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書剣恩仇録(2008年版)の魅力を探る!

2010年04月28日 00時48分20秒 | 武侠ドラマ
書剣恩仇録(2008 中国)

全13巻を観終えての感想を含めての魅力を紹介します!

久しぶりに充実した内容であったと思います。
私としては「碧血剣」以来の出来の良さだと感じましたね。
主役の”陳家洛 ”は文武に長けて冷静沈着に状況を判断出来るキャラですが、「碧血剣」の主役”袁承志 ”も同じようなタイプのキャラを演じてましたね。

さて、このドラマの魅力の一つは”江花会 ”の剣客たちの活躍をしっかりと描写していることでしょう。
特に紅花会第四位”文泰来 ”紅花会第七位”徐天宏 ”紅花会第十一位”駱冰 ”紅花会第十四位の”余魚同 ”にいたっては武芸とともに心情の描写までクローズアップされていました。
おかげで、主役”陳家洛 ”の活躍の場面は他の武侠ドラマに比べて少なかったけれど、この点に関して不満を感じることはなかったですね。


    

左の写真より

文泰来・駱冰     夫婦の絆は強い!仲間からの信頼も厚い!

余魚同         金の笛は武器にもなるスグレモノ!ブーメランのように宙を舞う!

徐天宏         智謀に優れた紅花会の軍師的存在!  

       
”陳家洛 ”の義父であり江花会の前総舵主であった”于万亭 ”の策略にハメられたり、 ”乾隆帝 ”が出生の秘密を知る紅花会を朝廷の配下を使って潰しにかかるなど、そういった状況の中で紅花会の二代目総舵主”陳家洛 ”が冷静且つ適切な判断、そして年長者を敬いながら”江花会 ”の仲間を引っ張っていく姿は実に良かったですね。

「射英雄伝」で、”江南七怪 ””全真教 ”などの侠客集団が登場して主人公との師弟関係や活躍を生き生きと描写して楽しませてくれたことを思うと、”江花会 ”の活躍の描写も期待してましたからね。
主役と共に敵に立ち向かってくれる侠客集団の活躍は大きな脇役の存在でもあります。

”ホチントン ”、”李沅芷 ” 、”周綺 ”などの女侠たちの武芸と恋愛描写も良かったですね。
カスリーはなんとなく「神侠侶」の”小龍女 ”を思わせる美女でしたし、李沅芷は「射英雄伝」で男装姿で登場したときの”黄蓉 ”を思い出しました。
武芸などアクションシーンはスマートでオシャレな印象を受けるシーンもありましたね。
花びら(CG)をたくさん使ったりして!(笑)


    

左の写真より

カスリー           姉のホチントンの陳家洛への恋心を知らず、陳家洛への想いを寄せる!

李沅芷            いたずら好きで武芸も達者!余魚同に想いを寄せることから江花会と行動を共にする!

ホチントン・陳家洛    お互いが恋心を募らせる!ホチントンとともに清朝の侵攻を防ぐ!


また、私の好きなシーンの一つとしては19話の冒頭で湖上の船に呼ばれた”妓女 ”が歌を披露するところです。
”乾隆帝 ”を前にして貧乏人を笑った詩を歌にしたものを披露しているわけですが、皇帝に対しての当て付けと皮肉が感じ取れて面白かったですね。
もう一箇所22話の終盤に花国の状元を決める大会の場面も良かったですね。
西湖で情緒ある趣に遊び心が加わり武侠ドラマに似合った描写に思えました。

この二つのシーンは私のお気に入りです。

※西湖といえば杭州!杭州の西湖にまつわる伝承の一つ、”銭塘四美人 ”を取り上げている場面です。(粋な演出ですね!)

このドラマでは極悪で強敵の武術の達人は登場なし!

”張召重 ”が江花会と対峙するボス的存在!武当派出身で師匠を裏切り朝廷に仕えている武術の達人ではあるが、容姿や武芸の技など威圧感がもう一つかなと感じた!
「大唐游侠伝」の”羊牧労 ”の威圧感が印象に残ってたのもあるかな!

”陳家洛 ”と”于万亭 ”との対決も結局は”于万亭 ”自ら自分の命に幕を引いたものでした。
最後でも”乾隆帝 ”率いる朝廷の官軍との戦い、結局”民を苦しめるな ”との約束のもとに勝敗の決着をつけずに幕を引いた。


    

左の写真より

陳家洛         紅花会の二代目総舵主! 文武に優れ礼節をわきまえ清朝からも一目置かれる存在だ!

