C'est la vie.

人生ままならぬもの。成り行き任せか、C’est la vieか。電子のカオスの中で思いが遂げられたらと思う今日この頃。

女優の輝き

2008-05-20 22:15:30 | Weblog
 かつての学生時代、松竹系の映画館でバイトしていた。もぎりや売店、自動販売機の入れ替え。前売り券の配布・集金もやれば、夜中、ポスター張りもやった。映画館の社員みたいな生活だった。そんな立場にいたから、学生のころ松竹系の映画はほとんど見ていた。でも、不思議と記憶に残っているのは、バイトをする前に見た吉永小百合がマドンナになった男はつらいよ柴又慕情、そして就職して東京に出てきて見た「復讐するは我にあり」。

 当時から気づいていたけど、この二つに共通するのは女優さんがもっとも輝いていた時期の作品だったからと思う。柴又慕情の吉永小百合。この時の美しさは際立っていた。恐らく年は28、9。青春スターとばかり思っていた彼女が、美しい「女優さん」としてスクリーンに登場したとき、10代の少年達はあっという間に恋してしまった。吉永小百合は、その何年か後に結婚。そして少年達の恋は終わった。

 社会人として歩き出したけど、間もなく地方勤務を控え不安な日々。梅雨入り前の蒸し暑い渋谷で見たのが「復讐するは我にあり」。今は亡きイマヘイのどぎついつくり、真面目な役ばかり緒形拳の怪演。でも、何にもまして記憶に残るのが、倍賞美津子のあのものすごい肉体だった。普通の女優さんが映画で脱ぐなんて考えられない時代。あの風呂場のシーンは今でも生々しくよみがえる。

 吉永小百合が可憐な美しさで最高の輝きを見せたように、倍賞美津子は肉体の美しさで、最高に輝いた。それは私の心にとって、女性が憧れから実体を伴った存在に変わったことを意味しているようにも思える。



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