goo blog サービス終了のお知らせ 

鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇後編③

2020-05-30 23:03:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇後編③


「上條!ロケットアンカー射出!」 「ヤマトを固定する!」 「姿勢制御スラスター噴射!」 バベルの塔にロケットアンカーを撃ち込み、ヤマトは停止した。 同時にワルキューレたちの攻撃も止んだ。

「後部カタパルトは準備出来ているか?」

「射出準備完了してます!」

「上條。あとを頼んだぞ。」

「…了解。」上條からの返事を聞くと、古代は航海長席を立ち、第二格納庫へ向かった。

「たどり着いたか。」 「ならば、迎えてやるとするか。」空間映像を観ながら不適な笑みを浮かべるルシファー。

ヤマトを発艦した古代は、煉瓦造りの塔の一部がくり貫かれたような空間を見つけた。 何の躊躇いもなく古代は、その空間へと操縦桿を傾けた。 暗闇に蛍光グリーンに輝く誘導灯が進む方向を示す。 地上高10キロメートル以上もの超が付く程の建造物、塔内部もヤマトが仮に航行しても、余裕がある。 小型戦闘機であるコスモパルサーが、速度を落とす事なく飛行が可能だ。 だが、古代は出力を三分の二まで落として飛行した。 周りを目視での確認が出来ないからだ。 時間にして10分くらい飛行したところで、辺りはトンネルを抜けたように明るく、開けた場所に出た。

「あそこが終点か!?」

「人間よ。そこで降りろ。」 「大丈夫だ。殺しはしない。それと貴公らが暮らしていた大気と変わらん。」 古代は指示に従い、コスモパルサーを着陸させた。

「で、上條艦長代理は、どうしたいんだ。」相変わらずの口調で小林が口を開いた。

「…俺には……俺にはトランジッション波動砲は撃てない。」

「何だよ!それ。」 「まだ一時間、経ってないんだぜ!上條よ!」

「小林。そんなに突っ掛かるなよ。」 「上條だって辛い命令を聞き入れるしかなかった訳だから。」強い口調の小林に佐々木が助け船的に告げた。

「艦長代理。命令を出したらいいのかもよ。」

「命令?」

「そう。命令。」 「私たち、まだ上條艦長代理から、命令を聞いてないんだけど。」佐々木に続いて折原もまた、助け船的に告げた。

「じれってぇな。」 「俺たち、軍法会議もんは後免だかんな!」 「小林、佐々木、コスモパルサー隊出撃!」 「桜井は輸送船の操縦の経験があったな。航海長代行を!」 「折原は第一艦橋へ!メインレーダーを!ってよ!」 「艦長が中に入れたって事はだよ、俺たちコスモパルサー隊も突入出来んじゃないかって思うだろ!?」

「…よし。それで行こう!」

「…なら、自分もコスモパルサーに乗せてくれないか?」そばで聞いていたカティー軍曹が話に加わった。

「カティー軍曹。貴女、お腹に子供がいるのに無理は駄目よ。」

「折原一等宙尉(チーフ)。それなら大丈夫よ。それに…」 「それに彼の神楽坂の仇を取りたいんだ!」

「ならさぁ、あたしの後ろに乗りなよ。」 「雷撃機なら、副座だかさ。」 「機銃くらいは撃てるでしょ!?」

「おっ!美晴。頭、良いじゃん!」

「か、艦長代理として命令をくだす。」 「小林、佐々木のコスモパルサー隊は発艦準備!尚、カティー軍曹は佐々木機に同乗せよ。」 「桜井二等宙慰は航海長代行を!」 「折原一等宙慰はメインレーダーを!」 「以上だ。解散!」こうして、上條の指揮の下、新たな作戦を開始する事と成った。

「人間よ。」 「それほどまでに、あの媒体を返して欲しいのか?」

「雪!」古代の見上げる先にはクリスタルカプセル内の雪の姿が見える。

「人間よ。では、こうしよう。」 「あのカプセルの媒体を返してやるが、その代わりに、此方を頂く。」 ルシファーが、指差した方には後ろ手に拘束された美雪が見える。

「…お父さん……。」

「貴様…。」

「動くな!」

「人間よ。我が友、ベリアルだ。」 「友であるが、我は召還し、ベリアルを呼び出した。」 「代償は生け贄を捧げなければならない。」 「そこでだ。貴公に選択する機会を与える。」 「クリスタルカプセルの媒体を選ぶか。あの娘を選ぶか。はたまた子を宿事の可能な生け贄と成る者を差し出すか。」 「三択だ。選べ。」

