大腸がんのため、出演予定だった舞台『THE WINDS OF GOD』を降板した俳優の今井雅之さん(54)が、がん公表後、初めて姿を見せ現在の病状について報道陣に説明しました。今井さんは「ギリギリまで自分の体と相談したんですけど、ドクターストップ、プラス自分でも舞台に立てない」と感じたといい、「末期がんのステージ4」だということも告白しました。大腸がんのステージ4とは、どんな症状なのでしょうか?
大腸がん早期発見のカギは「便潜血検査」
大腸がんは、長さ約2mの大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。大腸粘膜の細胞から発生し、腺腫(せんしゅ)という良性腫瘍の一部ががん化して発生したものと正常粘膜から直接発生するものがあり、その進行はゆっくりだといいます。大腸がんは、粘膜の表面から発生した後、大腸の壁に次第に深く侵入していき、進行するにつれてリンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移していきます。
便に血液が混じっているかどうかを検査する便潜血検査が有効であることが明らかになっていますが、症状が出る前でも、検診などで早期発見が可能です。早期に発見できればがんを完全に取り除ける可能性が高く、5年生存率も90%以上となります。
放射線治療や抗がん剤で根治を目指す!
今井さんが告白した大腸がんステージ4は、肝臓や肺などへの転移(遠隔転移)が認められているといった状態です。現在の病状について今井さんは「CTスキャンをしたら大きい腫瘍が2つ、3つありました。かなり痛みもあるし、ほとんど歩けなくなって、声も出なくなった」といい、抗がん剤治療も「2クール目に入った」と病状の深刻さを告白。
今井さんのように、完全に切除することが難しい転移が起こってからがんが発見された場合は、手術に加え、放射線治療や抗がん剤治療が行われます。手術後に再発した場合でも早い時期に見つかれば、切除により根治できる可能性があります。
「大腸がん」急増の原因は食の欧米化!?
大腸がんが急増している背景に「結腸がん」の増加が影響していると言われています。罹患率の国際比較では、結腸がんは欧米白人に多いと言われてきましたが、最近では、結腸がん・直腸がんともに、日本人は欧米白人とほぼ同じになってきています。これは日本人の食が欧米化していることが原因だと言えるでしょう。
また、大腸がんは、直系の親族に同じ病気の人がいるという家族歴が、リスク要因になります。特に、家族性大腸腺腫症と遺伝性非ポリポーシス性大腸がん家系は、明らかな大腸がんのリスク要因とされています。
生活習慣では、過体重と肥満で結腸がんリスクが高くなり、次に飲酒も大腸がんのリスクを高めることが明らかになっています。また、加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)は、大腸がんリスクを上げる可能性が高いといわれています。
今井さんは、今年2月に行われた同舞台の制作発表会見で、昨年末に大病を患い、一時は「余命3日」とまで診断され、腸の緊急手術を行ったことを告白。舞台降板発表後には、自身のブログで「ホンマ悔しくて悔しくてたまりません!」とつづっていました。
同舞台は、予定した15公演のうち5公演を中止。所属事務所の発表によると、今井さんは5月下旬の公演に出演するために、体に負担のかからない程度の仕事とリハビリを行っていく予定だということです。
http://mocosuku.com/2015043012880/?type=prev