裏山赤太郎~ゲイでエイズで、でも生きてくよ!~

ゲイとして生きて、50代でエイズを発症したけど、自分らしく生きていくことには変わりないないんだよってブログ。

エイズ発症と仕事、障害者雇用枠での転職

2015-07-18 19:18:05 | 日記
実は発症が始まったころには、
会社の待遇面で納得できない部分もあり、
上司のパワハラ的な態度も受け入れがたく
退職を考えていました。
しかし、それでも自分の弱さや
途中で仕事を投げ出すような負け犬になりたくないといプライドが
何とか私をその仕事に留めていたのでした。

しかし、入院が決まって、療養する中で、
もうそんなこだわりやプライドは意味がないことを知りました。

それでも周囲の人に病気について知られることは、
偏見の目に晒され、
人間として否定されかねないことも考えていました。

「ええ?あの人が?」

「そうなの?感染させられたら困るじゃない」

そんな周囲の囁くような声が、
頭に浮かんでいました。

もちろん、そんな偏見が職場にあり、
差別的な扱いを受ける場合は
人権問題でもあり、
企業として問題です。

でも一個人としてそのような偏見や差別があった場合、
戦う気力がその時の私にはありませんでした。
戦って、その職場や仕事にこだわる意味も、
私には感じられませんでした。

そんな思いから、私は退職しました。

そして、これからは自分の体を大切にしながら、
少しでも障害や病気に理解が得られる職場で
自分の能力を発揮していきたいと考えています。

同じHIV陽性者の方の中でも、
働き方は様々です。

エイズ発症前に感染が判明し、
体調と検査の数値を考慮しながら投薬治療に入っている人は、
定期的な通院以外は問題なく、
それまでと変わらずに同じ会社で働いている人もいます。

発症して、入院などをしても、
同じ会社に復職して、
病気を周囲にオープンせずに働いている方もいます。

私が考えたように、
障害者雇用枠で転職をして
活躍されている方もいます。

障害者雇用枠で働いている人の中でも、
社内で自分が免疫機能障害であることを
同僚などにも明らかにしている人もいれば、
直属の上司と人事課しか知られず、
基本的にそれ以上には知らせない人もいます。

障害者雇用枠で働く上でも、
当事者が障害や病気についてオープンにするか、
しないかという意向もありますが、
その会社の社風などにもよるようです。

私の場合、すでに50代に入り、
ただでも転職するのが難しい年代です。
求人に応募しても、
書類で落とされてしまうことがほとんどで未だ採用fの目途は立ちません。

それでも、自分の体調管理ができる仕事で、
無理をせず、でもしっかり能力を発揮して、
できるだけ長く働ける職場を探していこうと考えています。

自分は自分の人生を、
大切に生きることを
こんな年齢でやり直そうとしています。

今の自分は、
些細な出来事のひとつひとつが宝物になり、
自分を見直すきっかけになっています。

消えそうになった命を思えば、
今の人生の模索状態も
素晴らしい時間として受け入れています。

もちろん、焦りもあります。
老いた母親に心配をかけていることに、
心から申し訳ない気持ちにもなります。
時に、普通に働いている人達が羨ましく思うこともあります。
この病気や、障害者に対して、
差別的な発言をする人に腹も立ちます。

でも、そんな状態も受け入れて、
自分を否定することだけはやめようと思っています。
今の何とも中途半端な時間も、
これからの人生の大切な充電期間であり、
働くことの喜びや大切さを改めて発見している時間でもあるのです。


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