乾隆帝         皇帝の立場を利用し私利私欲にはしり、気に入った美女を妾にしようと企む!その時に見せる表情がエロくて笑える!

陳家洛・乾隆帝   固い契りを交わす二人だが・・・・!


「射英雄伝」、「神侠侶」などから比べると主人公の熱血漢ぶりは低いもののクールで知的なキャラの”陳家洛 ”は「書剣恩仇録」の原作のイメージだったのかもしれない。
(この小説を読んでないので比べれません!あしからず!)
そして、使われていたBGMなど派手なインパクトのあるものはなく、武芸を要したシーンなどでサラッと流れる曲が唯一印象が残るものでした。
チウ・マンチェク版の「書剣恩仇録」の曲がど派手だったので濃いめのイメージになりますが、こちらの方はあっさりした中にも隠し味がしっかり詰まっているみたいな感じでしょうか!(たとえが悪くてすみません!)

大陸という広大な土地で異民族間での領土の争いと権力の誇示、皇帝という立場を利用して私利私欲を得ようとする”乾隆帝 ”!
その標的になる美女たち、そして民族を守るために命を犠牲にする美女たち!
皇帝の地位を虎視眈々と狙う”于万亭 ”!
こういった野望に加えて、武林の各門派の抗争と男女の恋愛が描かれた武侠ドラマであった。


余魚同・李沅芷偏



陳家洛偏




喬振宇(チャオ・ジェンユー)の素顔

  

なかなかのイケメンですね!
右側の写真は化粧をしてますね~、何の撮影でしょうか!


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3 コメント

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トータルでは (根無し草)
2010-04-28 11:45:08
まぁ合格点あげてもいい作品ではないかと。

陳家洛てキャラはこの作品の時点ではまだ
人間的にも武術も発展途上なのでね、紅花会
の面々の方が前面に出ざるおえないんですよ。

ようするにお坊ちゃん(笑)03年版のチウ・マンチェクの方がその感じは出てたかも知れない。

・このドラマでは極悪で強敵の武術の達人は登場なし!・

張召重が本来そうなんですが。兄弟子よりも
武術は上という設定で、原作での強さは
凄かった。

しかし余魚同の衣装がまんま大人物のニコラス・ツェーの着ていた衣装の使いまわしには
思わず笑いました(笑)まぁ撮影所も同じ横店
なんで仕方ないですね。

于万亭は仕方ないです。原作では物語が
始まった時、既に死んでるんやから。

まぁ何といっても金庸のデビュー作。

作品としても今読むと、小説としてはやや難もあり、しかも新聞連載なので従来の書き下ろしや、雑誌連載のモノとは構成も違うので致し方
ないのでしょうが。

音楽に関してはあまり沢山作っていませんね。
おそらくもうマスターも残ってないでしょう。

03年版はサントラも出てたくらいなのでその
辺は予算掛けてました。

金庸の香香公主伝説と乾隆帝漢人説の民間伝承を巧みに取り入れ、史実と組み合わせるこういう手法はいいですね。

因みに2000年以降、映像化された金庸作品は
81年の一回目の改訂版を元に作られてますが、
08版射英雄伝だけは02年の二回目の改訂版を
元に作られてます。

MAXAMさんも金庸のは一通り出したので、この辺で陸小鳳伝奇とかもっと中華圏で有名な人気ある作品も出して欲しいと思います。


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さすがですね! (アレックス・マサ)
2010-04-28 23:57:37
小説を読んでいるとドラマを観て感じる視点も違いますね!
 
張召重はどうも線の細さを感じたキャラでしたね!(私にとっては!)
朝廷の使命で動いているところや容姿など!

やはり、江花会と先頭を切って対峙している存在なので無視できませんので追記しておきました。

根無し草さんおすすめの中華圏で有名な人気ある作品!
それは是非みたいですね!

私からもMAXAMさん、よろしく!{笑)
返信する
僕は (根無し草)
2010-04-29 11:47:07
金庸作品は小説から入っているので。徳間書店
で刊行が始まった時です。

やはり思うのですが、原作があるモノはやはり
ジャンル関係なく活字から入るべきですね。

文章から想像するイメージというのは千差万別
ですから。
本を読むという行為はどんな本であれ、後々
いろんな事に役立つんです。

1Q84とハリーポッターしか売れないこの
日本という国(というか日本人)はダメだな
・・・・・・・・・・
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