鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第二章・第三話

2021-10-31 18:09:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝
「……や、山本機、ヤマトの前方にキャッチ!」
驚くように雪が告げると、真田は右の口角を軽く上げた。
それはほんの僅かだが"タイムワープ"を成功させた事を物語たっていた。
艦長古代はディンギル戦闘艦に通信を試みた。

「ディンギル戦闘艦と映像通信回線、繋がります!」

「貴官に告ぐ。ヤマトの実力はお解り頂けたと思う。」
「貴官の艦は我々の狙撃機が完全に射程に収めている。」
「サーシアを解放せよ。」
「解放と貴官らの安全を交換………。」

「笑止!」

「はい。解りました。と我らが敗北を認めると思ったか?」
「我ら武人種族に、敵に頭を下げる意味をお解りか?」
「敗北を意味する。敗北は死あるのみ。」



「それに先ほどの兵器で我艦(ふね)を消滅させれば、イスカンダルの姫もまた消滅する。」
「勝機は我々にある!」

「前方の戦闘機よ。聞こえるか!」
「その兵器でヤマトを撃て。」
「イスカンダルの姫を殺すか、ヤマトを殺すか、好きな方を選べ!」
「地球時間で10秒やる。」そこまで告げるとニオは強制的に回線を切った。

「10。」

「9。」とカウントが削られてゆく。

「山本。ヤマトを撃て。」
古代が口を開く前に真田が無線を飛ばした。

「8。」

「7。」

「時間が無い!山本、躊躇うな!」
「ヤマトを撃て!!」


「……亜鶴希。スナイパーシステムを俺に切り替えろ。」

「3。」

「2。」

「1。」

「うぉぉぉぉぉーーーッ!!」山本はトリガーを引いた。

真一文字に閃光は走る。
着弾と同時にヤマトは消滅した。

「……。」
「ニオ戦隊長!ヤマト消滅!」

「アハッハッハッハッハッ!!」高笑いを見せ、残存した戦隊を前進、ヤマトがタイムワープした際に形成されたユークリッド空間ホール内へと消えた。



一分後、宇宙戦艦ヤマトは元の空間に、その姿を現した。
そう。ヤマトは再びゼロ空間ワープで山本機の撃ち放った反物質粒子レーザーを交わしていたのだ。

「山本機を収用、収用後、山本を艦長室へ上がらせろ。」
「最中実習生は自室にて待機させよ。」

「島。ヤマトもあのユークリッド空間ホールへ突入だ。」

「了解。」

無断で機を飛ばした山本は営倉へ別命あるまで入る事と成った。
古代は、その足で住ブロックまで降り、最中実習生の部屋を訪ね陳謝した。

「君や里都君には本当に済まないと思っている。」
「実習生である君たちを実戦、いや戦場にまで赴かせてしまった。」
「申し訳ない。」
「この空間から抜けたら地球から防衛艦を派遣させる。」
「君たち実習生はそこでヤマトを下艦、地球へ帰投して貰う。」
「今日は、このまま休んでよし。里都君も今、降ろす。二人でゆっくりしたまえ。」

「……あの。」
「あの。私は最後までヤマトが地球へ帰還するまで、ご一緒させて下さい。」
「艦内清掃でも救護の手伝いでも、何でもやります。」
「最後までヤマトが帰還するまで、ご一緒させて下さい。」

「駄目だ。」
「ヤマトが無事に帰還出来る保証は無い。」
「将来有る君たちを無事に地球へ帰投させるのも、自分の責務でもある。」



「……私、好きな人を、人の手助けをしたいです。」

古代は一瞬、返す言葉に詰まった。




「……………。」

「ヤマトはキツイぞ。」

「……はい。」

第一艦橋へ戻った進は再び艦長席に腰を下ろし、指揮を取った。

「総員。第二戦闘警戒。」
「機関、始動。」
「ユークリッド空間ホールへ突入せよ。」




第四話へ
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。