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鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第三章・第四話

2021-11-07 15:23:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝
進たちの行く手に突如現れた"スターシャ"を名乗る投影されたと思われる女性象は、次第に遠ざかり、進たちの前から消えた。
それは、この投影を追って来いと云わんばかりに思えた。
ゆっくりと歩みを進める進たち。
この出来事も全てアナライザーを通し、ヤマトにも映像も音声も、送信されていた。
当然、第一艦橋内でも、どよめきは起こっていたが、北野をサポートする真田が冷静に対処していた。

「なぁに。心配は要らない。」
「艦長を信じたからこそ、自分たちはヤマトを預かったのだろ?」
「古代進をそして、動向したクルーを信じんでどうする?」
「こうして、映像も音声も拾えている。心配は要らない。」
「自分たちはサポートに徹するだけだ。」
真田の言葉に落ち着きを取り戻すクルーたち。

ゆっくりと歩みを進める進は、歩みを止めた。
ぼんやりと闇の中に一つの人影のようなものが、薄明かりに照らし出された。
先ほど投影された女性のようだった。

「よく参られたヤマトの諸君。」
「わたしはイスカンダルのスターシャ。」
「貴方が方が来るの解っていました。」

「ならば話は早い。」進はスターシャを名乗る女性の話を遮るように口を開いた。

「貴女が"スターシャ"なら何故に娘であるサーシアを拐うような真似をしたのです?」
「それも、ディンギルという星間国家を使ってまで。」

「それは彼らディンギルと契約したからです。」

「契約?」

「そう。契約です。」
「サーシアの身体はわたくしが。サーシアの波動の力を秘めた魂はディンギルが。」
「双方が欲しいものを手に入れる為です。」
「生憎、わたくしは、この惑星から出る事が今は叶いません。」
「彼らディンギルと偶然、出会い、彼らの話を聞き、協力をする事にしたのです。」
スターシャを名乗る女性の話は続いた。

わたくしの惑星(ほし)は今はまだ、原始恒星。
そう。あと数億年は銀河と成る事も、この次元の宇宙に成る事も出来ません。
まだ、その準備の時期なのです。
ですが、偶然にも立ち寄ったディンギル人の科学力とわたくしの本来の力を融合させれば、数億年も待たずに、それが可能なのです。
先ほど申し上げた通り、わたくしはサーシアの身体を手に入れ、自由に動けるように復活すれば、この次元はわたくしが支配する事が出来るので。
ディンギルもまた、彼らの願いが叶うのです。

「本来の力?」
「貴女は地球を救う事が出来るだけのいや、我々の暮らす宇宙をも、救済する力を有しているでは有りませんか。」
「貴女が本物のスターシアなら!」

・・・

「……ぐちゃぐちゃと、わたくしを否定する愚かな人間。」
「少し、躾が必要ね。」と"スターシャ"を名乗る女性は指を「パチり。」と鳴らした。
女性を庇うように三体の人影が浮かんだ。








「機械の鎧を着た人間よ。」
「我らがお相手スル。」
「自らが我らの女王メッツァーラ様に跪くまで躾ける。

「椎名。チャージは終わってるな?」

「何時で射てます。」

「うむ。」
「最中君はアナライザーと、その岩影に。アナライザーを守ってくれ。」

「了解。」最中は返事はしたものの、「私、射撃得意なんだけど……。」と呟いた

一方、進が指揮を取るヤマトの捜索に出港した古代守が、艦長に就任したセミオート艦ダーク・シャドウはニオ率いる残存戦隊に行く手を阻まれていた。

「艦長!前方、120.000キロ地点に未確認艦艇を数隻捕捉!」
「すべて未知数ですが、武装を確認!」

「うむ。」
「全艦、戦闘配置!」

「了解!」
「射撃レーダー同調!戦闘A.I作動!」
「全方位防御A.I作動!各種レーダー同調!」

「艦長。戦闘準備整いました。」

「うむ。」
流石にセミオート化された艦(ふね)だけの事はあるが………と思う守であった。






【椎名 晶】 コスモタイガー隊の女性パイロット。坂本茂と同期。 冷静沈着な性格で、お調子者な彼の突っ込み役でもある。訓練学校では北野と同じように複数の学科を受けており、非常に多才。 元々はレーダー士を志望していたが、パトロール艦「うずしお」に勤務していた際に白色彗星帝国の襲撃からヤマトのコスモタイガー隊に助けられ、それがきっかけでパイロットに転属したという過去を持つ。


