「雪鬼獣」
ゴシャハギ
Goss harag
牙獣種
尖爪目 堅爪亜目 鬼獣下目 ゴシャハギ科
全長約643.25〜906.40cm
全高約589.17cm
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1695340771040501930?t=GvKtBVprLEwkwcuJMnsbiA&s=19
・狩猟地
寒冷群島、城塞高地
・概要、特徴
氷雪地帯に生息する大型の牙獣種。
牙獣種の中でも大柄な体格の持ち主であり、さらに恐ろしげな顔つきや獰猛な性格など、全体的に「鬼」を彷彿とさせる風貌から「雪鬼獣」とも呼ばれている。
後頭部から胴体全体を覆う分厚い毛皮と、太く強靭な四肢が特徴。
顔や四肢の露出した表皮は堅牢で青白く、滾るような熱感に満ちている。
腹部側は茶色、背面側は白色に分かれた毛皮は氷雪を弾き、体熱を外に逃がさない構造を持つ。
体毛自体は透明で、光を反射することで白く見えている。光を透過する事で皮膚まで熱が届き、体温を保つ役割を果たすのである。
・生態
冷たい外気と高温の体温の温度差を必要とする生態から、寒冷群島以外での目撃例は極めて乏しい。
食料が乏しい環境で体温を保つために大量のエネルギーを必要とする事から、常に獲物を探し求めており、決まった縄張りを持たずに移動している。
異常な程の凶暴さは、獲物を逃すまいとする本能によるもの。
唸り声を上げながら徘徊する姿はそれだけで迫力と威圧感に満ち、近隣の村や里ではその姿を「寒冷群島にいる雪の鬼」として言い伝え、青い角の鬼が来る、と言えば泣く子も黙り、悪たれも口を噤むという。
なお、その唸り声を上げながら獲物を探す習性から、ゴシャハギの接近を察するのは比較的容易。
また、その声によって周囲の小動物が逃げてしまう場合もあるため、食欲旺盛で餌場を荒らされる事を極度に嫌うヨツミワドウは、本種が縄張りに踏み込むことを許さない。
寒冷群島の海辺では、時折ゴシャハギの唸り声に反応したヨツミワドウが飛び出し、縄張り争いをする様子が見られる事がある。
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1497052102178205699?s=19
他にも、背中を岩肌や氷壁に擦り付ける様子が見られる事があるが、背が痒いためとも、古くなった毛の生え変わりを促すための行動とも考えられ、一定の縄張りを持たない本種が縄張りを誇示するために行う行動とは考えにくく、意味はよく分かっていない。
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1497053628552531973?s=19
前述の通り、食料に対しての執念は凄まじく、例え獲物の姿が視認できていなくとも、僅かな物音にも敏感に反応し、巨体からは想像し難いほど俊敏に襲いかかって仕留める。
ずんぐりとした見た目に反して脚は速く、狙った獲物を難なく捕らえる。https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1497057011942395910?s=19
時には前述のヨツミワドウのような大型モンスターにすら襲いかかることもあり、狩りの際は前述の鉤爪を具えた屈強な前脚を武器とし、爪の一撃で獲物を屠る。
一方で食料への強い執着を利用してガウシカの骸を餌に誘き寄せ、捕獲した例が多数ある事から、根は単純な性質であるとも言えよう。
興奮すると青白い身体は別の個体のように赤く染まり、その変容から青鬼とも、赤鬼とも称されている。
・食性
肉食性で、魚や獣を食す。主にガウシカやポポを捕食する様子が観察されている。
・危険度、戦闘能力
外敵を発見すると後脚だけで立ち上がり、咆哮を上げつつ鉤爪を見せつけるように拳を開く。
拳には骨質の鋭利な突起、拳爪があり、獲物の甲殻を臓腑の如く抉りとり、急所を突く。
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1497052589321457664?s=19
基本的に拳と鉤爪を主たる武器として振るうが、その膂力は尋常ではなく、両腕を叩きつければ地は揺れ、岩盤は隆起し、氷壁が割れるという。
脚力も相当発達しており、自分の体高以上の高さまで跳躍したり、獲物の頭上を跳び越えてその背後から襲い掛かるなど、思わぬ攻撃範囲に翻弄されるハンターも少なくない。
しかし、ゴシャハギの戦闘能力の真骨頂は興奮状態で初めて発揮される。
興奮状態に突入したゴシャハギは咆哮を上げると同時に、体液を滾らせることで全身に活力を漲らせ、顔面や四肢の露出した皮膚を赤く変色させる。
血流が活性化することで身体能力は強化、動きには柔軟性が増し、より強力な攻撃を繰り出せる状態となる。
加えて、極低温の体液を吐き出すブレス攻撃を放つ事もあり、旅商人の一団が被害にあったとの報告もある。
これは体温で溶かして蓄えていた雪を、呼吸で取り込んだ周囲の冷気で再冷却したものである。
そして、それを自身の腕に向かって一気に吐き出す事で腕甲殻の溝に氷塊を形成し、腕そのものを巨大な剣や拳甲といった氷の武器と化す。
造形もゴシャハギの思うままであり、特に荒削りの大剣や包丁にも見える形状に仕立て上げる場合が多く、凶器と化した腕を豪快に振るい、荒々しく攻め立てる姿は「荒切りの凶猛」と称される。
状況によっては両腕に氷の刃を作り出したり、丸みを帯びた形状の氷塊を生成して鈍器のように扱ったり、地面に叩きつけて自ら破壊し、その破片を投げつけるように打ち出すなど、非常に器用な立ち回りを見せる。
距離を置いた獲物には氷塊を抉り出して投げつける、岩盤を隆起させて打ち上げるなど、単純な力だけでなく、技や頭脳までも具えており、寒冷群島の生態系においては上位に君臨するモンスターと言える。
また、相手が大きな隙を晒した場合には、ゆっくりと狙いを定めながら歩み寄り、動けない相手に対して怒号と共に勢いよく渾身の一撃を放ってきたという報告もあり、戦況を冷静に判断する観察力も具えていると推察される。
・利用
ゴシャハギの素材は素材となっても尚恐ろしい風貌ながら有用性は高く、体毛は防寒着の素材として広く流通している。
かつては上質な雪鬼獣の毛皮に魅了されたとある雪国の将軍が、戦を起こしてでもこれを欲したという。
また、ゴシャハギの中でも屈強な個体からのみ得られる「雪鬼胆」と呼ばれる胆嚢は、古来から万能薬の素材、絶大な活力をもたらすとして有名であり、大きく状態の良いものは不老不死の妙薬になると云われている。
しかし、外気に弱い性質から、状態の良いものは滅多に入手できず、市中に出回るのは殆どが本来より効力が落ちた枯物。
ゴシャハギの素材を用いた防具は寒冷地のハンターにとっては必需品と言えるほどに高い性能を誇り、毛束を緩衝材として用いることで得られる高い防御性能と、素手でも狩りが出来そうな程の荒々しさを兼ね備える。
また、それらの素材を加工して生産された武器も物々しい外見通りの攻撃力を誇る。
・ソース
MHR:S
モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録