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鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

機動戦士ガンダム外伝◇陽炎-ようえん-のキシリア◇第ニ話

2021-02-23 13:20:00 | 機動戦士ガンダム外伝
キシリア座乗艦:改グワジン級:魔利支天(マリシテン)ブリッジに号令が飛んだ。

「全艦!第二種戦闘配置!」
「モビルスーツ隊は発艦準備!」

「サイド:3首都バンチ「ズム・シティ」を制圧、我が祖国奪還へ!!」

各艦内で大きな決起を誓う声が上がった。

マリシュ・キシリア・ザビ。
私は30年前、母の親衛隊(キシリア機関諜報部)の一部と、木星圏へ身を潜めさせられれた。
それは当時、大戦時に世継ぎを失う危険性から母であるキシリアは、わざと木星圏へ生まれたばかりの私を隠した。
ニュータイプの素質を生まれながらにして、持ち合わせていたと云う。
父親は同じくニュータイプの素質を持ち合わせていると感じた男性。
母が最終決戦に赴く前に手紙をよこした事があった。
それには「キャスバルが父親である可能がある。」と書かれていた。




その後、何度か母と関係を持った上級士官マ・クベとの間では懐妊は確認出来なかった事から、「キャスバル=シャア」が父親の可能が高いと。


木星圏では身分を隠し、ニュータイプ研究所で過ごし、シャリア・ブルから教育を受けて育った。
シャリア・ブルは素敵なおじ様って感じの軍人には珍しく紳士的な方だった。

木星圏は、地球のインフラを支える熱核融合炉の燃料となるヘリウム3の産出地。地球から最も遠い人類の生活圏であり、ヘリウム3はヘリウム船団を通じて地球圏に送り届けられる。 地球から最も離れているという事もあって独自の技術や文化が構築され、同時にニュータイプ研究も地球圏とは違うアプローチで行われており、木星圏ではニュータイプ能力を明確に「サイキック」と定義している。 その為、シャリア・ブル、パプテマス・シロッコなど木星から帰還したニュータイプは「木星帰り」と呼ばれ、一目置かれた。 一方で、木星圏は人類の生活圏としては最も過酷であり、生活に必要な資源も限られていた。
そして、アクシズに逃れ、"ネオ・ジオン"を掲げる組織が幾つか現れたが、何れも満足な結果を得る事なく散っていた。
我慢の日々が続く中、私が新たに立ち上げた"正統ジオン"に、ここに暮らす多くの民の賛同を得たのだ。

私の娘ウシャス・キシリア・ザビもまた、ニュータイプだ。
僅か11歳ではあるが、モビルスーツを自身の手足の如く操り、同時に複数のファンネル、新たに開発されたフルオートのモビルスーツ数体を操る。
私以上のニュータイプだ。
確かに過去に娘くらいの歳のニュータイプは存在した。
しかし、それはクローンと云うコピー品に過ぎない。
人工的に能力を無理やり高めさせた強化人間に過ぎない。
私の娘は私の子宮で十ヶ月と十日育ち、生まれ自然成長した人間だ。

「正統ジオンの旗を掲げよ!」
「各個に攻撃を開始せよ!」

こうして、戦端は開かれ首都バンチ「ズム・シティ」制圧が開始された。

一方、アナハイムのエンジニアを中心に次世代ガンダムのテストを行っていたチームから、連絡を受けた地球連邦は、このテストチームに対し合流(ランデブーポイント)を指示した。

「無茶を云わんで下さい!」
「司令も知っての通り、このテストチームは殆どが民間人です!」
「数名の士官と士官候補生のテストパイロットしか軍属は居らんのでよ!」声を荒らげ、オンライン通話する技術士官ユーウ・ジャージア。
だが、そうせざるを得ない事態に巻き込まれてしまう。
先の遭遇したジオンのモビルスーツ二機がコロニー内に侵入、テスト中のガンダムを探し回っていた。

「先ほど報告したジオン残党と思われるモビルスーツに強襲を受けている!救援をッ!!」爆風に煽られ、身を屈めるユーウ・ジャージア。
その数秒後次の台詞(ことば)に変わった。
「……了解しました。」ユーウ・ジャージア技術士官大尉は、青ざめた顔を覗かせ、こう告げた。

「ここを脱出する。全員、強行偵察揚陸艦ホルスに乗艦せよ。」
「テスト中のガンダム・ディアナを合流する連邦に送り届ける。」


第三話へつづく。

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