第四章
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第三章・第三話

2021-11-03 22:01:20 | 宇宙戦艦ヤマト外伝
降下する上陸用舟艇コスモ・サラマンダーから眼下を覗いた進は、大地に巨大な裂け目を確認した。
操縦桿を切り、裂け目に突入した。
降下しはじめた頃からアナライザーによるこの惑星の解析などが行われ、ヤマトに残った真田に逐一、データとして送られていた。

「イマノトコロ ワカッタコトハ、ジュウリョクホウカイガ、スデニ ハジマッテイルトイウコトデス。」
「アト スウオクネンモサキデスガ。」

「数億年も先か。」
「数億年後にビッグバンか。新たな宇宙!?と云うか銀河の誕生か。」
「神秘的な話だが今は、そんなロマンを楽しむ時ではない。」
「一刻も早くサーシアを助け出さなくてはならん。」
「アナライザー。サーシアの痕跡は無いか?」

「……スコシマエニ、コノダイチノサケメヲ、ツウカシタ コンセキガ、ケンチデキマシタ。」
「コノオクカラノ ハンノウガツヨクナッテイマス。」

「出かしたぞ!アナライザー!」

「デスガ。キヲツケテクダサイ。」
「トテツモナク ……?」
「ジャキヲカンジマス。」

「邪気?をか?」

「ハイ。ウマク セツメイガデキマセン。」

「……これ以上は路が狭く、サラマンダーでは進めないな。」
「此処からは徒歩で行く。」
「全員、外骨格(パワード)スーツを着用せよ。」
進は見張り、先ずは椎名と最中からカーゴ部に移動し、着用をはじめた。
艦内スーツを脱ぎ、神経伝達をよりタイムラグが生じ憎くする全身タイツのようなインナースーツに着替え、それから外骨格スーツを着る(装着)する形だ。
インナースーツ内には筋肉の動きを伝えるジェル状のローション=液体電気信号変換材が塗られている。

イメージとして

後に、改良が加えられ、パイロットのインナースーツとして、採用された。


乗り込んだイメージ
※士郎正宗氏イラストより引用。


【地球防衛軍外骨格スーツ=コスモ・ガーディアン】

「……椎名、コスモガンを射てるようにチャージしておけ。」
「最中君は自分の後ろに付け。椎名はシンガリを。」

「了解。」

全員が装着を終え、歩きはじめた時だった真田から新たな解析結果が飛び込んだ。
プラズマ宇宙論だ。

「プラズマ宇宙論(英語: Plasma Cosmology)とは、宇宙論の一種で、宇宙的スケールの現象は重力だけではなく、宇宙の全バリオン物質の99.9%を占める電気伝導性の気体プラズマの運動に起因する、巨大な電流と強力な磁場の影響を大きく受けているとし、その電磁気力と重力の相互作用によって、壮大な現象によって、この惑星は誕生した可能性が高いとの事だった。」

「これを観てくれ。これは黙視では解らなかったが、コスモセンサーが捉えたものを可視化した、この惑星の表面映像なんだが、光速の半分という非常に速い速度で高エネルギープラズマの風(パルサー風)を吹き出している。」



「その原因は中央にある中性子星で、極めて大きな磁場を帯び1秒間で数万回の超高速回転する中性子星は、宇宙の巨大な単極発電機でもある。」

「………ていう事は、真田さん。自分たちが降り立った惑星(ほし)の中心部には更に中性子星が、存在する盧ですか?」

「ああ。そういう事になる。理解しにくいのだが。」

進は真田の説明を更にきいた。

「宇宙の銀河団。SDSSなどの研究から銀河は大規模構造体を形成している事がわかっている。その大規模構造は、銀河団の巨大な壁グレートウォール (The Great Wall)と銀河がほとんど存在しない 超空洞ボイド (void)が複雑に入り組んだ構造で、その形はプラズマ現象でよく見られるフィラメント構造をしている。」 「非常に複雑な形態を見せる惑星状星雲は太陽程度の質量を持つ恒星の最期の姿で、複雑な形態は重力ではなく磁場が大きな役割を果たしていることを示している。惑星状星雲もプラズマで形成されており、そこには特徴的なフィラメント構造が多く見られ、これはプラズマの自己組織化によって生み出される形であり、その内部にはビルケランド電流と呼ばれる電流が流れている。」

