「影蜘蛛」
ネルスキュラ
Nerscylla
鋏角種
鋏角目 スキュラ科
全長約879.03〜1188.69cm
全高約818.7cm
脚裏のサイズ約227cm
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1674404261567025152?s=19
・狩猟地
地底洞窟、原生林、未知の樹海、沼地
・概要、特徴
地底洞窟や原生林に生息する、大型の鋏角種。
闇に紛れて獲物を襲うことから、「影蜘蛛」とも呼ばれる。
食べ残した獲物の皮を身に纏う習性があり、背部には毒腺から染み出た毒液が凝固した棘を持つ。甲殻は真珠色であり、茶色の模様や縁どりがある。
甲殻は一際軽量なのが特徴で、その性質から軽快、かつダイナミックな運動が可能。
この甲殻は縁に棘や突起があり、これにゴム質の皮を引っ掛けて外套のように纏う習性がある。
脚は3対で、最初の1対は硬質な鎌状の爪になっている。
残りの2対は歩脚であり、先端には糸を掴むのに適した爪を備える。
クグツチグモ等の蜘蛛とは異なり、頭部と胸部は関節で明瞭に分かれる他、腹部は7節から成る。
頭部には3対6個の複眼と種族名の由来にもなっている伸縮自在の大顎「鋏角」を持つ。
鋏角には猛毒を持ち、普段は折り畳んでいるが、捕食や攻撃の際には展開して対象を挟み込み、両断する。
・生態
原生林や地底洞窟の一角に糸を張り巡らせた大規模な巣を作って生息しており、捕食や休息など生活の大半を巣で行う。
休息は巣から糸でぶら下がって行い、この際に甲殻から染み出た毒液がネルスキュラの体液と混ざることで長い年月をかけて凝固し、毒袋に似た性質の毒棘となる。
巣に迷い込んできた動物は巣に足を取られて動きが鈍ったところを粘着性の糸で絡めとって動きを封じ、爪で手繰り寄せて完全に逃げられなくする。
獲物は鋏角で挟んで出血性の毒を与えるか、若しくは腹部の針から分泌する毒によって昏睡させた後に糸で繭状に固めて巣から吊り下げ、注入した消化液によって肉が溶けるのを待つ。
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1674413520543449089?s=19
基本的には自ら溶かした肉を吸収して捕食を行うが、極度に空腹になると腐敗して分解が進んだ肉を食する事もある。
本種の生息地の近隣地域では、ネルスキュラの縄張りに迷い込んだ村人や家畜が襲われてしまう被害が後を絶たない。
巣の内部には捕らえられた数多の獲物の亡骸が糸に包まれて吊り下げられており、その大半はゲリョスの死骸である。
ネルスキュラがゲリョスを好んで捕食対象としているのは、ゴム質の皮を爪で剥ぎ取り、「外套皮」として身に纏うことで弱点である雷属性から身を守り、またゲリョスに擬態、更には暗闇に溶け込む保護色とするためと考えられている他、ゲリョスの保有する毒液を蓄積することで自身の毒として利用するためであると推測されている。
現在生息が確認されている地域ではゲリョスの捕食が多くみられる︎︎が、生息する地方によっては他のモンスターの皮を纏うという推測もあり、実際に近年発見されたネルスキュラ亜種はフルフルの皮を纏う習性が確認されている。
腹部と口からは強靭な粘着性の糸を吐き出し、巣の形成や獲物の拘束、自身の移動の補助など、様々な用途に用いる。
耐火・耐熱性は高く、縄張りとしていた地底洞窟が地底火山となっても巣の大部分は燃えずに残存するほど。
基本的には巣の中で過ごしているが、時折新たな縄張りを求めて巣を捨てて大移動することがあり、沼地などに現れた事例もある(移動中は巣を作らないため、休息は木からぶら下がって行う)。
また、戦闘や狩りに備えてか、爪を顎で掃除する行動が確認されている。稀ながら、移動の際にこの爪を用いて地中に潜ることもある。
・食性
肉食性。ゲリョスや草食種の死骸を捕食する。
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1472160471197179907?s=19
・危険度、戦闘能力
外敵を発見すると爪を大きく振り上げて咆哮し、威嚇する。
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1468779537546690563?s=19
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1469466821120376834?s=19
その後はすぐに巣へと移り、その中を縦横無尽に移動し、侵入してきた外敵を翻弄しながら攻撃を仕掛ける。
硬質な鎌状の爪を外敵を引っ掻くように振るう他、尖った腹部の先端からは昏睡作用のある毒を分泌し、粘着性の糸で獲物の動きを封じたところをこの毒で昏睡させて完全に無力化、鋏角を展開して断ち切るように挟み込み、猛毒を与えることで確実に仕留める戦法を好む。
伸縮自在の鋏角は最大の武器であると共に、複雑で繊細な構造故に脆い器官でもあるため、前述の糸や昏睡作用の毒で獲物の反撃を許さない状況に陥れての使用が多いようである。
https://twitter.com/gagieru_seltas/status/1485192665855451140?s=19
しかし、敢えて隙を見せ、油断して接近した相手に不意打ちを仕掛けるように突然鋏角を伸ばして攻撃して来ることもある。
また、長い脚は高い跳躍力を誇り、飛び跳ねて空中から糸塊を投網のように投げたり、獲物目掛けて飛び掛るように攻撃することもある。
巣の中に侵入してきた外敵の頭上で毒液を分泌、直に浴びせて攻撃することもある。
外敵から反撃を受けて怒ると複眼は赤く染まり、腹部の裏側には赤い紋様が浮かび上がる。
怒りに燃える影蜘蛛はより素早くダイナミックな動きで外敵を翻弄し、糸と毒で確実に動きを封じようと苛烈に襲いかかる。
なお、時折巣を放棄して大移動することがあり、そうした移動の最中に思いがけず遭遇して襲われたという事例もある。
これらの事から、ギルドでは本種の危険度を桃毛獣と同程度としており、影蜘蛛を制する事はハンターとして一定の実力の証明となるとされる。
・利用
ネルスキュラの外殻は毒々しい模様こそ入っているものの、鮮やかな乳白色の色合いの美しさから女性からの人気が高く、高級品として扱われている。
特に重厚な外殻は、その美しさと武具需要の高さから高値で取引される。
鋏角は猛毒によりその扱いは非常に難しいが、その伸縮自在の仕組みは武具に応用され、今までにない構造の武器や防具の生産を可能にした。
影蜘蛛の素材は軽く加工しやすいため、その素材を用いた防具は機能美と機動力を両立した工房の意欲作とされ、精密作業を行う観点から設計された緻密な構造は指先の細かな所作を武器に伝える事ができる。
また、薄く研磨されていながらも堅牢な軽い装甲は軽快な動きを妨げず、その見事な曲線美や施された装飾は気高き騎士道の象徴とされる。
ネルスキュラの鋭い爪や甲殻を素材とした武器は柔軟性と高水準の斬れ味を兼ね備え、硬い甲殻もバターのように両断し、傷口から毒を与える設計となっている。
また、ネルスキュラの独特でシャープな形状の体型を参考にしたオブジェが考案された例もある。ネルスキュラそのものを愛好する好事家も1部にはおり、そうした者が観察目的で狩猟を依頼する例も僅かながら存在する。
・ソース
MH4G
MHXX
ハンター大全4pg.55. 106
モンスターハンター発想の法則 メインモンスター誕生秘話 pg.129〜130