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バーチャル・シニアを体験しました

2005-10-12 23:11:26 | 世の中のこと
バーチャル・シニアってご存知でしょうか?
直訳するなら「お年寄り体験」です。
今日、これをやってきました。

お年寄りって、身体能力がいろいろと落ちていますよね。
この状態を疑似体験しようというものですが、これがまた、あれこれと体に着けさせられるのです。

・白内障用ゴーグル(視覚の低下)
・ビニール手袋(手の触覚の低下)
・耳栓(聴覚の低下)
・肘、膝のサポーター(可動範囲の制限)
・おもりを数ヶ所(体力の低下)

この中では、「白内障」というものが分かりづらいかと思います。
大雑把に書きますと、こういう病気です。

目の中の水晶体という部分(レンズの役目をする器官)が白く濁る。
  ↓
眼球の奥まで、光が上手く入らなくなる。
  ↓
モノがよく見えなくなってしまう。

例えば、こういう風景(僕の部屋ですが…)があったとします。


それが、白内障ゴーグルを着けるとこうなります。
体験で使ったゴーグルは黄色く色が付いていますが、実際には白くぼやけた感じだそうです。

僕はフォトレタッチは下手なのですが、まあ、大体こんな感じです。
視界がぼやけたり、視野が狭くなったりと、とにかく「怖い」の一言です。

今日、東京でお年寄りが2人、電車にはねられました。
事故現場は、地元では有名な「開かずの踏み切り」だそうです。
これを待ち切れずに、線路に出てしまったことが直接の原因だとか。
…が、『報道ステーション』の中で、いみじくも古舘さんがこのようなことを言っておりました。

「(同じことをしても)若者だったら平気なのでしょう。」
「けれども、お年寄りには危険を察知できるのだろうか。」

まさにその通り。
近づいてくる電車の音や、周りの人の呼びかけは、どれだけ聞こえていたのでしょうか。
また、気付いたところで逃げ切れたかということもあります。
だったら危ないことをしなければいいじゃないか、という声もあるでしょう。
けれどもその時、別の事故の影響でその「開かずの踏み切り」は1時間も閉まっていたそうです。
その方はその方なりに急いでいたでしょう。
諦めて迂回するといっても、お年寄りにとってそれは大変な労力であるはずです。
仮に歩道橋が近くにあったとしても、お年寄りには辛いだけですよね。

「やさしい社会」というのは、考えれば考えるほど難しいものです。

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