「我々を照らし出す太陽も同様に巨大なプラズマの塊だ。 太陽から放出される高速のプラズマは惑星空間を通り抜けて地球に達し、オーロラ、北極光、磁気嵐、電波障害などを引き起こす。 一般に真空と言われる宇宙空間だが、このようなプラズマに満ち、プラズマ・ダイナミクスが支配する空間であり、常に休みなく変化を見せている。 惑星、太陽系、銀河系、星間ガス、星雲、銀河団、彗星などなど、宇宙にあるすべての物質はプラズマの影響を受けている。その豊富にあるプラズマが宇宙の広い範囲にわたって重要な役割を果たしている。」

「つまりプラズマは一つの場所にとどまるということはしない。常に反発や引き合い、衝突などを繰り返し変化し続けている。それが積み重なり大きなスケールの変化が起き始め大規模な構造を作り出すと考えられている。その大規模構造はビッグバン理論が重視する重力ではなくプラズマの中を流れる電気と、それが創りだす磁場によって形成される。このことは現在、ビッグバン宇宙論では説明の難しいグレートウォール (The Great Wall)などの大規模構造を解明する糸口になる可能性があるのだが………。」 「プラズマの長さが1万光年から10万光年にも達するほど集まった場合、その中を巨大な電気が流れ出し、それが非常に大きな磁場を発生させる。次に電気と磁場の相互作用によってプラズマの形はさまざまな変化を見せる。隣接したプラズマのガスの柱どうしは引き付け合い、絡み合うことにより複雑な構造を作り出す事が解った。」という事だった。

真田の説明が終わりを迎える頃、事態は急変した。



「わたしはイスカンダルのスターシャ。」

突如、現れた女性と思われる巨大な空間投影。
かつてイスカンダルへ赴いた航海で、幾度となく宇宙空間に現れたスターシアの象と同じ手法なのだろう。
だが、その投影された女性の言葉に、驚きの余り、我々は言葉を失っていた・・・


第三章
第四話へ
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第三章・第二話

2021-11-03 21:36:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝


ユークリッド空間ホールを抜けた宇宙戦艦ヤマトの眼前には、見たこともない銀河が拡がっていた。



「おい。古代……。」
「艦長。」
「何だか予想を遥かに超えた別世界の銀河に来たようだぞ。」

「……まて。島。」
「今、アナライザーと計算したところ、あれは銀河ではない。」
「あれは一つの惑星だ。」

「……。一つの惑星だって?」
「凡そ10万光年も幅が有り、中心部に大質量のブラックホールが存在する惑星などあり得ない。」
島の意見はもっともだった。
だが、真田はこう説明した。

島。我々の暮らす太陽系が存在する天の川銀河にも、これ程ではないが存在する。



【直径1.2億km】土星の200倍という超巨大リングを構えている系外惑星。
ケンタウルス座の方向へ約430光年離れた場所に存在している系外惑星の"J1407b"。この星には土星のような環が30個以上あり、全体の直径は約1億2000万kmにも及ぶ。

「……それなら聞いた事がある。」

「そして、あの惑星はボソン体惑星と考えられる。」

ボソン体惑星はボソン星 (Boson star) とも呼ばれている。 ボース粒子から構成される仮説上の天体である(伝統的な恒星はフェルミ粒子から構成されている)。このタイプの恒星が存在するには、小さな質量を持つ安定なボース粒子が存在する必要がある。 ボソン星はビッグバンの初期段階で重力崩壊によって形成されうると考えられている。少なくとも理論上では、非常に質量の大きいボソン星は銀河核領域に存在することができ、この仮定は活動銀河核で観測される様々な特徴を説明することができる。ボソン星は暗黒物質の候補にも挙げられている。 おそらくあの惑星は更に特殊なボソン星同士が互いの周りを回っている連星系からの重力放射によってであると考えられる。と説明した。
更に真田が付け加えようとした時だった、雪の代わりに入った里都が話に加わった。

