南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

西南諸島貝殻学入門-011

2013年08月10日 | 生命科学

 

西南諸島貝殻学入門 

  
               -011

 

お知らせ 

 

 GW期間中は夏休みモードに入ります。8/20までお休みします。尚、「加計呂麻島貝殻図鑑」は現在随時作成次第公開して行きます。 

 

                                                                   特集版

  タカラガイ宝貝世界

 

 連日、暑い日が西南諸島には続いております。 にもかかわらず、九州から東北までゲリラ豪雨が荒れまくり、100mm/hというような所が続出しております。西南諸島は今月に入ってから殆ど纏まった雨が降っておりません。どうしてこのような極端な現象が出てしまうのでしょうか。近くの古老も珍しい天候とか。 旱魃でしょうか?X?

 

加計呂麻島・太平洋岸

 

 

タカラガイをご紹介中ですが、その前に先日、8/03に暑い中太平洋岸に出向きました時の採取成果をご紹介しましょう。

海浜には鹿児島県の小学校の生徒が林間学校を開いており、黄色い声が辺り一面に木魂しておりました。 青い空、紺碧の海、入道雲の夏のシーンが広がっています。 この辺りは<渥美清の寅さんシリーズ>ロケ地でもあります。

強烈な紫外線の下で、2~3時間採取した結果をご紹介。 途中、暑さでダウンしそうでした。

 

                               全体図

 

 

時間の割には多くの種類と数を手にしましたでしょうか。でも、ホームランはなし。ヒットが数本。

  A

コナガニシ ↓ ヒオウギガイ↓         タルダカラ ↓

                                     ↑ チョウセンサザエ

 

120mmの<コナガニシ>、<ヒオウギガイ>、<チョウセンサザエ>がヒットクラスでしょうか。棘のないタツマキサザエは沢山転がっておりますが、チョウセンサザエ はなかなか手に入りません。

 

                       コナガニシ

 

今まで数個の<コナガニシ>を手にした中で一番きれいな貝でした。欠けも磨耗も少なく上品。

 

      タルダカラ

        

 

殻の外側の模様が磨耗していますが、この貝のように一般より薄い色合いの貝も有ります。 通常は殻口は黒に近い褐色です。

      ヒオウギガイ

          

 

大きさは中程度でしょうか。 二枚揃えの完品では有りませんが、傷も無く美しい色合いでした。 左は過去に採取したもの。偶然だけが手に入れる手法です。

 

                 B

 

 <オニノキバフデ>、<シラクモガイ>、<イボソデ>、<ガンセキボラ>、<レイシガイの仲間>、<センジュガイの仲間>、リュウキュウツノマタ>・・・・・その内に詳細をご紹介しましょう。

    イボソデ                              ツノテツレイシ

            

 

何時も手に入るようになった<イボソデ>ですが、磨耗も無くそこそこの大きさ。ツノレイシよりは数は少ない<ツノテツレイシ>・・・突起が磨耗も無く良く残っております。

                     コチョウイモ ・ 50mm

この貝ははじめ同定に手間取りました。 小さな貝図鑑では<ハルシャガイ>にそっくりの写真が掲載されておりました。この貝の実物は既に数個もって居りますので、違うことが直ぐ分りましたが・・・

世界の貝」のHPの中で漸く発見。 磨耗も少なく偶然の発見になりました。これで2個目の採取。HPよりも少し大きいので満足してます。 

                   

                     コチョウイモ・ 42mm アフリカ 

 

  C

 

                   D

 

 

コチョウイモは既に紹介しましたので、<ベッコウイモ>を・・・殻に鼈甲のような柄が付いているからとか。 磨耗も無く殻の模様もはっきりしております。

                   ベッコウイモ 30x65mm

                    E

 

イモガイ類は沢山類似の種類が有りますから鬼門・・・いずれご紹介しましょう。

最後は<サツマイボラ> ・・・過去に左側3個を採取しています。今回は小さなものでした。殻が丈夫そうなので余り欠けは少ないようです。 

 

         

                           

            

             タカラガイの世界・日本5名宝 

 

先回は乙女宝をご紹介しましたが、今回は「寺町宝テラマチタカラ

 

                     

            二枚とも タカラガイ生きている海の宝石」より掲載

              

 

 殻の上部の突起部が嘴状になっているのが特徴。殻の模様は鮮明なものではないようです。和名・「寺町」は寺町昭文氏に献名されたもの。水深150~500mから底引き網や魚網から採取されている。

 

                鳥羽水族館・テラマチダカラ

 

                                              HP・「世界の貝」から掲載

                            

                        フィリッピン 水深100m・57mm

 

 

 タカラガイは皆さんの近くに潜んでいる可能性が有りますので、挑戦してみてください。大きな貝や珍しいのはなかなか運天賦が作用しますが、下のようなタカラガイアは何時でも手にすることが出来ます。

 

       

 

        <ハナマルユキ>、<キイロダカラ>、<ハナビラダカラ>・・いずれも岩礁の窪みに潜んでおります。ペアーでいることが多いです。    大事にしてあげね。 

 

 

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