南西諸島貝殻学入門

分子細胞生物学と博物学の分野に跨る「貝類学」を、初歩から学んでみましょう。美術学や数学的な見地からも興味をそそられます。

南西諸島貝殻学入門-017

2013年09月20日 | 生命科学

 

 

南西諸島貝殻学入門 

             -017

 

 

 

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 加計呂麻島貝殻図鑑」は現在随時作成次第公開して行きます。

現在2系統あります。 

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 台風18号が奄美群島を微かにかする様な感じで、北を目指して通過して行きました。

台風通過の前日、近くの海岸を散策。戦果はご覧の通り。

何時ものメンバーとは少し違った感じ。これはというのは2個程度。

そして何だか種類が解からないタカラガイが1個採取。もしかしたらという感じです。

 

ボウシュウボラ・房州法螺 

 

 

殻口の特徴のある模様が見えない。異種類なのでしょうか?

 

他の殻の形状は間違いなく<ボウシュウボラ>なのですが 

何度も言うように 

殻の形態から見ると<ボウシュウ・房州法螺>なのですが、殻口の底唇部が通常のものとは少し違うのです。焦げ茶色の模様がなく、殻口全体が肌色をしている。

因みに 本物は

ボウシュウボラ房州法螺 (微小貝データーより掲載

 殻口の底唇の模様

そのような訳で異種の可能性あり。いかがでしょうか。

 

この宝貝は何でしょうか

35x25mm

特定できません。かなり磨耗していますが、磨耗の前の殻の模様が連想できない。

 

いったいこのタカラガイは何でしょうか? 前に紹介した<アケボノダカラ

 

まさかね??? 嘘でしょ!    Kjinekoさんより掲載

 

 

 話の喫茶店  

一見良く似た

 

 筆者の蒐集している貝の中で、タカラガイに良く似た貝が、ウミウサギガイ科・海兎貝の仲間の貝です。2種類ほどご紹介しましょう。四国沖以南の熱帯太平洋に生息します。いずれもフィリッピンで採取された貝です。

ヒガイ・フィリッピン海域

Volva volva habei

Elongated egg cowry

 

ウミウサギガイ

Ovula ovum・85mm

Egg Cowry

 

殻口は一見タカラガイに良く似ています。タカラガイの幼貝はこんな感じ。殻の中は紫褐色です。紀伊半島以南に生息し、かなり多種類に分かれる模様。紀伊半島でこの貝専門科が居られるます。           

 殻は真っ白なのに外套膜は真っ黒だとか・・・とても海中では見付け難いらしいです。でも、なかなかお洒落ですね。一度、水槽で飼ってみたい種類です。

 

                   慶良間島で採取時の写真・・・HPから掲載

 

 

タカラガイは生きている状態で見るのが一番美しいですね。 水槽の中でも十分美しさは楽しめます。特に外套膜はそれぞれ個性が有るので、思いがけない色合いに驚く事もあります。貝殻は所詮抜け殻ですから、生身の美しさには及びません。スキューバ・ダイビングできる方は、是非海中で目を凝らして探してみてください。外套膜が保護色なので探すのは大変かも。

岩礁の傍の水中を覗いてみても、ごく傍に居るのにまったく気づかない事が有るのかもしれません。似たような生き物は傍に沢山居ますから。シャコガイも水中で様々な色合いでヒラヒラさせている様は素晴らしいものです。大きなシャコガイは特に幻想的に見えてきます。採取しないで観るだけにしたほうが良いかも。1mもあるシャコガイを採取したところで、唯、大きい白い殻だけで、特に最近は感激もなしです。

 

それではまた引き続きご紹介!

 

 

 

タイタンクチムラサキダカラ

ヒメホシダカラ 

Lyncina leviathan titan Schilder & Schilder

タカラガイ四個は皆同じかな、それとも? 

全てクチムラサキダカラ・口紫宝と思いきや・・左から二個目はクロハラダカラかも。

そうなると、非常に希少性のあるタカラガイとなりますが。

ただ、いま少し貝の幅の部分の丸みが足りないかも。

口紫のような4本の縞は見えない。これが決め手・・・かな?

 

ヨメガカサガイ科

オオベッコウガサ

Cellana testudinaria

75x60mm 

 カサガイの中では大型で採取は上手くやらないと大変。

殻の模様はなかなか美しい。

様々な模様があります。これはその一部です。

 

 

 

イモガイ科

ミカドミナシ・帝身無

 Conus imperialis Linnaeus

80X40mm 

肩に結節が有りますが、これが拾いの場合は大抵磨耗している。 

右端の最大のものは磨耗が殆どない良品

ベニタケ ・ キバタケ

 

殻の先端が何とか尖っています。浜辺での転がり方にもよるのでしょうが、殆ど完品状態でも先端がボッキリというのが大部分です。周りの状態に影響されます。

砂浜に突き刺さっているのも有りますが、抜き取る時はお御籤を引く感じ!

今日ご紹介した貝の続きは次回にご紹介しましょう。

台風18号襲来の直後の挑戦はいかがだったか?

 

 

 

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