガニストで「音楽大全」出版
7.舞曲集「テレプシコーレ」 くつろいで楽しめる器楽曲
シュッツ Heinrich Schutz (1585~1672) ドイツ音楽の父
10.「音楽による葬儀」 苦しみ多き30年戦争時代の死生観
14.オラトリオ「十字架上の七つの言葉」 「調和福音書」の受難部分、イエスの独唱に焦点
16.「宗教的合唱曲集」 ルター訳ドイツ語の格調と対位法の結びつき
ヴァン・エイク Jacob van Eyck (1590頃~1567) 盲人であったがユトレヒトのカリヨンの名手
15.リコーダー曲「涙のパヴァーヌ」 リコーダーならではのもっとも純粋な世界
ツゥンダー Franz Tunder (1614~67) リューベックの聖マリーア教会オルガニスト(ブクステフーデの前任者)
20.モテット「ああ主よ、あなたのいとしい天使に命じて」 ヴィオラ・ダ・ガンバを伴ったシンプルなソプラノ独唱曲
フローベルガー Johann Jacob Froberger (1616~67) フレスコバルディに師事しクープランとも交友した国際派で鍵盤組曲の先駆者
21.チェンバロ組曲第20番ニ長調 「私の未来の死を思って作られた瞑想曲」とアルマンドにフランス語の表題
ビーバー Heinrich Ignaz Franz von Biber (1644~1704) ボヘミア生まれでザルツブルクの大司教宮廷楽長
24.ヴァイオリン曲集「ロザリオのソナタ」 曲ごとに調弦変え(スコルダトゥーラ)
ブクステフーデ Dietrich Buxtehude (1637頃~1707) リューベックの聖マリーア教会オルガニスト
26.オルガン曲「プレリュードとフーガ」ト短調 両手の急速なパッセージの中からペダルで荘重な旋律が現れる冒頭はこれぞオルガン
ブルーンス Nicholaus Bruhns (1665~97)ブクステフーデの弟子でオルガニストかつヴァイオリニスト
34.オルガン曲「プレリュードとフーガ」ホ短調 すっきりと明晰な楽想
ベーム Georg Bohm (1661~1733) リューネブルクの聖ヨハネ教会オルガニストでおそらくバッハにオルガンを手ほどき
39.コラール・パルティータ「ああ、いかにはかなき、ああ、いかに空しき」 シンプルなコラール変奏曲
パッヘルベル Johann Pachelbel (1653~1706) ニュルンベルクのオルガニスト
44.「カノンとジグ」 手稿譜ではカノンとジグが一組になっている
ゼレンカ Jan Dismas Zelenka (1679~1745)ドレスデンの楽団のコントラバス奏者でバッハとも交友
49.トリオソナタ第2番ト短調 2本のオーボエ+ファゴット+通奏低音の曲で、ファゴットが活躍
フックス Johann Joseph Fux (1660~1741)聖シュテファン教会楽長→皇室宮廷楽長(モーツァルトがなれなかった職を歴任)
52,オラトリオ「癒しの泉」 対位法の技巧がこらされ、かつ潤いに富んでいる
テレマン Georg Philipp telemann (1681~1767)当時はバッハよりはるかに高名
76.「ターフェルムジークMusique de table」 音楽が祝宴の楽しみとして消費されたバロック時代の典型
87.「新パリ四重奏曲」 4声部で交わされるおしゃべりの洗練された社交性
ヴァイス Sylvius Leopold Weiss (1686~1750)ドレスデン宮廷楽団に所属したリュート名手でバッハとも親交
91.リュート組曲第19番ト短調 各舞曲のリズムをてらいなく使った滋味豊かな正攻法
イギリス
パーセル Henry Purcell (1659~95)随一の旋律メーカー
28.歌劇「ディドとエネアス」 学校用オペラであるが旋律の宝庫
31.聖セシリア日のための頌歌 11月22日の聖セシリア記念日を祝うもので全部で4曲ある
ブロウ John Blow (1649~1708)パーセルの先輩
33.「ヘンリー・パーセル氏の死を悼む頌歌」弟子パーセルの早世を悼んだ曲
スペイン
D.スカルラッティ Domenico Scarlatti (1685~1757)アレッサンドロの息子でポルトガルを経てスペインへ
84.チェンバロ・ソナタ 明るさ、意外性、スペイン情緒などを備えた曲が500以上
ポルトガル
セイシャス Carlos de Seixas (1704~42)16歳で宮廷礼拝堂オルガニストになった早熟の天才
93.チェンバロ・ソナタ 南国的な温かな情感とファンタジー、スカルラッティに影響か
