夏の間、100円ショップの扇子はとても貴重です。閉じたとき、先の方が広がっているなど、本来の姿から見ると決して優雅なつくりではありませんが、若手デザイナーを使っているのか斬新なデザインも多数あり、猛暑を過ごすには欠かせない物になっています。ただし、大きな欠点はあります。それは耐久性の問題。強度が弱いために破れてしまうことも多く、デパートなどで売られている扇子などとは天と地ほどの違いがあります。特に根元で全体をまとめる「扇の要」の役割をする細い棒の部分は押さえの部分が取れやすく、バラバラになって終わりというケースも少なくありません。扇の部分は十分に使えるのに。
ネットで修理法発見
そんなとき、ネット上で100均扇子の修理の仕方を見つけました。簡単に言うと、細い棒を抜いて、プラスチックの少し長い棒を差し込み、出口付近を熱くして溶かしてナット状にするということでした。代替の棒は古いボールペンの芯がちょうどいいらしい。もちろん、インクがない部分です。
代わりはボールペンの芯
ちょうど、バラバラになりそうな扇子があり、古いボールペンを用意しました。先の部分を開き、芯を出してみると、インクがない部分が5センチほどあります。扇子の根元に当ててみると、必要なのは2センチほど。十分使えます。まず、芯をはさみで切ります。そして、ゆっくりと芯を通す穴に差し込んでいきます。一度に押し込もうとすると、うまくいきませんが、折れ目に合わせて1枚1枚差し込むようにすると、反対側に届きました。入口と出口の穴から2、3ミリはみ出しています。
ライターであぶってナット作り
仕上げのナット作りです。ネットではアイロンを当てるとか書いてありましたが、そんなまどろっこしいことはしません。少々、乱暴ですがライターであぶるのです。5秒もすれば溶けて、すぐに同心円状に固まり、まるでナットのように見えます。
次に扇子の根元をぎゅっと絞って、出口側の芯が最大限外にはみ出すようにします。再びライターであぶると入口と同じようにナットができました。これで完成です。扇子を開いたり閉じたりしてみても、特に問題は感じません。
固まるまで触っちゃダメ
実は最初、失敗しているのです。溶けた後、固まる直前に形を整えようとしたのです。しかし、結果は逆でナットの形がゆがんでしまいました。何もせずに放置するのが一番です。火であぶると、扇子に燃え移るのではないかと気になりましたが、炎の先端部分を数秒当てるだけなので何の問題もありませんでした。
破れたり、バラバラになったりして、毎夏、扇子3、4個を買っていました。この修理ができれば無駄にすることもなさそう。といっても、5つ買っても税込み540円。デパートなどで買えば、1つで最低でも2000~3000円しますけどね。