春季企画展「茶の湯釜歳時記」
大西清右衛門美術館 ※6月24日(日)まで サイト
blogで感想記を書くにあたり、初めて?展覧会タイトルに気がついた
「今回のテーマって、歳時記だったのねぇ」
ここを訪れるのはもう何度目だろう。
blogを書き始めてからでも11回目。それ以前に3回訪れている。
これだけ訪れているにもかかわらず、まだ初めて拝見するような茶釜に出会うのだから、
茶釜も奥が深いなと思う。
さて、14回目の訪問となる今回。
まず出会ったのは茶磨釜という、変わった名称のお釜。
こういう複雑なものを作ったのは、、、そう天才2代浄清。
一見、鏡餅の上に臼が載っているようなユニークな形。
入り口センターケースを陣取り、同時にチラシの表紙も飾るこの茶釜こそが本展の見どころなのだろう。
チラシ写真のよいところは、ちゃんと茶席にあるところだ。
これにより、この釜が炉用なのだとわかる。
炉中に納まってしまうと餅形の部分が隠れてしまうが、炭手前の時に「おぉ~」と感嘆の声が起きそうだ。
臼形の部分は茶臼をイメージしているらしい。
側面の籠目模様(一部に七宝模様もあり)が上品なのと、蕨の鐶付がいい。
蓋の形も梅の花。
続いて浄休(浄清の弟)の桜地文壺形釜。
形が西洋の壺っぽい? 壺で言えば大きな「耳」というか取っ手が両脇について、その端っこが鐶付になっている。
面白い形だけど、鐶がかけにくそう
吊り釜仕様かなぁ。
10代浄雪の筒釜は鐶付が笛。
縦にくっついているのが独創的?
13代浄長の馬ノ釜。
なんといっても、リアルな馬が鐶付。尻尾に鐶をかけるようになっている。
これも亭主泣かせ。バランスとるのが難しそう
奥平了保の御所車風炉。
これは以前に見たことがある。灰形を作ってみたい。
堀山城?の五ツ梶葉地文文風鐸釜。
梶の葉は七夕の短冊でも使うから涼しげ。風鈴の形がかわいい。
2代浄清の菊水釜。
小ぶりで鐶付が鯰に乗った猿。芸が細かい。
西村九兵衛の水辺芦地文四方釜。
鐶付が直角の部分についている。底が長次郎茶碗のムキ栗みたい。
もう一つ布団釜。(←これは以前も観た。今回は記憶薄し。チラシ写真で復習)
15代浄心の南鐐唐銅朝鮮風炉。
風格あった。
11代浄寿は望月釜?
釜の下の方に月が画かれている? 筆跡が読み取れない
13代浄長の春日野釜。
羽根がついている。上の部分には霰が打ってあって、芸が構い。
もうひとつ浄長の茄子形手取釜。
逸翁美術館で見た陶器の手取釜の金物バージョン。
手の部分(弦の部分?)が凝っている。
大西五郎左衛門の尾上釜。
鐘の形。蓋の形も変わってる。
初代浄林の鮎地文撫肩釜。
形が優しく、遠山の鐶付もいい。
実物大(?)の鮎もシンプルな印象。
室町時代の雲龍地文の富士形釜。
羽落ちの上部は丸っぽい富士山。下部は丸いお皿っぽい形。
風炉用なのか炉用なのか。
芦屋の梅地文真形釜。
室町時代、15~16世紀の作らしいが、そんなに古そうには見えない。
5代宮崎寒雉の釜。
下が四角い箱みたいになっていて、その上に丸い鏡餅みたいな上部がのっている。
四角の対角線の両角に鐶付がついていて、蓋の摘みと合わせて「三猿」になっていて面白い。
(寒雉さんの茶釜は面白い形が多い)
10代浄雪の残雪釜。
大尻張釜の写しだという。
15代竹タンポポ地文の繰口釜。
春らしい地文がよかった。
7階の茶室は印象に残ったもののみ。
風炉は2代浄清の蝙蝠風炉。一昨年の「風炉を楽しむ」で見た。
そこにのっているのは波地文棗釜。(作者はわからなかった)
水指は瀬戸洗手、茶器は飛来一閑の蒔絵、茶碗は高麗玉すだれ、建水は砂張。
2階の呈茶のお部屋の六瓢の風炉釜。
蓋の摘み、鐶付2つ、茶釜の形、風炉の形、風炉の窓。これで6つ。
展示目録がないから、メモを取るのも一苦労。
チラシにあの手のこの手で書いている。
いい加減、『茶ノ湯の釜』を買おうかなぁ。
期間中開かれる京釜文化講演会も聴いてみたいなぁ。
なんて思ったりもするけれど、なかなか“更なる一歩”が上がれない。
まぁ、今は無理せず、できるところで楽しんでいこう。
※次回の展覧会は9月4日(火)~12月24日(月・祝)
『(仮称)京釜の粋-三条釜座、釜師の技と名品-』
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★大西清右衛門美術館バックナンバーリスト
2012年2月『釜師 大西家歴代』
2011年10月 『釜をとりまく茶道具』
2011年5月 『吉祥の釜』
2010年9月 『茶の湯釜にみる朽ちの美』
2010年5月 『風炉を楽しむ』
2009年11月 『千家十職 大西清右衛門家の釜と金工-茶の湯工芸の伝統と創造-』『寺院ゆかりの茶の湯釜』
2009年5月 『開館十周年記念 釜師 大西清右衛門の目 それぞれの所蔵品から』
2008年10月 『開館十周年記念 釜師 大西家歴代展』
2008年3月 『風雅-茶のなかにみる意匠』
2007年11月 『茶人と釜』
2008年11月 『千家十職 釜師 十六代 大西清右衛門展-襲名十五周年を記念して-』(日本橋三越本店)
