南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

茜ちゃんの生命科学(細胞生物学&脳科学)入門-46

2013年04月06日 | 生命科学

 

 

茜ちゃんの生命科学入門

   細胞生物学脳科学 -46

 

 

西南諸島も晴れの日と雨の日が交互に訪れ、梅雨の訪れが身近になってきた事を、うっすらと感じさせます。海外では北朝鮮情勢が緊迫化を増しております。ここ西南諸島も沖縄、グアムへの通過点ですので、4/04現在北朝鮮の中・長距離ミサイルが、太平洋岸のムスタンリに列車で移動中というNHKの情報が報じられております。政治問題が日本の周囲でいろいろ起きておりますので、何かしら不安を感じております今日この頃です。

                    

 

 * 記述の中の朱色の部分は、上記の著書の中の文章です。

 

 

なぜ遺伝子のなかをのぞいてみるのか

 

自閉症疾患患者の遺伝的原因はあるのでしょうか。有るとしたらどのようになっているのでしょうか。遺伝以外に 環境有害物質・免疫反応・食物アレルギー・ウイルス・細菌もあります。

・ チメロサ-ルなどの環境因子は自閉症の原因ではない

・ ウイルスによる脳の炎症、脳損傷は実際急性の脳疾患の重篤な後遺症として、自閉症が生じた例も報告されてきました。それはまれな自閉症の原因で、この方の自閉症は知的障害を伴い、その症状はかなり重い傾向があります

 

 

では、遺伝子暗号の誤りはどうでしょうか。一卵性双生児と非一卵性双生児の場合について考えてみましょう。

一卵性双生児・・・2人ともまったく同じ遺伝子を共有しています。

非一卵性双生児・・・遺伝子のほぼ半分を共有しています。少なくとも双生児の片方が、自閉症と診断された子供たち(21人)をしらべると、双子の両方とも自閉症スペクトラムの状態であった割合は

 一卵性双生児・・・・90%      非一卵性双生児・・・10%   でした。

他の精神障害でこれほど遺伝性の高いものはほとんど有りません。そして不思議なことに、

ほとんどすべての一卵性双生児のペアーにおいて、片方は他方よりも自閉症が強い。少なくとも一組の双子ペアーでは、その片方はまったく自閉症の症状はありませんでした

 

 

自閉症遺伝子の探求は、実際には危険遺伝子と防御遺伝子の探求です。現在自閉症に対する遺伝子の関与の状態は研究途上です。ここで、自閉症を発症させる付加的遺伝子について述べて見なければなりません。防御遺伝子の代表は女性であることです。男性の発症率が女性よりも高いという現実です。では危険因子にはどのようなものがあるでしょうか。

・ 母親が妊娠中にある種のウイルスに感染すること

・ 母親が風疹に感染すること(現在、日本中に発生が多発しております)

・ サリドマイドは胎児の成長に影響を及ぼすばかりか、まれに脳にも影響を与えて、その結果自閉症を生じます

自閉症は突然現れるかのように見えることもあり・・・複雑な遺伝様式で何世代もさかのぼって自閉症障害が見られる家庭も有ります。

 

 

このようなことから自閉症は遺伝的な要素が多分に強い場合もあり、かつ突発性もあるということになります。今後の研究結果を待ちましょう。

では。次回は「なぜいくつもの障害が同時に生じるのか」について考えてみましょう。

 

                               

ADHDLD

 

                       * 写真と文章は関係ありません

 筆者の机の引き出しの中から、ある雑誌の「特集」記事が出てきました。題して<ADHD個性か障害か>でした。内容は思ったよりユニークな千葉県の療育現場のひとコマでした。作業療法士がADHDの子供達を指導しているのですが、その手法が意外なほどユニークでした。

ADHD・・・Attetion Deficit Hyperactivity Disorder(注意欠陥/他動性障害

< 手を繋ごうとすると、嫌がる、すぐに物を投げたり、友達を叩いたり、噛み付く。 ジッとしていられない。過剰にしゃべったり、他人の行動に割り込む。一つの事に集中出来ない。思うように身体が動かない。ふらりと教室を出て行ってしまう。

既に学習して来ました「発達障害」の中の、広汎性発達障害である<自閉症>と親戚関係にある、やはり「発達障害」のカテゴリーに入る障害です。ADHDについての全国調査では、小学生1000人当たり3.7人。一校当たり1人超の数字を公表されました。2002年の「中央公論」の記事です。

 

 

 

10年前の数字ですからごく最近は幾分変化あるいは増加傾向に有るかも知れません。

 

LD・・・・・・Learning Disorder(学習障害

 

LDは「基本的に全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指す」・・文部科学省

ADHAはLDと重なることもしばしば有るようです。専門家はこの疾患は「くしゃみが自分で止められないように、他動や集中力の欠陥も本人の意思と躾などとは関係なく、身体の現象として起こってくる症状」としています。そしてさらに「LDやADHDの子は先天的な要素や環境要因など何らかの理由による発達のつまづきが行動につながっていると考えられ」としています。

このようなことからADHDやLDおよび高機能発達障害を纏めて<コミュニケーション障害>として捉える現場もあるようです。

 

 

では次回はADHD,LDの子供達の療育現場のユニークな手法をご紹介しましょう。

 

 

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