ヘンデル Georg Friedrich Handel (1685~1759)
43.詩編曲「ディクシト・ドミヌス Dixit Dominus」若きヘンデルが1706年にローマで作曲した豪放な作品
53.水上の音楽
63.歌劇「ジュリアス・シーザー」英雄オペラの代表作
82.歌劇「アルチーナ」魔法オペラの代表作
90.コンチェルト・グロッソ作品6 大ベストセラーであったコレッリの作品6を踏襲
95.オラトリオ「メサイア」
99.ヴァイオリン・ソナタニ長調 古典的なたたずまいを持つ均整のとれた名曲
バッハ Johann Sebastian Bach (1685~1750)
46.カンタータ第106番「神の時は最良の時 Gotteszeit ist die allerbeste Zeit」
50.無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調
55.無伴奏ヴァイオリンのための「シャコンヌ」
57.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調
59.平均律クラヴィーア曲集第1巻
61.カンタータ第147番「心と口と行いと生活が Herz und Mund und Tat und Leben」
62.「ヨハネ受難曲」
67.パルティータ第1番変ロ長調
68.カンタータ第198番「候妃よ、どうか光をもう一筋」
69.「マタイ受難曲」
70.トリオ・ソナタ第3番ニ短調
72.二つのヴァイオリンのための協奏曲二短調
73.「G線上のアリア」
74.カンタータ第140番「目覚めよ、とわれらに声が呼びかける」
79.「コーヒー・カンタータ」
80.「マニフィカト」
85.フルート・ソナタロ短調
88.チェンバロ協奏曲第1番ニ短調
89.オルガン曲「プレリュードとフーガ」変ホ長調
92.「ゴルトベルク変奏曲」
94.「フーガの技法」
97.「音楽の捧げもの」
98.ロ短調ミサ曲
壮観である。
ぜんぜん知らなかった作曲家がたくさんいる。
この先どんな名曲と出会えるか楽しみ。
わたくしのようなバッハ以外はほぼ無知という初心者がバロックの森に分け入るには打ってつけの道しるべだ。
ただ、すべての曲が作曲年代順に並んでおり、誰がどんな曲を作ったか少々わかりにくい。
そこで、地域・作曲家別に並べなおしてみた。
曲の番号が本書の順番である。
イタリア
カッチーニ Giulio Caccini(1545頃~1618) フィレンツェでギリシャ悲劇復興を研究した「カメラータ」の一人
1.歌曲「アマリリ麗し」
モンテヴェルディ Claudio Monteverdi(1567~1643) オペラの開祖
3.マドリガーレ集第4巻 ルネサンスからバロックへの変容を示す通過点
5.歌劇「オルフェオ」 オペラの歴史を一瞬にして成熟させる超弩級の名作
6.晩課「聖母マリアの夕べの祈り」 無人島に持っていく1曲として礒山氏が選ぶ曲
11.歌劇「ウリッセの帰還」 市民劇場のニーズに応える
12.歌劇「ポッペアの戴冠」 悪が勝利する勧善懲悪とかけ離れた台本
ガブリエーリ Giovanni Gabrieli(1553‣56~1612)ヴェネツィア サン・マルコ教会のオルガニスト
8.カンツォーナとソナタ集 複数のグループの掛け合い
フレスコバルディ Girolamo Frescobaldi(1583~1643) イタリア初期バロック器楽音楽の頂点
9.オルガン曲集「フィオーリ・ムジカーリ」 ミサの中で演奏させるオルガン曲を集成したもの
カリッシミ Giacomo Carissimi (1605~74) ローマでラテン語オラトリオを作曲
13.オラトリオ「イェフタ」 筋は「イドメネオ」そっくり
チェスティ Pietro Antonio Cesti (1623~69) ヴェネツィア出身でカヴァッリの好敵手
17.歌劇「オロンテーア」 全欧的な成功を収める
カヴァッリ Francesco Cavalli (1602~76) モンテヴェルディの直弟子
19.歌劇「カリスト」 熊になったカリストが昇天するところのシャコンヌが聴きどころ
ストラデッラ Alessandro Stradella (1644~82) 音楽家屈指の猟奇的生涯を送った
23.オラトリオ「洗礼者ヨハネ」 R.シュトラウスの「サロメ」をはるかに先取り
コレッリ Arcangelo Corelli (1653~1713)「音楽家の王」として尊敬された爽やかなバロック音楽の典型
29.コンチェルト・グロッソ作品6第8番ト短調「クリスマス協奏曲」 最終楽章が美しいパストラル