「考えられる事は私たちは別次元の宇宙に来てしまったと推測出来ます。」
「あのボソン体惑星がビッグバンそのものだと考えられます。」

「おお。流石は里都君。」
「里都君は科学が得意だったな。俺が付け加えて説明しようとした内容そのものだ。」

「俺たちは別次元の宇宙の始まりの空間に来てしまった……でも、何故、そんな空間にサーシアが必要なんだ?」

「島。あの惑星の中心部に恒星が確認出来る。
「謎解きは、あの恒星にあると思う。」

「まさか!真田さん!」

「そう。そのまさかだ。」

「……いや、しかし、あの中心部には大質量のブラックホールが存在する。その中央にある恒星へ降りる事は不可能に近い。」

「あの恒星はまだ、原始恒星だ。上陸は可能だ。」
「外縁部から一気にワープすれば、ブラックホールに捕まる事はない。」

「よし。島。ヤマトを外縁部へ。」

「外縁部へ。ヨーソロ。」

超巨大な名も無き惑星ボソン体惑星の外縁部に到達したヤマトは、その中心部中央に存在する原始恒星へと、一気にワープした。
ヤマト第一艦橋のメインスクリーンに投影された原始恒星は、何処と無く天の川銀河に存在するバーナード星に似ていた。



「バーナード星に似ていますね。」
上空に到達と同時に里都が口を開いた。

「そう云われてみれば似ているな。」
真田は口には出さなかったが、「やはり。」と手応えを感じていた。

「艦長。早速、上陸班を編成しよう。」

「うむ。」
進は班を編成するにあたり、山本の謹慎を解いた。

「真田さん。アナライザーをお借りします。」
「北野。艦(ふね)を頼む。」
「島、真田さん。北野のサポートを頼みます。」
「上陸には自分と椎名、最中そしてアナライザーで降ります。」

「了解した。サポートは任せておけ。」こうして進は二名の部下とアナライザーを連れ、上陸用舟艇サラマンダーで原始恒星の大地に降り立った。





【上陸用舟艇:コスモ・サラマンダー】

全長17.3m全幅17.7m 積載過重量20t 武装 前方固定式単裝陽電子速射砲×2門

ヤマトに搭載された惑星降下用の艦載内火艇。 衛星軌道上の艦船から敵地である惑星に降下することを前提に設計されており、艇体には装甲が張られ、地上制圧のために艇首に固定式単裝陽電子速射砲2門を持つ。 艇尾に4基のエンジン。下部にキャタピラを装備し不整地の疾走が可能。装甲兵員輸送車に大気圏突入能力と飛行機能を付加したような仕様である。 人員や物資輸送の双方を効率よく行えるように、大きさの割にはカーゴルームは広く、内側の壁面にはロングシートの座席がある。乗降扉は艇正面にある。 艇内レイアウトはカーゴルームが前、操縦席が後部上方にあるという独特なもの。操縦室は4人乗りであり、パイロットは後部の専用扉から乗降する。カーゴルームと操縦室はつながっておりカーゴルームからの乗降も可能である。



第三章
第三話へ
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第三章・第一魔話

2021-11-03 12:21:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝
ニオ戦隊長率いるディンギル強攻戦隊を追いかけるように、ユークリッド空間ホール内へ突入した宇宙戦艦ヤマト。
何処まで続くのか解らない"トンネル"=ユークリッド空間ホール。
入り口が存在するする以上、出口も存在するはず。
そして何よりも、ヤマトか突入するよりも先にニオ率いるディンギル強攻戦隊が、何の躊躇いも無く、突入した事を考えれば、出口は存在すると考えられる。


イメージ曲
https://youtu.be/9mWyGlCuAEE

だが、そのヤマトは、待ち伏せを喰らっていた。

「……!?」
「艦長!ヤマト後方にワープアウトする物体、複数有り!!」

「うむ。」
「総員!第一級戦闘配置!!」
「急げ!」

雪の報告を筆頭にヤマト艦内は慌ただしく動きはじめる。

「北野。戦闘指揮を取れ!」

「了解!」

「ヤマト進行方向に小型物体多数!!」
「後方のワープアウトした物体はディンギルの戦闘艦と識別一致!!」
「ディンギル戦闘艦、発砲ッ!!」



「くっ!」
「目標、後方から迫るディンギル戦隊!」「両舷側8連装ミサイル発射!!」
「第三主砲及び第二副砲、撃ち方はじめッ!!」

雪の報告と北野の指揮が交互に飛び交った。

「続いて、第一、第二主砲、前方の小型戦闘機群へ撃ち方はじめッ!!」




額から流れる汗を拭う北野の表情に焦りが見えていた。

「……ヤマト直上に小型物体多数ワープアウト!!」
「ワープアウトと同時に発砲ッ!!」

「……なっ!?何ッ!!」
「両舷側パルスレーザー砲ならびに上部対空ミサイル、対空戦闘はじめッ!!」

だが、時既に遅しであった。
北野の指揮が飛ぶ前に艦橋から見て後部パルスレーザー砲群は、使い物にならない程に空爆にさらされ、また第一副砲搭は損傷が激しく、射撃不可と成った。