大西清右衛門美術館 ※6月24日(日)まで サイト
blogで感想記を書くにあたり、初めて?展覧会タイトルに気がついた
「今回のテーマって、歳時記だったのねぇ」
ここを訪れるのはもう何度目だろう。
blogを書き始めてからでも11回目。それ以前に3回訪れている。
これだけ訪れているにもかかわらず、まだ初めて拝見するような茶釜に出会うのだから、
茶釜も奥が深いなと思う。
さて、14回目の訪問となる今回。
まず出会ったのは茶磨釜という、変わった名称のお釜。
こういう複雑なものを作ったのは、、、そう天才2代浄清。
一見、鏡餅の上に臼が載っているようなユニークな形。
入り口センターケースを陣取り、同時にチラシの表紙も飾るこの茶釜こそが本展の見どころなのだろう。
チラシ写真のよいところは、ちゃんと茶席にあるところだ。
これにより、この釜が炉用なのだとわかる。
炉中に納まってしまうと餅形の部分が隠れてしまうが、炭手前の時に「おぉ~」と感嘆の声が起きそうだ。
臼形の部分は茶臼をイメージしているらしい。
側面の籠目模様(一部に七宝模様もあり)が上品なのと、蕨の鐶付がいい。
蓋の形も梅の花。
続いて浄休(浄清の弟)の桜地文壺形釜。
形が西洋の壺っぽい? 壺で言えば大きな「耳」というか取っ手が両脇について、その端っこが鐶付になっている。
面白い形だけど、鐶がかけにくそう
吊り釜仕様かなぁ。
10代浄雪の筒釜は鐶付が笛。
縦にくっついているのが独創的?
13代浄長の馬ノ釜。
なんといっても、リアルな馬が鐶付。尻尾に鐶をかけるようになっている。
これも亭主泣かせ。バランスとるのが難しそう
奥平了保の御所車風炉。
これは以前に見たことがある。灰形を作ってみたい。
堀山城?の五ツ梶葉地文文風鐸釜。
梶の葉は七夕の短冊でも使うから涼しげ。風鈴の形がかわいい。
2代浄清の菊水釜。
小ぶりで鐶付が鯰に乗った猿。芸が細かい。
西村九兵衛の水辺芦地文四方釜。
鐶付が直角の部分についている。底が長次郎茶碗のムキ栗みたい。
もう一つ布団釜。(←これは以前も観た。今回は記憶薄し。チラシ写真で復習)
15代浄心の南鐐唐銅朝鮮風炉。
風格あった。
11代浄寿は望月釜?
釜の下の方に月が画かれている? 筆跡が読み取れない
13代浄長の春日野釜。
羽根がついている。上の部分には霰が打ってあって、芸が構い。
もうひとつ浄長の茄子形手取釜。
逸翁美術館で見た陶器の手取釜の金物バージョン。
手の部分(弦の部分?)が凝っている。
大西五郎左衛門の尾上釜。
鐘の形。蓋の形も変わってる。
初代浄林の鮎地文撫肩釜。
形が優しく、遠山の鐶付もいい。
実物大(?)の鮎もシンプルな印象。
室町時代の雲龍地文の富士形釜。
羽落ちの上部は丸っぽい富士山。下部は丸いお皿っぽい形。
風炉用なのか炉用なのか。
芦屋の梅地文真形釜。
室町時代、15~16世紀の作らしいが、そんなに古そうには見えない。
5代宮崎寒雉の釜。
下が四角い箱みたいになっていて、その上に丸い鏡餅みたいな上部がのっている。
四角の対角線の両角に鐶付がついていて、蓋の摘みと合わせて「三猿」になっていて面白い。
(寒雉さんの茶釜は面白い形が多い)
10代浄雪の残雪釜。
大尻張釜の写しだという。
15代竹タンポポ地文の繰口釜。
春らしい地文がよかった。
7階の茶室は印象に残ったもののみ。
風炉は2代浄清の蝙蝠風炉。一昨年の「風炉を楽しむ」で見た。
そこにのっているのは波地文棗釜。(作者はわからなかった)
水指は瀬戸洗手、茶器は飛来一閑の蒔絵、茶碗は高麗玉すだれ、建水は砂張。
2階の呈茶のお部屋の六瓢の風炉釜。
蓋の摘み、鐶付2つ、茶釜の形、風炉の形、風炉の窓。これで6つ。
展示目録がないから、メモを取るのも一苦労。
チラシにあの手のこの手で書いている。
いい加減、『茶ノ湯の釜』を買おうかなぁ。
期間中開かれる京釜文化講演会も聴いてみたいなぁ。
なんて思ったりもするけれど、なかなか“更なる一歩”が上がれない。
まぁ、今は無理せず、できるところで楽しんでいこう。
※次回の展覧会は9月4日(火)~12月24日(月・祝)
『(仮称)京釜の粋-三条釜座、釜師の技と名品-』
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2011年10月 『釜をとりまく茶道具』
2011年5月 『吉祥の釜』
2010年9月 『茶の湯釜にみる朽ちの美』
2010年5月 『風炉を楽しむ』
2009年11月 『千家十職 大西清右衛門家の釜と金工-茶の湯工芸の伝統と創造-』『寺院ゆかりの茶の湯釜』
2009年5月 『開館十周年記念 釜師 大西清右衛門の目 それぞれの所蔵品から』
2008年10月 『開館十周年記念 釜師 大西家歴代展』
2008年3月 『風雅-茶のなかにみる意匠』
2007年11月 『茶人と釜』
2008年11月 『千家十職 釜師 十六代 大西清右衛門展-襲名十五周年を記念して-』(日本橋三越本店)
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