ふとウィキペディアで1970年代の映画「いちご白書」を調べていたら、60年代末から70年代初めにかけて大ヒットしたアメリカンニューシネマの人気作として「イージー・ライダー」と「俺たちに明日はない」に並ぶ作品と記されてました。なぜかこの3作品の劇場用ポスターを持っているのです。販売されているわけではないので、映画少年だったころ、どこかからもらってきたと思われますが、記憶には残っていません。ポスターを見ながら映画の記憶をたどってみました。
▽学生時代の反乱をどう総括?
1971年公開の「いちご白書」。ジェームズ・クネンという作家が19歳の時に書いたノンフィクションの映画化で、1966年から68年にかけてのコロンビア大学の体験を描いたものです。大学当局に反発するいわゆる学生運動がテーマでしたが、キム・ダービー演じるリンダのミニスカート姿がとても印象的。青春映画でした。クネンさんやモデルになった当時の学生さんたち、今、どうしているのかな。65歳ぐらいになっているはずだけど、リタイアして静かな生活をおくっているのでしょうね。ベトナム戦争が終わり、東西の冷戦終結、9・11、トランプ大統領の登場。名門コロンビア大学の出身者はさまざまな形で歴史にコミットしていたはず。あの学生時代の反乱をどういう風に総括しているのか。たぶん、多くの人にとって青春1ページでしかないのかもしれません。日本の多くのおじさんたちと同じように。
▽ならず者なのになぜ人気?
ボニー&クライドでおなじみの「俺たちに明日はない」。アーサー・ペン監督の傑作といわれる作品です。印象的なシーンはもちろん、演じたフェイ・ダナウェイとウオーレン・ビーティーの2人がすさまじい集中砲火で射殺されるラストシーンですが、兄役のジーンハックマンと夜、会っているところを追っ手に見つかり、銃撃でハックマンが血まみれになるシーンが妙に記憶に残ります。ポスターはボニー&クライドが撃たれるシーンです。それにしても、何というならず者。強盗だけでなく多くの殺人を犯した彼らがなぜ大衆の支持を得たのか、どこか不思議です。
▽アメリカの現実と言われても
最後はイージーライダーです。10代の私には今ひとつ理解できなかったし、あまり面白いとも言えなかった映画でした。結局,ラストでヘンリーフォンダとデニス・ホッパーが意味もなくショットガンで吹っ飛ばされてしまうシーンが脳裏に焼き付いています。いくら何でもヒッピーだからと言って問答無用に撃っちゃうかなあ。これがアメリカの現実だあと言われてもなあ、となかなか現実感を持って理解することはできませんでした。当時の皆さんはどう受け止めたのかなあ。ポスターはヘンリー・フォンダのイラストにアメリカの星条旗の星風なものを重ね合わせたデザイン。オレンジ色ですがあれは意味があっ
たのかなあ。
▽歩んできたこの道を振り返るだけ、20歳そこそこのガキどもの歌
イージーライダーをネットで検索していると、ステッペンウルフの「ワイルドで行こう」のユーチューブ動画を見つけました。もう一つ見つけたのが、いちご白書で学生たちが機動隊員によってごぼう抜きされる中で流れる「サークル・ゲーム」。バフィ・セント=マリーという女性歌手が歌ってました。20歳そこそこのガキどもが、こんな歌詞を歌っていたんですねえ。まだ、何度も繰り返すほど生きてないだろうに。
We can't return we can only look behind
From where we came.
And go round and round and round
ln the circle game.
私たちは戻れない。そして私たちができるのは
歩んできたこの道を振り返るだけ。
そして何度も何度も練り返すの。このサークル・ゲームを
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