「………。」

「どうした?選べぬか?」

【ベリアル】

聖書にも登場している高名な悪魔であるベリアルは、悪魔学においても重要視され、多くのグリモワールにおいて名を挙げられている。

『ゴエティア』によると、序列68番の強大にして強力な王であり、80軍団を率いている。 ルシファーに次いで創造された天使であり、天上にあってはミカエルよりも尊き位階にあったと自ら語るという。 また、ベレト、アスモダイ、ガープと並んで72人の悪魔達を率いていたとされる。 燃え上がる戦車に乗り、美しい天使の姿で現れる。 地位や敵味方からの助力をもたらし、また、優れた使い魔を与えてくれるとされる。 しかし、ベリアルは召喚者が生贄を捧げないと要求に対して真実を答えようとしないという。

コルンは、娘、夕貴に憑依したサーベラーを足払いで床に押し倒すと、腕に内臓された電流蓄積器をスタンガンモードに切り替え、指先からパルス状の電流を放電、サーベラーを気絶させた。

「これでヨシ。」 「佐々木サン。聴こえて?」 「アナタの医療室ヲお借りしたい。」

「いいわよ。出撃だから。」

「アリガトウ。」 礼を告げたコルンは憑依したサーベラーを抱え上げ、医療室へ運んだ。

「コスモパルサー全機、発艦準備完了!」 「繰り返す。コスモパルサー全機、発艦準備完了!搭乗員は速やかに搭乗せよ!」 管制クルーからアナウンスが入る。 小林、佐々木らをはじめとする搭乗員が一斉に動きだした。

「小林。一つ確認。」 「塔に侵入したら、上?それとも下?」

「決まってんだろ!下だよ!」 「スリル満点!急降下ジェットコースターだよ!」

「了解。」 「だってさ。」 「残るなら今のうちだよ。」

「大丈夫。乗せて行って。」

「解った。銃座、頼んだよ。」

「ラジャー!」佐々木とカティーは拳を「コツン。」と当てた。



後編④へつづく。

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。 既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。 使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。 一部、私の設定及び解釈が混ざっています。


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇後編②

2020-05-30 22:31:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇後編②


「どうだ?解ったであろう!?」

「で、抵抗を止めた我々はどうなる?」

「いい質問だ。」

古代の問いかけに応えたのは、ワルキューレたちとは異なる声の持ち主だった。

声の主は、白銀の翼を12枚も背中から生やた見る者によっては美少年、青年、美少女のような人型の生物であった。

「我が名はルシファー。」 「ある者は大天使長と呼び、またある者は悪魔王と呼ぶ。」

「この地はコキュートスの丘。別名:嘆きの丘とも呼ばれている地。」 「貴公らも、この丘に眠りたくはないであろう?」

誰もが口を噤(つぐ)む中、「お母さんを返して!!」と叫ぶ美雪。

「ほう。貴公の母であったか。」 「だが、それは出来ぬ。先約があるのでな。」第一艦橋を覗き込むルシファーは、美雪をマジマジと見詰めながら告げた。

「…先約、先約って何よ!」目を吊り上げ、少し声を大きく美雪は、聞き返した。

「この変体用の身体とは違い、あれだけ美しい身体は中々の希少品。」

「希少品って…お母さんは物じゃない!」 「それだけの力が有るなら、お母さんに似せたものを造ればいいでしょ!」

「アハハハハハ。」 「ほら、やはり"もの"ではないか。」 「まぁ。よい。」 「サーベラーよ。今こそ、契約をたそう。 「この娘を黙らせよ。」

ルシファーの眼が光ると、美雪の斜め前の航海長席に座る天城一佐の様子が、変化した。 ワラワラと全身を震わせ、頭を上に向けると着用している制服を破りはじめた。

「夕貴サン!?」 「天城一佐?」

駆け寄る古代艦長を払いのけ、隣に居たコルンを突き倒した。

「お父さん!」 「艦長!」 美雪と上條が駆け寄った。

「……ううっ。」片目を瞑(つむ)り、腰に手をあてがい古代は上條の肩を借り、立ち上がった。 ワラワラと震え、裸体をさらけ出した天城一佐の周りには蒼白いプラズマ波が、漂っていた。 幾つもの天城一佐とサーベラーの身体が重なりあう。