37.ヴァイオリン・ソナタ集作品5 18世紀の間に42版を重ねた大ベストセラー
カルダーラ Antonio Caldara (1670頃~1736)ヴェネツィア→マントヴァ→ウィーンと渡り歩いた多作家
35.オラトリオ「キリスト足下のマグダラのマリア」 徹底した独唱中心で美しいアリアが次から次へ
A.スカルラッティ Alessandoro Scarlatti (1660~1725) ナポリ楽派の代表
41.セレナータ「愛の園」 ティツィアーノの名画のようなほのかな色気をたたえた牧歌的世界
ヴィヴァルディ Antonio Vivaldi (1678~1741)ヴェネツィアの司祭だったのに最後はウィーンで不遇のうちに死去
47.二つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調
48.「グローリア」 まばゆい明るさ
56.リコーダー協奏曲ハ長調 甲高いソプラニーノ・リコーダーの響きが可憐なイメージをまき散らす
65.ヴァイオリン協奏曲「四季」
A.マルチェッロ Alessandro Marcello (1669~1747) ヴェネツィアの裕福な貴族
54.オーボエ協奏曲二短調 バッハがチェンバロ独奏用に編曲
アルビノーニ Tomaso Giovanni Albinoni (1671~1751) ヴェネツィアの紙商人の息子でアマチュアながら美しい旋律の名手
60.オーボエ協奏曲二短調 流麗な旋律と心地よいはずみ、人なつこい表情
ジェミニアーニ Francesco Geminiani (1687~1762)コレッリの弟子で、ロンドンでヴァイオリニストとして成功
75.コンチェルト・グロッソホ短調 コレッリに比べ自由奔放で情熱的、大胆な和声
ペルゴレージ Giovanni Battista Pergolesi (1710~36)ナポリに学び若くして頭角を現すが結核で夭折
76.歌劇「奥様女中」 オペラ・セリア「尊大な囚人」の幕間劇だが大受け、オペラ・ブッファの源流となる
86.「スターバト・マーテル Stabat mater」もの悲しい詠嘆が一貫して流れる
ロカテッリ Pietro Antonio Locatelli (1695~1764)晩年のコレッリに師事した後、アムステルダムに居住
78.「ヴァイオリンの技法」12の協奏曲各曲に超絶技巧の無伴奏ヴァイオリンのカプリッチョが2曲ずつ含まれる
タルティーニ Giuseppe Trtini (1692~1770) パドヴァの聖アントニオ大聖堂主席ヴァイオリニストを40年以上勤めた
96.ヴァイオリン・ソナタ「悪魔のトリル」 当時の常識を超えたテクニック
フランス
ゲドロン Pierre Guedron(1565頃~1619/20) アンリ4世に仕えた
2.エール・ド・クール(宮廷歌曲) 「死すべき者よ」 ポリフォニックなアンサンブルにフランス・バロックの芽生え
シャンポニエール Jacques champion de Chambonniere (1601/2~72) パリの音楽家の家系でフランスクラヴサン音楽の源流
18.クラヴサン組曲ニ短調 クープランを先取りするような表題曲を多く含む
リュリ Jean-Baptiste Lully (1632~87) ルイ14世に仕えイタリアに対抗するフランス様式を開拓(実はイタリア人)
22.コメディ・バレ「町人貴族」 喜劇、バレエ、歌、管弦楽を結合
25.歌劇「アティス」 詩、音楽、舞踊、舞台仕掛けの総合芸術
ドラランド Michel Richard Delalande (1657~1726) リュリの後継者
27.グラン・モテ「テ・デウム」 独唱、合奏、器楽のアンサンブルによる壮大な様式
シャルパンティエ Mac’Antoine Charpentier (1643~1704)リュリらフランス派と対立するイタリア派の筆頭
30.哀歌「ルソン・ド・テネーブル」
31.「真夜中のミサ曲」ノエルがメドレーのように引用される砕けた曲
グリニー Nicolas de Grigny (1672~1703) ランスのノートルダム大聖堂オルガニスト
36.オルガン曲集第1巻 バッハが全曲筆写して勉強した傑作
カンプラ Andre Campra (1660~1744) エクサン・プロヴァンス生まれで聖→俗→聖とキャリア
38.「レクイエム」 フォーレの世界を先取りする瀟洒と優雅さ
マレ Martin Marais (1656~1728) ルイ14世の楽団に所属したガンバの名手
