Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

大西清右衛門さん襲名20周年

2014年10月16日 13時26分48秒 | 美術画廊・ギャラリー
もう終わってしまったが、
日本橋三越本店の美術特選画廊で
大西清右衛門さんの襲名20周年記念展を見てきた。

ん? あれ?

15周年記念展は2008年だったような気がする~

まぁ、いいや。

今年は正月から伊勢丹で歴代の茶釜展を開催されたり、
ラジオ番組に出演されたりと活発なご当代。

今回も最終日を除く6日間、ギャラリートークを開かれた。

【参考】
10月8日(水) 「釜の歴史:京釜とは」
10月9日(木) 「釜の肌と紋様」
10月10日(金) 「やつれと覆垂─名残の季に見る─」
10月11日(土) 「釜の扱い:釜の修理、修復」
10月12日(日) 「釜の蓋のはなし」
10月13日(月) 「釜の音─鳴り音の愉しみ─」

私は残念ながら、ラストの1回しか聴けなかったけど。

展示されていたのは、歴代や昔の茶釜の写しが中心。

きっちり、精密な造りがご当代らしいなぁ、と思った。

どれも見覚えのある茶釜のフォルム。

このblogをじっくり辿れば、必ず感想が書いてあるはず。

だけど、いちいちblogを参照しながら見ることも出来ないので、
感覚と記憶を頼りに鑑賞。

鶴の釜、海老の釜は美しい。
織部筋釜も。

いずれも本歌は二代浄清。

特に海老ノ釜。

離れた場所に1つずつ、2釜。

1つは新作、未使用品と思われる。
もう1つは既に納品され、使われた釜を
展覧会のため、施主さんから借りたもの。

やはり、使われる事で釜の風格がついている。

胴に施された線、海老の髭の先を思わせるラインもステキ。

八景釜。
先日、泉屋博古館で有馬六景釜を見たけど、
景色の絵がほとんど判らなかった。

なるほど。本来はこうなっているのか。

札裏には「坐忘斎好」とあったけど
写しの鯰の釜。
ぬめっとした曲線、糸目、鯰のカンツキがかわいい。

源氏香釜(←施主は松栄堂さん)も参考展示されていた。
以前に見た時は“使った感”がなかったけど、
今回は明らかに“茶席で使われた感”がうかがわれ、
やはり、使ってこその味わいが出てきているように感じられた。

あと、興味深かったところは釜蓋。

ケースに入っていないものはちょこちょこと蓋を持たせていただい。

摘まみの細工が凝っていて、本歌とは違っていたり、
キズ跡など、おそらく再現させただろうと想像できる細工がしてあったり。

釜蓋のギャラリートークも聴きたかったなぁ。

釜音、鳴り板の話も面白かったけど。
(空炊きって、けっこう簡単にやっちゃうミスだったのね。気をつけないと)

そのほか、蓋置や火箸、花入も。

火箸は重かった。
これで手前をするのはけっこう指の力が要りそう。

花入は片手じゃ持ち上がらないくらいに重い。

茶釜の方が造る周辺道具だなぁ。

ますます、茶釜が好きになった。


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★大西清右衛門美術館バックナンバーリスト
 2014年9月 『十代浄雪と奥平了保』
 2014年5月 『千家伝来の茶の湯釜』
 2014年2月 『新春の寿ぎ -福をよぶ吉祥の茶道具-』
 2013年10月 開館十五周年記念『初代浄林・二代浄清』
 2013年3月『大西家の近代-浄長・浄中・浄心-』
 2012年11月『京釜の粋-三条釜座、釜師の技と名品-』
 2012年5月『茶の湯釜歳時記』
 2012年2月『釜師 大西家歴代』
 2011年10月『釜をとりまく茶道具』
2011年5月『吉祥の釜』
 2010年9月『茶の湯釜にみる朽ちの美』
 2010年5月『風炉を楽しむ』 
 2009年11月『千家十職 大西清右衛門家の釜と金工-茶の湯工芸の伝統と創造-』『寺院ゆかりの茶の湯釜』
 2009年5月『開館十周年記念 釜師 大西清右衛門の目 それぞれの所蔵品から』
 2008年10月『開館十周年記念 釜師 大西家歴代展』
 2008年3月『風雅-茶のなかにみる意匠』
 2007年11月『茶人と釜』

 『釜師 大西清右衛門の世界』 (美術館「えき」KYOTO)
 2008年11月『千家十職 釜師 十六代 大西清右衛門展-襲名十五周年を記念して-』(日本橋三越本店)

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