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山田英生:―インドネシアの105人分の尿を解析―

2014-06-10 11:32:02 | 動脈硬化予防
株式会社山田養蜂場(本社:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生)は、インドネシア原産のメリンジョ※1)に豊富に含まれるポリフェノール類「レスベラトロール」に着目した研究に取り組んでいます。このたび、武庫川女子大学 国際健康開発研究所の家(や)森(もり) 幸男(ゆきお)所長および森(もり) 真(ま)理(り)講師との共同研究により、メリンジョ由来のレスベラトロール摂取量と健康状態との関連を科学的に検証することができるようになり、レスベラトロールを豊富に含むメリンジョの摂取によって動脈硬化が予防された可能性があることが示されました。メリンジョ摂取量は、尿中に排泄されたトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニン※2)の量を測定することによって、推定しました。今後、この方法を生かして、メリンジョ由来レスベラトロールの健康効果の検証を続けていきます。
この成果は、第49回日本循環器病予防学会※3)(2013年6月14日, 15日、金沢、来場者約230名)で口頭発表されました。

◆演題: メリンジョの有用性と尿中バイオマーカー
◆発表者(○演者): ○森 朱美1,2, 森 真理2, 谷 央子1, 木村 友香1, 橋本 健1, 立藤 智基1,2, 家森 幸男2
1 株式会社山田養蜂場本社 みつばち健康科学研究所, 2 武庫川女子大学 国際健康開発研究所
◆要旨
①尿中に排泄されたトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニン※2)の量から、メリンジョの摂取量を推定できることを明らかにしました(図)。
②インドネシアの村人105人から得た尿の分析結果とメリンジョ摂取頻度調査結果の相関関係を解析し、尿中からトランス-レスベラトロールまたはイソラポンチゲニンが検出された人は、メリンジョの種子を潰して油で揚げた「ウンピン」というチップスを多く食べていることを明らかにしました。
③尿中からトランス-レスベラトロールが検出された人のうち、50歳未満では総コレステロールと動脈硬化指数が低値の傾向を示しました。一方、50歳以上では高値の傾向を示し、調理で用いた油が、メリンジョの効果を打ち消した可能性が示唆されました。


◆まとめ
 本研究によって、メリンジョ由来のレスベラトロール摂取量と健康状態との関連を科学的に検証できるようになり、メリンジョの摂取によって動脈硬化が予防された可能性があることが明らかとなりました。また、効果を発揮するためには、調理法も重要であることが示唆されました。
今後、新しい解析方法を活用してメリンジョ由来レスベラトロール類摂取の有効性をより明らかにし、健康の維持・
増進に最大限に役立てられる調理法や摂取法についての研究を進めていきます。

<本リリースに関するお問い合わせ>
株式会社山田養蜂場  文化広報室  関、寺田 〒708-0393  岡山県苫田郡鏡野町市場194
TEL:0868-54-1906 (月~金 9:00~17:30、土日祝除く) / FAX:0868-54-3346 / ホームページ:http://www.3838.com
みつばち健康科学研究所ホームページ:http://www.bee-lab.jp / 公式ツイッター:@yamadabeelab

 参考資料

◆背景と目的
メリンジョはインドネシア原産の植物で、スープの具として、また、種子を潰して油で揚げた「ウンピン」というチップスとして古くから食されてきました。レスベラトロールをはじめとしたポリフェノール類を豊富に含むことから、近年、健康効果に関する研究も進められており、2008年に武庫川女子大学の家森幸男教授がインドネシアのマジャレンカ村で実施した調査でも、メリンジョを多く食べる人は血圧が低いとの結果が得られています※4)。しかしこれは食物摂取頻度調査票(FFQ)への回答をもとに比較した結果であり、本人の記憶に依存して過大・過小評価される可能性があることから、メリンジョの摂取量を客観的に推定する方法が求められていました。
そこで今回の研究では、尿中に排泄されるメリンジョの成分のうち、トランス-レスベラトロールとイソラポンチゲニンに注目し、尿中の各成分の量がメリンジョの摂取量を反映するか、また、健康状態を示す数値(動脈硬化指数など)と相関するかを検証しました。これらに相関があれば、尿中の各成分の量からメリンジョの摂取量を推定でき、メリンジョの健康効果を、確かな数値を用いて探ることができます。