「我は"白銀の巫女"シファル・サーベラー!」 「ガトランティス最高指導者である!」 「我らガトランティスの復活、契約は果たされた!」

「地球人よ。跪け!」

「…サーベラー!いえ、夕貴の身体を媒体にした偽りのサーベラー!」 「身体だけは復活したけど、全ての能力を復活させた訳ではなさそうね?」 「違うかしら?」

「古代サン。このサーベラーはワタシが相手をします!」 「見た目はガトランティス人に成ってしまったが、元はワタシの娘、夕貴です。」

「…天城一佐が、コルンさんの娘?」

「そうです。詳しい説明はあとで致しましょう!」 「ワタシがサーベラーを押さえ付けて要る間(あいだ)に、古代サンはヤマトの操縦を!」 その時であった後部カタパルト管制室から「コスモゼロtype21」発艦のアナウンスが飛び込んだ。

「何!?」 「誰が乗っている?」

「えっ!?」 「発艦許可は出てないのですか?」 「美雪さんは、艦長からの命令だと。」艦尾カタパルトカタパルト管制クルーは、驚きながら返答した。

「解った。」 「美雪の奴…いつの間に…。」

「ヤマト緊急発進!」 「徳川!両舷全速!」

進の許可も得ないまま、母親である雪を助けたい一心でヤマトを飛び出した娘、美雪を追う古代。

「ルシファー様!ヤマトが、人間が我らの要請を無視、バベルの塔へと向かっています!」

「何ッ!?」 「バカな奴らだ!始末せよ!」

「仰せの通りに!」

「この媒体を失う訳にはゆかんのだ。」

雪は透明なクリスタルカプセルの中に保管されていた。 保管されているクリスタルカプセルの中には羊水が満たされている。 言わゆる子宮の中に雪は居る事と同じなのだ。 生きてゆくのに必要な本能で解るのだろう。眠り続ける雪ではあるが、酸素も栄養素も、カプセル内の羊水から補給しているのだ。

そして、古代が目指すバベルの塔は、あの砂丘を地上と考えるなら、10キロメートル以上もの円柱形をした超高層建造物、その最上階に雪を保管しているクリスタルカプセルはある。

そのバベルの塔から、およそ地球から月までの距離の10倍、3.844.000kmにカスケードブラックホールによって呑み込まれた太陽系の惑星が、塔を囲うように並んでいる。 太陽・水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・第十番惑星・第十一番惑星と並んでいる。 冥王星だけが、その列には存在しない。 塔の真上に存在している。 その遥か上空の空間には、これまでカスケードブラックホールによって呑み込まれた惑星や衛星が、ところ狭しと並んでいる。 まるでゴミ山のように_。

おそらく、資源を取りつくし、捨てられたのだろう。 その上空に、この次元の空間の太陽なのだろ、珍しい動きを見せていた。 西から東へと向かって移動しているのだ。 その太陽から塔の真上に設置された冥王星を介して、エネルギーを吸収しているようだ。

操縦桿を握る古代の頭の中に「ふと。」過るメッツラーの言葉。

「メッツラーを媒体とし、再び浮かび上がる異次元の思考ホログラム。 自分が異なる次元の民であること、その次元には資源が少ないため生きる糧を他の次元に求めていたこと、そしてカスケードブラックホールの正体が他次元から資源となる星々を奪い取るための巨大な次元転移装置であると。」

「何処に…何処に一体……。」そう思いながら古代は、塔の上空を見上げた。 何かに気がついた古代は、命令を下した。

「上條。ロケットアンカー射出よーい!」

「ロケットアンカー射出用意よし!」

「うむ。」

「小林航空隊隊長。悪いが君の予備機を使用する。」 「後部カタパルトへ、射出準備!」

「上條。君にヤマトを預ける。」 「もし、俺が一時間以内に帰投しない時は、トランジッション波動砲をあのバベルの塔に撃ち込め!」

「…自分も同行します!」

「駄目だ!船務長不在で階級が最上級なのは、上條、お前だ。」 「まだ銀河系が健在な内に、次に繋ぐ為にも、トランジッション波動砲を発射させた後、アマール星へゆけ!」 「イリヤ女王なら必ず、力を貸してくれるはずだ!」