40.追悼曲「サント=コロンブ氏へのトンボー」 ヴィオルならではの音色と和声
ジル Jean Gilles (1668~1705) 南フランスのタラスコン生まれでパリやヴェルサイユとは無縁
42.「レクイエム」 カンプラの尽力でジルの死後普及
デマレ Henry Desmarest (1661~1741) 教え子と駆け落ちし未成年者誘拐の罪で死刑宣告→ルイ14世没後ようやくパリ復帰
45.グラン・モテ「主は統べたもう Dominus regnavit」 ヘンデルのDixitに匹敵する傑作
ド・ヴィゼ Robert de Visee (1660~1725) ルイ14世のギター教師
51.リュート組曲嬰へ長調 リュリの様式を学んだおフランスの香りと優雅
クープラン Francois Couprin (1668~1733) 大音楽家一族の出身でクラヴサンの名手
58.クラヴサン曲「フランスのフォリア」陰影に富む自然描写に人間的な隠喩
66.「リュリ讃」 リュリとコレッリがあの世でフランス趣味とイタリア趣味を和合させるという趣向の器楽曲
ラモー Jean-Philippe Rameau (1683~1764) 機能和声を体系化
64.クラヴサン曲集第2巻 明晰で高い演奏効果
83.オペラ・バレ「優雅なインドの国々」エキゾチシズムとスペクタクル満載
100.歌劇「レ・ボレアード」 1763年完成(80歳!)の大作で変幻自在な楽器法と精妙な和声法にはバロックを超える創意
ボワモルティエ Joseph Bodin de Boismortier (1689~1755) 102もの曲集を出版した流行作曲家
71.ファゴット・ソナタト長調 羽のように軽く優雅
ルクレール Jean-Marie Liclair (1697~1764)ダンサーだったがコレッリの弟子に入門しヴァイオリニストになった
81.ヴァイオリン・ソナタハ短調「トンボー」 フランス趣味をイタリアの器に盛り込んで荘重な中に華やぎ
ドイツとその周辺
スウェーリンク Jan Peterszoon Sweelinck(1562~1621) オランダの鍵盤音楽家で北ドイツ・オルガン楽派の祖
4.変奏曲「わが青春はすでに過ぎ去り」 ドイツの旋律を主題とする6つの変奏曲
プレトーリウス Michael Praetorius(1571~1621) ヴォルフェンビュッテルのオルガニストで「音楽大全」出版
7.舞曲集「テレプシコーレ」 くつろいで楽しめる器楽曲
シュッツ Heinrich Schutz (1585~1672) ドイツ音楽の父
10.「音楽による葬儀」 苦しみ多き30年戦争時代の死生観
14.オラトリオ「十字架上の七つの言葉」 「調和福音書」の受難部分、イエスの独唱に焦点
16.「宗教的合唱曲集」 ルター訳ドイツ語の格調と対位法の結びつき
ヴァン・エイク Jacob van Eyck (1590頃~1567) 盲人であったがユトレヒトのカリヨンの名手
15.リコーダー曲「涙のパヴァーヌ」 リコーダーならではのもっとも純粋な世界
ツゥンダー Franz Tunder (1614~67) リューベックの聖マリーア教会オルガニスト(ブクステフーデの前任者)
20.モテット「ああ主よ、あなたのいとしい天使に命じて」 ヴィオラ・ダ・ガンバを伴ったシンプルなソプラノ独唱曲
フローベルガー Johann Jacob Froberger (1616~67) フレスコバルディに師事しクープランとも交友した国際派で鍵盤組曲の先駆者
21.チェンバロ組曲第20番ニ長調 「私の未来の死を思って作られた瞑想曲」とアルマンドにフランス語の表題
ビーバー Heinrich Ignaz Franz von Biber (1644~1704) ボヘミア生まれでザルツブルクの大司教宮廷楽長
24.ヴァイオリン曲集「ロザリオのソナタ」 曲ごとに調弦変え(スコルダトゥーラ)
ブクステフーデ Dietrich Buxtehude (1637頃~1707) リューベックの聖マリーア教会オルガニスト
26.オルガン曲「プレリュードとフーガ」ト短調 両手の急速なパッセージの中からペダルで荘重な旋律が現れる冒頭はこれぞオルガン
ブルーンス Nicholaus Bruhns (1665~97)ブクステフーデの弟子でオルガニストかつヴァイオリニスト
34.オルガン曲「プレリュードとフーガ」ホ短調 すっきりと明晰な楽想
ベーム Georg Bohm (1661~1733) リューネブルクの聖ヨハネ教会オルガニストでおそらくバッハにオルガンを手ほどき