◆試験① 尿中のトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量から、メリンジョの摂取量が推定できる
健康な成人10人を5人ずつ2グループに分け、一方にメリンジョエキス粉末を1 g、もう一方に5 g摂取してもらいました。そして、摂取から24時間後までの尿を集めて、尿中に排泄されたトランス-レスベラトロールとイソラポンチゲニンの量を測定しました。その結果、メリンジョエキス粉末の摂取量が多い方が、尿中のトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量が多くなることが示され、尿中のトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量を測定することで、メリンジョの摂取量が推定できることが分かりました。トランス-レスベラトロールは、ワインやブドウなどメリンジョ以外の食品からも容易に摂取できるため、これらを摂取する地域でメリンジョ摂取量を調査する際にはイソラポンチゲニンを指標とすることが望ましいと考えられます。


◆試験② 尿中からトランス-レスベラトロールやイソラポンチゲニンが検出された人は、「ウンピン」を多く食べている
 2008年にインドネシアのマジャレンカ村で採取した105人分の24時間尿※5)におけるトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量を測定し、採尿と併せて行なった食習慣の調査結果との相関を調べました。その結果、尿中からトランス-レスベラトロールまたはイソラポンチゲニンが検出された人は、ウンピンを多く食べていることが分かりました。メリンジョスープの摂取量は、尿中のトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量には関係しませんでした。調理法によって、成分の含有量や体内への吸収のされ方が異なると考えられます。

◆試験③ メリンジョの摂取量と、総コレステロールおよび動脈硬化指数との関係
メリンジョの摂取量と健康状態との関連を調べるため、試験②で測定した尿中のトランスレスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量を、採尿と併せて行なった健康診断の結果とともに解析しました。その結果、尿中からトランス-レスベラトロールが検出された人のうち、50歳未満では総コレステロールと動脈硬化指数が低値の傾向を示す一方で、50歳以上では高値の傾向を示すことが明らかとなりました。年齢や摂取期間による動脈硬化指数の差は、調理法によってメリンジョの効能が異なる可能性が示唆されました。

◆まとめ
本研究によって、メリンジョの摂取量と健康状態との関連を科学的に検証できるようになり、メリンジョの摂取によって動脈硬化が予防できる可能性があることが明らかとなりました。また、摂取する人の年齢や摂取期間による効果の差は、調理法によって、メリンジョの効能が異なる可能性も示唆されました。
今後、新しい解析方法を活用してメリンジョ摂取の有効性をより明らかにし、健康の維持・増進に最大限に役立てられる調理法や摂取法の提案できるよう検討していきます。


◆解説
※1)メリンジョ・・・インドネシア原産のグネツム科植物の一種。インドネシアでは古くから栽培され、種子や葉、花が食糧として利用されている。特にドングリ大ほどの種子は栄養価が高く、炭水化物、タンパク質、レスベラトロール類(グネチンC、グネモノシドA、グネモノシドD、トランス-レスベラトロール、イソラポンチゲニンなど)を豊富に含む。有効性として、肥満予防作用、血管老化抑制作用、抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用などが報告されている。
※2)イソラポンチゲニン…レスベラトロールのひとつで、メリンジョの他にも、一部の漢方薬や、南アメリカの北部に分布するヤシ(オビレハリクジャクヤシ)の種に含まれる。
※3)日本循環器病予防学会・・・国民の健康増進に寄与するため、循環器疾患の疫学・管理・予防に関する研究と応用発展を目指し、昭和41年に発足した、(社)日本循環器管理研究協議会が主催する学術集会。医師だけでなく、臨床と公衆衛生関係者が同じ目的のために集う(詳細は、日本循環器管理研究協議会ホームページをご参照ください:http://www.jacd.info/)。
※4)2008年11月に開催された”The 4th International Niigata Symposium on Diet and Health Integrative functions of diet in anti-aging and cancer prevention”にて森真理講師らが発表した。
※5)24時間尿・・・まる一日、24時間に排泄された尿を集めたもの。今回の試験では家森幸男所長が考案した「ユリカップ」という部分採尿カップを用い、ワンタッチで1回の尿の2.5%が溜められる簡便な方法で採取した。