上條は瞳を閉じ、肩を震わせた_。

「ワルキューレ六体、急接近!!」 「ヤマトを包囲してきます!」 古代と上條のやり取りの中、慌ただしく折原が告げて来る。

「上條!波動爆雷で弾幕を張りつつ、波動フィールド展開だ!」 「バリアミサイル発射ッ!!」

「ワルキューレ発砲!!」 「波動フィールドが…波動フィールドが中和されて行きます!」

「艦長!ワルキューレの放つエネルギー光弾の成分が判明!」 「半物質エネルギーです!」 「波動エネルギーは中和されます!」

「くっ!」 「構わん!上條。撃ち捲れ!」 「あと少しで塔だ!奴らにとって大切な塔だ!たどり着けば奴らもバカスカ撃ち込めんだろう!」

「了解!」

「……艦長!あれを!」

古代らが目指すバベルの塔の最上階近辺に浮遊するコスモゼロtype21。 どう見ても、無人のようだった。

後編③へつづく。

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。 既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。 使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。 一部、私の設定及び解釈が混ざっています。


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇後編

2020-05-30 21:58:26 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇後編

航海図、航路レーダー、メインレーダーでは、その場所が境界部である事を示しているが、これが門だと目視では解らなかった。 だが、メインスクリーンには、門(ゲート)を潜っていると解る映像が映り出されている。 目の細かい砂、砂丘と言う表現が相応しいだろう。 その砂丘が永遠に続く。 何れくらいの距離を移動したのだろうか、ヤマトからはまだまだ、かなりの距離ではあるが、レーダーには人工構造物を捉えていた。 かなり高層の構造物のようだ。 艦橋のクルーは眼下に拡がる砂丘もしかりなのだが、人工構造物の高さは既に地上から10キロメートルを超えて表示されていた。

「艦長。まだまだ、表示が止まりません。」メインレーダーを覗く折原が告げた。

「うむ。折原。中央電算室で解析を頼む。」

「了解。」

折原が電算室に降りて、直ぐにコルンが新たな反応を示した。



「…ン!?」 「Unknown.target!」

「夕貴サン!気をつけて!」 「前方からUnknown.targetデス!」 「複数接近して来ます!」

「メインレーダーに反応は?」折原から引き継いだ桜井に天城が尋ねた。

「メインレーダーには何も…あっ!?ちょっと待って下さい!今、反応有り!」 「Unknown.targetは6つ!!」

「……!?人(ひと)、人間…!?」再び桜井が告げて来る。

「…いや、羽の生えた人間なんて居るかよ!」

「上條一佐。あれはヴァルキリーだ!」

「ヴァルキリー!?」

「そうだ。ヴァルキリーだ別名ワルキューレ!」 「あれは人間なんかじゃない!」 「完全に我々はヤマトは、敵と見なされたってわけよ!」そう言ったのは操縦稈を握る天城だった。

「天城一佐は詳しいんですね。」

「……お父さん!」そんなやり取りの中、美雪が第一艦橋に姿を現した。

「美雪。お前…。」 艦長であり、父親でもある進は一瞬、言葉に困った。

美雪は母親である雪、古代雪(森雪)が、かつて着用していた黄色をベースに黒の矢印を施した旧ヤマトの艦内服を纏い、現れたからだ。

「美雪。それは…」

「そうよ。お母さんが着ていた艦内服よ。」

「どういうつもりだ。」

「どういうつもりも何もないわ。」 「私も古代進と森雪の娘ですもの、いっしょに、いっしょに戦うわ!」 「それに今、お母さんの声が聞こえたの!」 「お母さんは、あの石の煉瓦で造られた塔に居るわ!」

「…お母さんの雪の声が聞こえたって……お前…。」

「古代艦長。お嬢さんも16歳でしょ!?」 「16歳なら宇宙防御隊高等工科学校に入校出来る歳です。」 「即ち、立派な指揮官を目指すに相応し歳です。」 「協力して貰いましょう。」

「…しかし美雪は正規の学生では…」

「古代艦長!今、そんな事を言っている場合ではありません!」 「眼前にはワルキューレが迫ってます!」 「それにお嬢さんは、お母様の声を感じた。そしてそのお母様は、あの塔に居ると!」 「私が美雪さんを守ります!許可を!」