39.コラール・パルティータ「ああ、いかにはかなき、ああ、いかに空しき」 シンプルなコラール変奏曲
パッヘルベル Johann Pachelbel (1653~1706) ニュルンベルクのオルガニスト
44.「カノンとジグ」 手稿譜ではカノンとジグが一組になっている
ゼレンカ Jan Dismas Zelenka (1679~1745)ドレスデンの楽団のコントラバス奏者でバッハとも交友
49.トリオソナタ第2番ト短調 2本のオーボエ+ファゴット+通奏低音の曲で、ファゴットが活躍
フックス Johann Joseph Fux (1660~1741)聖シュテファン教会楽長→皇室宮廷楽長(モーツァルトがなれなかった職を歴任)
52,オラトリオ「癒しの泉」 対位法の技巧がこらされ、かつ潤いに富んでいる
テレマン Georg Philipp telemann (1681~1767)当時はバッハよりはるかに高名
76.「ターフェルムジークMusique de table」 音楽が祝宴の楽しみとして消費されたバロック時代の典型
87.「新パリ四重奏曲」 4声部で交わされるおしゃべりの洗練された社交性
ヴァイス Sylvius Leopold Weiss (1686~1750)ドレスデン宮廷楽団に所属したリュート名手でバッハとも親交
91.リュート組曲第19番ト短調 各舞曲のリズムをてらいなく使った滋味豊かな正攻法
イギリス
パーセル Henry Purcell (1659~95)随一の旋律メーカー
28.歌劇「ディドとエネアス」 学校用オペラであるが旋律の宝庫
31.聖セシリア日のための頌歌 11月22日の聖セシリア記念日を祝うもので全部で4曲ある
ブロウ John Blow (1649~1708)パーセルの先輩
33.「ヘンリー・パーセル氏の死を悼む頌歌」弟子パーセルの早世を悼んだ曲
スペイン
D.スカルラッティ Domenico Scarlatti (1685~1757)アレッサンドロの息子でポルトガルを経てスペインへ
84.チェンバロ・ソナタ 明るさ、意外性、スペイン情緒などを備えた曲が500以上
ポルトガル
セイシャス Carlos de Seixas (1704~42)16歳で宮廷礼拝堂オルガニストになった早熟の天才
93.チェンバロ・ソナタ 南国的な温かな情感とファンタジー、スカルラッティに影響か
ヘンデル Georg Friedrich Handel (1685~1759)
43.詩編曲「ディクシト・ドミヌス Dixit Dominus」若きヘンデルが1706年にローマで作曲した豪放な作品
53.水上の音楽
63.歌劇「ジュリアス・シーザー」英雄オペラの代表作
82.歌劇「アルチーナ」魔法オペラの代表作
90.コンチェルト・グロッソ作品6 大ベストセラーであったコレッリの作品6を踏襲
95.オラトリオ「メサイア」
99.ヴァイオリン・ソナタニ長調 古典的なたたずまいを持つ均整のとれた名曲
バッハ Johann Sebastian Bach (1685~1750)
46.カンタータ第106番「神の時は最良の時 Gotteszeit ist die allerbeste Zeit」
50.無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調
55.無伴奏ヴァイオリンのための「シャコンヌ」
57.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調
59.平均律クラヴィーア曲集第1巻
61.カンタータ第147番「心と口と行いと生活が Herz und Mund und Tat und Leben」
62.「ヨハネ受難曲」
67.パルティータ第1番変ロ長調
68.カンタータ第198番「候妃よ、どうか光をもう一筋」
69.「マタイ受難曲」
70.トリオ・ソナタ第3番ニ短調
72.二つのヴァイオリンのための協奏曲二短調
73.「G線上のアリア」
74.カンタータ第140番「目覚めよ、とわれらに声が呼びかける」
79.「コーヒー・カンタータ」
80.「マニフィカト」
85.フルート・ソナタロ短調
88.チェンバロ協奏曲第1番ニ短調
89.オルガン曲「プレリュードとフーガ」変ホ長調
92.「ゴルトベルク変奏曲」
94.「フーガの技法」
97.「音楽の捧げもの」
98.ロ短調ミサ曲
壮観である。
ぜんぜん知らなかった作曲家がたくさんいる。
この先どんな名曲と出会えるか楽しみ。
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