山田英生:レスべロール素材「メリンジョ」の 動脈硬化予防効果に期待

2014-05-19 14:12:00 | 動脈硬化予防
山田英生:山田養蜂場 研究成果を学会発表

レスべロール素材「メリンジョ」の

動脈硬化予防効果に期待

―インドネシアの105人分の尿を解析―


株式会社 山田養蜂場(本社:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生)は、インドネシア原産のメリンジョ※1)に豊富に含まれるポリフェノール類「レスベラトロール」に着目した研究に取り組んでいます。このたび、武庫川女子大学 国際健康開発研究所の家(や)森(もり) 幸男(ゆきお)所長および森(もり) 真(ま)理(り)講師との共同研究により、メリンジョ由来のレスベラトロール摂取量と健康状態との関連を科学的に検証することができるようになり、レスベラトロールを豊富に含むメリンジョの摂取によって動脈硬化が予防された可能性があることが示されました。メリンジョ摂取量は、尿中に排泄されたトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニン※2)の量を測定することによって、推定しました。今後、この方法を生かして、メリンジョ由来レスベラトロールの健康効果の検証を続けていきます。

この成果は、第49回日本循環器病予防学会※3)(2013年6月14日, 15日、金沢、来場者約230名)で口頭発表されました。


◆演題: メリンジョの有用性と尿中バイオマーカー

◆発表者(○演者): ○森 朱美1,2, 森 真理2, 谷 央子1, 木村 友香1, 橋本 健1, 立藤 智基1,2, 家森 幸男2
1 株式会社山田養蜂場本社 みつばち健康科学研究所, 2 武庫川女子大学 国際健康開発研究所

◆要旨
尿中に排泄されたトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニン※2)の量から、メリンジョの摂取量を推定できることを明らかにしました。

インドネシアの村人105人から得た尿の分析結果とメリンジョ摂取頻度調査結果の相関関係を解析し、尿中からトランス-レスベラトロールまたはイソラポンチゲニンが検出された人は、メリンジョの種子を潰して油で揚げた「ウンピン」というチップスを多く食べていることを明らかにしました。

尿中からトランス-レスベラトロールが検出された人のうち、50歳未満では総コレステロールと動脈硬化指数が低値の傾向を示しました。一方、50歳以上では高値の傾向を示し、調理で用いた油が、メリンジョの効果を打ち消した可能性が示唆されました。

◆まとめ

 本研究によって、メリンジョ由来のレスベラトロール摂取量と健康状態との関連を科学的に検証できるようになり、メリンジョの摂取によって動脈硬化が予防された可能性があることが明らかとなりました。また、効果を発揮するためには、調理法も重要であることが示唆されました。
今後、新しい解析方法を活用してメリンジョ由来レスベラトロール類摂取の有効性をより明らかにし、健康の維持・
増進に最大限に役立てられる調理法や摂取法についての研究を進めていきます。

<本リリースに関するお問い合わせ>
株式会社山田養蜂場  文化広報室  関、寺田 〒708-0393  岡山県苫田郡鏡野町市場194
TEL:0868-54-1906 (月~金 9:00~17:30、土日祝除く) /
FAX:0868-54-3346 /
ホームページ:http://www.3838.com
つばち健康科学研究所ホームページ:http://www.bee-lab.jp / 
公式ツイッター:@yamadabeelab

 参考資料

◆背景と目的
メリンジョはインドネシア原産の植物で、スープの具として、また、種子を潰して油で揚げた「ウンピン」というチップスとして古くから食されてきました。レスベラトロールをはじめとしたポリフェノール類を豊富に含むことから、近年、健康効果に関する研究も進められており、2008年に武庫川女子大学の家森幸男教授がインドネシアのマジャレンカ村で実施した調査でも、メリンジョを多く食べる人は血圧が低いとの結果が得られています※4)。しかしこれは食物摂取頻度調査票(FFQ)への回答をもとに比較した結果であり、本人の記憶に依存して過大・過小評価される可能性があることから、メリンジョの摂取量を客観的に推定する方法が求められていました。
そこで今回の研究では、尿中に排泄されるメリンジョの成分のうち、トランス-レスベラトロールとイソラポンチゲニンに注目し、尿中の各成分の量がメリンジョの摂取量を反映するか、また、健康状態を示す数値(動脈硬化指数など)と相関するかを検証しました。これらに相関があれば、尿中の各成分の量からメリンジョの摂取量を推定でき、メリンジョの健康効果を、確かな数値を用いて探ることができます。