「…緊急時に付き、特別に許可を出す。」 「美雪は、天城一佐補助を。」 「佐々木艦医には話を通しておく。」 「配置に付け。」

天城は、美雪にウインクを飛ばすと拳を「コツン。」と当て、ハイタッチした。

「二人にヤられた。」と苦笑いの表情を浮かべる古代。

古代は気を取り直して命令を下した。

「全艦に通達!」 「第一級戦闘配置!」 「飛来する物体は人型兵器である!」 「躊躇(ためらう)な!以上だ!」

ワルキューレ(ドイツ語: Walküre)またはヴァルキュリャ(古ノルド語: valkyrja、「戦死者を選ぶもの」の意)は、北欧神話において、戦場で生きる者と死ぬ者を定める女性、およびその軍団のことである。 戦場で死んだ者の半分をオージンの治める死者の館ヴァルホルに連れて行く役割を担う。 ヴァルホルでは、死んだ戦士たちは終末戦争ラグナロクに備える兵士エインヘリャルとなるが、ヴァルキュリャは彼らに蜜酒を与える給仕ともなる。 また、ヴァルキュリャは英雄をはじめとする人間たちの恋人としても登場し、そのような場合は王族の娘として描かれることもある。 ワタリガラスを伴って描かれたり、また白鳥や馬と結び付けられることもある。

ヴァルキュリャは、13世紀に書かれた『スノッリのエッダ(散文のエッダ)』『古エッダ(詩のエッダ)』『ヘイムスクリングラ』『ニャールのサガ』などに記述が見られる。 スカルド詩や14世紀の呪文、ルーン碑文などにも登場する。 また考古学的には、ヴァルキュリャを描いたと考えられている魔除けなどが出土している。

北欧神話に登場するノルンやディースといった存在は、いずれもヴァルキュリャと同様に運命を司る超自然的存在であり、その関係性についても解釈がなされている。

「上條。戦闘指揮を任す。」

「了解!」

「全主砲はハイパーショックカノンよーい!」 「波動エネルギー注入機作動!」 「波動エネルギー12パーセントをキープ、連射に備えよ!」 「波動エネルギー12パーセント注入開始!」

「天城船務長!右舵いっぱい!!」

「右舵いっぱいヨーソロ!」 「右舷側、姿勢制御スラスター噴射!!」 「対ショック体制完了!」

「主砲!ハイパーショックカノン、前衛の三体に其々、合わせ!てぃーーーッ!!」

各砲身から発射された波動エネルギーを混合させたハイパーショックカノンのエネルギー光弾は、其々が螺旋を描(えが)くように捻れ、三つのエネルギー光弾が更に一つに纏まり、プラズマ波をなびかせ、再び螺旋を描(えが)き捻れながら目標物体、目掛け突き進む。

「$/#℃㎜¢&@#@@$!!(波動エネルギーを検知!!)」 「$#℃¥:℃::#/$_!!(半物質フィールド!!)」

ワルキューレたちの周りに突如、浮かび上がるプラズマ波の渦。

ハイパーショックカノンのエネルギー光弾、其々が前衛に陣を敷くワルキューレたちに直撃した。 凄まじい青白く輝くプラズマ波をなびかせた波動エネルギー光弾と、張り巡らされた半物質プラズマ波が、ぶつかり合う。

想像を遥かに超えた衝撃波がヤマトを襲う。 「グワン!」とヤマトが押されてゆく。 噴射した姿勢制御スラスターの噴射を最大値にあげるも、ヤマトは、顎を突き上げられたボクサーのように倒されてゆく。 あと5度も傾けば、艦底部を晒すほどであった。

「くっ…。」 「ハイパーショックカノンの威力の余波か?」戦闘指揮を取る上條は呟くように口を開いた。

「桜井!人型は?」艦長古代が、あとを追いかけるように尋ねた。

「…直撃までは確認出来てますが、…あと2秒待って下さい!」 「レーダー回復!……前衛の人型…健在っ!」

その報告に青ざめる上條。 そんな上條を嘲笑うかのように、ヤマトの通信と映像回線は、強制介入された。

「地球人よ。抵抗は止めておけ。」 「我れは死者を連れ去る者。ワルキューレ。」 「抵抗すれば、するほど貴様らの仲間が連れ去られるぞ。」 「眼下をよく観てみろ!」

言われるがままに古代をはじめ、ヤマトのクルーたちは、目を凝らし、食い入るように眼下を覗き込んだ。 白い砂、砂丘に見えたものは頭蓋骨だった。 後退りする者、気を失う者、唖然とし言葉を失う者、中には失禁してしまう者までが大半を占めていた。