「くそっ!」
「メイン格納庫開け!」
「山本隊は椎名副隊長の指揮下に入れ!」
「コスモタイガー隊はスクランブル……。」

「駄目だ!!」

「何故です!艦長!戦闘機には戦闘機で!」

「北野。状況をよく見てみろ。」
「今、コスモタイガー隊を発艦させるのは自殺行為に等しい。」
「狙い撃ちされ、ヤマトは艦内から火だるまだ。」

北野は自身の握りしめた拳を震わせていた。

「北野。波動砲の発射体制を取れ。」

「……波動砲ですか?」

「復唱はどうした?」

「はっ、はい。」
「波動砲、発射準備!」

「発射体制が整ったら回頭180度で、後方の艦隊へ向け発射だ。」
「島。発射10秒後に姿勢制御を解除、波動砲発射の反動を利用して、このトンネルから抜ける。」

「了解!」

波動砲発射体制に入ったヤマトは使用可能な空間ミサイルと魚雷で、応戦を強いられた。

「波動エンジン内圧力上昇!」
「波動砲発射30秒前!」

「回頭180度ッ!!ヤマト反転!!」

「波動砲薬室内、エネルギー充填102パーセント!さらにエンジン圧力上昇!」
「波動砲への回路、開きます!」
「波動砲、セーフティーロック解除!」

「波動砲発射10秒前!」

機関長山崎と北野の指示と被弾報告、そしてダメージコントロールの指示が飛び交っていた。
そんな中、艦医である佐渡から緊急連絡が飛び込んだ。

「此方、住ブロック!の佐渡じゃ!」
「負傷者の手当てが間に合わん!応援をよこしてくれ!」
「さもなくば、負傷者をこれ以上出すな!」

「艦長の古代だ。先生、了解した。」

「波動砲発射5秒前………。」

「どうした北野?何故、カウント止めた?」

「雪。佐渡先生のサポートを。」
「里都君を第一艦橋へ。」

「了解!」

「…5.4.3.2.1.波動砲発射ーーーッ!!







「………姿勢制御解除!」

姿勢制御を解除したヤマトは「ぐわっ!」と押し戻されるように、徐々に速度を増しながら後ろ向きに加速してゆく。
横揺れに足元をふらつかせながら、雪は住ブロックへ、里都は第一艦橋へと向かった。
ヤマト後方から迫るニオの艦隊は波動砲の餌食となり、消滅。
ヤマト進行方向から襲撃したニオの戦闘機群もまた、流れるヤマトが吐き出す波動砲のブラズマ波の餌食と成った。
直上からワープアウトした戦闘機の一部のみが、被害を間逃れたのだが、ヤマトが発射した波動砲、波動エネルギーとユークリッド空間の磁場が干渉、ホール=トンネルの崩壊に巻き込まれ、消滅した。

宇宙戦艦ヤマトとクルーたちは活路を見い出だせたかに見えたのだが・・・


第三章
第二話へ
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。

-希望の女神スターシア-宇宙戦艦ヤマトストーリー第二章・第四話

2021-11-01 22:01:00 | 宇宙戦艦ヤマト外伝
再びディンギル戦隊を追跡するヤマトは、自身が形成したユークリッド空間ホール内へと進めた。
このトンネルも永久的に存在する空間トンネルではない。
一次的に造られたトンネルに過ぎず、何時消滅するか解らない。
また、未知成る空間で長さすら解っていない。
急ぎ足で通過する必要が有るもの、慎重に進む必要もある。
分析と解析はアナライザーを中心に真田、そして雪のサポートをやらせていた里都を得意分野である事から、サポートさせた。里都の穴埋めといっては何だが、雪のサポートには最中が交代した。

-オリオン座宙域・イスカンダル上空-

約8ヶ月以上も、鎮座するようにゆきかぜ改はイスカンダル星上空に待機している。

「おい!古代、大変だぞ!
ズレる眼鏡などお構い無しに慌てて駆けよる大山歳朗。

「何事だ。落ち着けよ歳朗。」
「この距離だ。そんなに大声出さなくても聞こえるよ。」
苦笑いを覗かせ守が返した。
「で、何がそんなに大変なんだ。」 

「ヤマトとサーシアが行方不明らしい!