◆試験① 尿中のトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量から、メリンジョの摂取量が推定できる
健康な成人10人を5人ずつ2グループに分け、一方にメリンジョエキス粉末を1 g、もう一方に5 g摂取してもらいました。そして、摂取から24時間後までの尿を集めて、尿中に排泄されたトランス-レスベラトロールとイソラポンチゲニンの量を測定しました。その結果、メリンジョエキス粉末の摂取量が多い方が、尿中のトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量が多くなることが示され、尿中のトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量を測定することで、メリンジョの摂取量が推定できることが分かりました。トランス-レスベラトロールは、ワインやブドウなどメリンジョ以外の食品からも容易に摂取できるため、これらを摂取する地域でメリンジョ摂取量を調査する際にはイソラポンチゲニンを指標とすることが望ましいと考えられます。

◆試験② 尿中からトランス-レスベラトロールやイソラポンチゲニンが検出された人は、「ウンピン」を多く食べている
 2008年にインドネシアのマジャレンカ村で採取した105人分の24時間尿※5)におけるトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量を測定し、採尿と併せて行なった食習慣の調査結果との相関を調べました。その結果、尿中からトランス-レスベラトロールまたはイソラポンチゲニンが検出された人は、ウンピンを多く食べていることが分かりました。メリンジョスープの摂取量は、尿中のトランス-レスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量には関係しませんでした。調理法によって、成分の含有量や体内への吸収のされ方が異なると考えられます。

◆試験③ メリンジョの摂取量と、総コレステロールおよび動脈硬化指数との関係
メリンジョの摂取量と健康状態との関連を調べるため、試験②で測定した尿中のトランスレスベラトロールおよびイソラポンチゲニンの量を、採尿と併せて行なった健康診断の結果とともに解析しました。その結果、尿中からトランス-レスベラトロールが検出された人のうち、50歳未満では総コレステロールと動脈硬化指数が低値の傾向を示す一方で、50歳以上では高値の傾向を示すことが明らかとなりました。年齢や摂取期間による動脈硬化指数の差は、調理法によってメリンジョの効能が異なる可能性が示唆されました。

◆まとめ
本研究によって、メリンジョの摂取量と健康状態との関連を科学的に検証できるようになり、メリンジョの摂取によって動脈硬化が予防できる可能性があることが明らかとなりました。また、摂取する人の年齢や摂取期間による効果の差は、調理法によって、メリンジョの効能が異なる可能性も示唆されました。
今後、新しい解析方法を活用してメリンジョ摂取の有効性をより明らかにし、健康の維持・増進に最大限に役立てられる調理法や摂取法の提案できるよう検討していきます。

◆解説
※1)メリンジョ・・・インドネシア原産のグネツム科植物の一種。インドネシアでは古くから栽培され、種子や葉、花が食糧として利用されている。特にドングリ大ほどの種子は栄養価が高く、炭水化物、タンパク質、レスベラトロール類(グネチンC、グネモノシドA、グネモノシドD、トランス-レスベラトロール、イソラポンチゲニンなど)を豊富に含む。有効性として、肥満予防作用、血管老化抑制作用、抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用などが報告されている。

※2)イソラポンチゲニン…レスベラトロールのひとつで、メリンジョの他にも、一部の漢方薬や、南アメリカの北部に分布するヤシ(オビレハリクジャクヤシ)の種に含まれる。

※3)日本循環器病予防学会・・・国民の健康増進に寄与するため、循環器疾患の疫学・管理・予防に関する研究と応用発展を目指し、昭和41年に発足した、(社)日本循環器管理研究協議会が主催する学術集会。医師だけでなく、臨床と公衆衛生関係者が同じ目的のために集う(詳細は、日本循環器管理研究協議会ホームページをご参照ください:http://www.jacd.info/)。

※4)2008年11月に開催された”The 4th International Niigata Symposium on Diet and Health Integrative functions of diet in anti-aging and cancer prevention”にて森真理講師らが発表した。

※5)24時間尿・・・まる一日、24時間に排泄された尿を集めたもの。今回の試験では家森幸男所長が考案した「ユリカップ」という部分採尿カップを用い、ワンタッチで1回の尿の2.5%が溜められる簡便な方法で採取した。