後編②へつづく。

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。 既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。 使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。 一部、私の設定及び解釈が混ざっています。


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇前編⑦

2020-05-30 01:17:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇

前編⑦


「…そう焦るな。契約も、あと一つ残っている。」

「手足としては、まだ、使えるだろうからな。」 「それに、我らを封じたアクエリアスの女神は、その力も衰えた。」 「我らが完全復活するには、人間の力がまだ必要な時、我が親愛なるガブリエルよ。あと少し、機が熟すのを待て。」

「仰せのままに。」

「船外作業班より艦橋へ。」

「此方、艦橋。何か?」

「船外の修復作業を完了。入艦する。」 「エアロックの減圧をお願いする。」

「了解。エアロック室にて待機せよ。」

宇宙戦艦ヤマトは修復を終え、カティー・ヒロスエ軍曹の具申を聞き入れ、艦長古代は戦死者を弔う為、宇宙葬を行った。

・宇宙防御第二艦隊旗艦ブルーアース所属第一海兵隊群第六分隊隊長:神楽坂 彬曹長。(二階級特進により三等宙慰) ・同分隊隊員:濱田 勉軍曹(二階級特進により准慰) ・同分隊隊員:柳 将吾伍長(二階級特進により曹長) ・同分隊隊員:澤田 将一等宙士(二階級特進により軍曹) と続き、航空隊隊員、戦術科、航海科、機関科、本作戦に参加し、惜しくも命を落とされた戦死者57名は手厚く葬られた。

「捧げー砲!」 「黙祷。」艦長古代の号令に合わせ、選出されたクルーたちによる弔砲(ちょうほう)が行われた。

宇宙戦艦ヤマトは速度を上げた。 ヤマトの両舷を流れる星々は、流星群の天体ショーを思わせる。 この先の不安が頭の片隅に追いやられてゆく_。

修復を終え、再発進から一時間が過ぎ、ヤマトから見える景色が、代わりはじめた。

銀河系は太陽系を含む銀河の名称である。 地球から見えるその帯状の姿は天の川と呼ばれる。

1000億の恒星が含まれる棒渦巻銀河とされ、局部銀河群に属している。 通常の銀河と同様、銀河系も数多くの恒星や星間ガスなどの天体の集まりで、全質量は太陽の1兆2600億倍と見積もられている。 そのうち可視光などの電磁波を放出している質量の合計は5.1%以下の643億太陽質量で、質量の大部分は暗黒物質であると考えられている。 中心付近には比較的古い恒星からなる密度の高いバルジを持ち、それを取り巻くように若い恒星や星間物質からなる直径約8万-10万光年のディスク(銀河円盤)がある。 ディスク(銀河円盤)の厚さは中心部で約1万5000光年、周縁部で約1000光年で凸レンズ状の形状を持つ。 ディスク(銀河円盤)の中には明るい星や散開星団、散光星雲などが多く見られる渦状腕が存在する。

「想像していたより、明るく感じる空間ですね。」無言の艦橋内でいち早く口を開いたのは天城であった。

その天城の言葉に口を挟んで来た折原は、「カタカタ」とキーボードを叩き、立体化した映像をメインスクリーンに映し出した。 「ですが本来なら、この辺りに、いて座Aの中心部には超大質量ブラックホールが存在するのですが…」

「そのブラックホール自体が消えてしまった…。」

「…そうです。」

「すべては、あの門を潜れば解るという事だ。」

超大質量ブラックホール(英: Supermassive black hole)は、太陽の105倍から1010倍程度の質量を持つブラックホールのことである。 全てではないが、銀河系(天の川銀河)を含むほとんどの銀河の中心には、超大質量ブラックホールが存在すると考えられている。

超大質量ブラックホールには、比較的質量の小さいものと比べて際立った特徴がある。 (質量をシュヴァルツシルト半径内の体積で割って求めた)平均密度は低い可能性があり、実際に地球の大気よりも低密度かもしれない。 これは、シュヴァルツシルト半径は質量に比例するが、密度は半径の3乗(体積)に反比例するためである。 無回転ブラックホールの事象の地平面のような球体の体積は半径の3乗に比例するが、質量の増加は直線的であるため、体積は質量よりも急激に増加する。 そのため、ブラックホールの半径が大きくなると、密度は小さくなる。 ただし、この現象は数学的な定義からくるものであり、必ずしも実際の物理的な特徴として保証されるものではない。 また、これは単に事象の地平面の半径が非常に大きいことを表しているに過ぎず、したがって比較的低密度な広い領域を含みつつ中心はやはり非常に高密度でありうる。 事象の地平面近傍でも潮汐力は非常に弱い。 中心にある重力の特異点までの距離が遠いため、ブラックホールの中心に向かう宇宙飛行士がいるとすれば、かなり深く進むまで、スパゲッティ化されることはない。