「どういう事だ?」
「ヤマトとサーシアって?」
「改良型のシュヘラザードはどうした?」

それなんだが、弾痕が複数あり、もぬけの殻だったそうだ。
ヤマトとの定期交信が途絶え、ヤマト側の機械の故障も考えたが、あまりにも復旧した様子も伺えない事から、警備艇を派遣したところヤマトの姿は無く、近傍空間を漂流するシュヘラザードを発見。
船内を捜査したところ乗船者は不明で、船体には複数の弾痕が有ったそうだ。

ようやく落ち着きを取り戻した歳朗は「クイッ。」と眼鏡を直した。

「歳朗!ゆきかぜを借りるぞ!」

両耳に人差し指をあてがい、片目を瞑(つむ)る歳朗は「駄目だ。ゆきかぜは今は動かせない。」
「古代。落ち着け。」
「知っての通り、ゆきかぜは今、このマイクロブラックホールの重力波を安定させる大事なシステムだ。」

「そうだったな。取り乱してすまん。」


「そこでだ。古代、お前は地球の護衛艦に乗れる事に成った。」
「お前の事だ、船を貸せって成るだろうと思って、地球連邦政府に掛け合っておいた。」
「サーシアとヤマトの捜索に一人でも多くの人員を向かわせたいところだが、藤堂長官の一存では、そこまで大規模な捜索班は出せない。」
「議論している時間も勿体ない。」
「ならばとセミオートの護衛艦を一隻貸し出す事と成った訳よ。」
「俺は、このシステムの管理で離れる訳には行かんからな。」
「古代。お前一人ですまんが、捜索には出れるぞ。」
「間もなく、此処へ到着するだろう。」
「ああ。忘れてたよ。」
「セミオート艦だが、十数名の乗員を乗せて来るから、古代は艦長だ。」
その話に安堵の表情を守は見せた。

「総員に達する。」
「間もなくランデブーポイントである宙域に到達する。」
「改良型ゆきかぜであるが、現在、航行が不可の状態であるため、右舷に接岸させ、艦長を迎える。」
張り切った声で現在、艦(ふね)を預かる船務長の大村が伝えた。


【地球防衛軍第27無人艦隊指揮艦プリンツ・オイゲン級ダーク・シャドウ】
先の暗黒星団帝国の強襲時、大破したものの沈没を免れ、修復された後、コントロール艦として、セミオート化、指揮艦として生まれ変わった。
艦名のダーク・シャドウは「20世紀」の映画好きで、この艦(ふね)の修復に関わった技師が冗談で云った事がきっかけで、そのまま採用された。
意味には「バンパイア」の意味が含まれている。

全長:242m 全幅:45.8m 自重:54,900t

主機:波動エンジン

武装 拡散波動砲×1門 三連装陽電子衝撃砲×3基(9門) 両舷側ミサイル発射菅×10門 対空パルスレーザー砲塔×4基(司令塔および基部)

搭載:6機

大村耕作 27歳。
階級:中佐(船務長)。
今年の昇級試験で合格し、地球防衛軍第27無人艦隊へ所属、有人艦である指揮艦プリンツ・オイゲン級ダーク・シャドウの船務長を拝命。急遽、今回の捜索隊として、派遣された。
部下は現在、15名。(各科を含む)
※18年後、守の弟、進と共に再建された宇宙戦艦ヤマトに乗艦する事に成る。

突撃駆逐艦雪風改級大山式「ゆきかぜ・改」 武装46cmショックカノン 連装ヤマト型砲塔×3基 突撃戦闘用連射ミサイルランチャー×4門 長射程空間ミサイル魚雷四連装ランチャー×2基 外装式大型決戦ミサイル×2発


第三章へ
つづく。


この物語りは、プレイステーションシリーズ【宇宙戦艦ヤマト-二重銀河の崩壊-】の外伝的オリジナル二次創作外伝です。
挿し絵的画像はイメージです。