宇宙物理学者 Steven H. Rainwater が率いるマックス・プランク地球外物理学研究所とカリフォルニア大学ロサンゼルス校のチームは、ヨーロッパ南天天文台とW・M・ケック天文台による観測データから、銀河系の中心にあるいて座A*が超大質量ブラックホールである証拠を突き止めた。 我々の銀河の中心にあるブラックホールは、約410万太陽質量にあたる、約8.154572 × 1036kgの質量を持ち、シュヴァルツシルト半径は0.08auになると計算した。

後編へ

つづく。

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。 既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。 使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。 一部、私の設定及び解釈が混ざっています。


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇⑥

2020-05-30 00:41:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇雪 生還編◇

前編⑥

天城は自室に戻るとドアが閉まるか閉まらないくらいのタイミングで、歩きながらチャイナドレス脱ぎ、ブラとガーターストッキング、ショーツも着替える次いでに脱ぎ、汗を拭うと全身を鏡に映した。 全裸の身体が映し出され、頭のてっぺんから足指の先まで、上から下、下から上へと一往復、眺めた。 「…う~ん。あとは作戦が終わってからじゃないと無理ね。」と、うなじに手をあてがい髪の毛を持ち上げながら呟いた。

同時に背後から何が近づく気配を感じていた。 「誰!?」天城は「パッ」と振り返ると素早く手刀の構えを取った。 目の前がカメラのフラッシュを炊いたような一瞬、眩しい光に包まれた。

「丁度良い媒体だな。」 「我が名は"白銀の巫女"シファル・サーベラー。」 「まだ、第二形体だがな。」

「……なっ!何が一体……?」 第二形体:白銀の巫女を名乗るシファル・サーベラーは天城の裸体に触れた。

「……うぐぐっ………。」天城は言葉に成らない言葉を発した。 前屈み気味で内腿(うちもも)に力を入れた。

「閉じるな!これは運命(さだめ)られた儀式。」 「我を受け入れる運命(さだめ)。」

「あん…うううううっ……。」

「あと少しの我慢だよ。ほ~ら、入った。」

天城の目の前は全裸を映す鏡が有るだけだった…。

「……あれ!?」天城は一瞬、寝ぼけていたのかと思うほど、鏡の前に立った時と何ら変わりなかった。

「…早く着替えを整えて戻らないと、コルンに叱られるな。」

そう呟きながらエアボディ・スーツを着た。

エアボディ・スーツは、2202年に女性パイロット用に新開発されたボディ・ストッキングのような全身にフィットしたボディスーツで、半透明からブラック系の色に手首に装着されたコントロールキーで変える事が可能で、また、体温に合わせ自動的にスーツ内を快適な温度に保つ機能やクッション材のような役割も備え、長時間の戦闘等に耐え得るなどが高く評価され、当初は艦内服として認められていたが、男性の目線が釘付け…と、その上に他の上着を羽織るように成った為、現在でも一応、艦内服と認められてはいるが、インナー扱いするクルーが殆どだ。

身支度を整えた天城は、第一艦橋へと戻った。

「……ガガ…ガ………ッーーー。」耳障りな音が、ヘルメットに内臓されたインカムから聞こえて来る。

真っ白な閃光が幾つも重なり合う。 眩しさに額に手の掌をあてがい、目を細め何が起きたのか確かめた澤田は、次の瞬間、柳伍長の乗車する多脚戦車が瞬時に青白い光と共に消えるのを見た。

「隊長ッ!柳伍長の戦車が…戦車が消滅したッ!」 「奴ら、ガトランティスは、ただの対戦車ミサイルランチャーなかんかじゃない!」 「あれは…あれはバスターグレネード弾だ!」 「19年前、木星ガニメデ基地が、空間騎兵隊が、壊滅させられた時に見た奴と同んなじだ!」

「かっ、囲まれた。」 「奴ら死を躊躇わない覚悟だ!」

「んな物んまで持ち出したって事は…」 「俺たちは……俺たちは罠にハメられた……。」 「カティー軍曹!聴こえるか!?」

「何んだい?」

「一度しか言わねぇから、よく聴けよ」 「カティー。俺たちが侵入したエアダクトを破壊しろ!」 「風穴、開けたら航空隊隊長さんに、ありったけの対艦ミサイルをぶっ放なせと伝え、お前はヤマトに帰投しろ。」

「隊長!?どうやって脱出すんの?」

「悪りぃ。腹ん中の子の父親(おやじ)に成れねぇ。」

「なっ!?何、言ってんのか解んない!」

「ガガ…ガ………。」

「…地球を………………。」

「……隊長!?神楽坂隊長!?」

「うわぁぁぁぁぁぁーーーッ!!」

「よ、よくも!対艦ミサイル発射管ハッチオープン!!」 「喰らいやがれぇーーーッ!!」

「航空の隊長さん……聴こえる?」 「ありったけの対艦ミサイルをここから撃ち込んで!!」

「カティー軍曹!?どうした?何があった?」

「隊長…隊長が死んだ……中の部隊は壊滅…した……。」 「神楽坂隊長の遺言なんだよ。」 「遺言なんだよォーーーッ!!」

「小林から各機へ!」 「ワスプが開けた穴から、ありったけの対艦ミサイルを撃ち込め!!」

内部から誘爆を招き、12キロメートルも有る超巨大戦艦ガトランティスは、腹腸(はらわた)を喰いちぎられるかのように、血反吐を吐き散らすように彼方、此方で爆発、輝かしい爆焔の花火を散らしていた。

「全機、ヤマトに帰投せよ!」 「カティー軍曹!帰投だ!」 「彼の、隊長の死を無駄にするな!!」

だが、そんな哀しみなど関係無いと言わんばかりに、超巨大戦艦ガトランティスは艦首部から後ろを切り離し、艦爆を繰り返す佐々木率いる雷撃機隊及び第二攻撃機隊に牙を向く。

「かっ艦長!」 「ガトランティス艦の艦首が……艦首が分離した!」 慌てふためく桜井が告げた。

「上條!ロケットアンカーを切り離せ!」 「砲雷撃戦よーい!!」

「主砲、一番、二番、撃ち方はじめッ!!」

ヤマトが撃ち放つショックカノンを何発も何発も、直撃を喰らう超巨大戦艦ガトランティスの分離した艦首部が、黒煙を撒き散らし、眼前にまで迫っていた。

「地球人よ!銀河に散らばる我が同胞ガトランティスの民よ!よく聞け!」 「我がガトランティスは必ず、復活を成し遂げる!!」 「サーベラー閣下が我を残党を導く!」 「サーベラー閣下は必ず復活を成し遂げ、導いてくれる!」宇宙空間に響き渡るガトランティス艦に残る残兵の声は、宇宙戦艦ヤマトにも届いていた。

「…ぶ、ぶつかる!」震える声の桜井が言った。 だが、迫るガトランティス艦首部とヤマト第三艦橋は、紙一重の距離を残し交わした。

「ふ~う。間に合ったようね。」神業的な操艦をやってのけた天城一佐の姿があった。

「コルン。ごめんなさい。ちょっと遅く成ったわね。」

「次はお仕置きですからネ。」

「はい。はい。」

「はい。は一回デ。」

「はい。はい。」

「言った矢先ら…お仕置きネ。」 「バチッ!」

「痛ッ!」 「ごめんなさい。」

「ガトランティス艦艦首部、消滅を確認。」ポカンとする桜井に代わり、折原が報告した。

「うむ。」

「機関長。補助エンジン出力、三分の一。」

「天城一佐。進路をあの光点=次元の門へ。」 「全艦に通達。各部署は整備及びダメージコントロールを急げ。」

「了解。」

「ルシファー様。どうやら"人間"が、この次元の境目まで、たどり着いたようです。」 「いかがなさいますか?」

「うむ。今しばらく放っておけ。」

「では番犬の役にも、たたないかったガトランティスを名乗る人間らは、いかが致しましょう?」 「死滅、致しますか?」

前編⑦へ

つづく。

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。 既存のメカ設定及びキャラクター設定は基本的に、そのまま引用しています。 使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より、引用した画像でイメージです。 一部、私の設定及び解釈が混ざっています。