AとBがCの鍵を奪いあっていると、合鍵を持ったDが仲裁に入った。
「ここは俺に任せろ、大人の知恵ってものがあらぁな」
心ある野次馬は、往年の喜劇《ア・ポン太の鍵》を思いだす。
ポン太のアパートを、朝っぱらから若旦那ホリエモンが訪れたので、
フジ屋の大旦那ヒエモンがうろたえて、江戸中大騒ぎとなった。
おなじく妾宅をもつ大旦那たちは、こぞって若旦那を非難する。
若旦那は「ポン太は芸者として座敷に出てるじゃないか、メカケなら
戸締りして“♪粋な黒塀、見越しの松”で囲っとくべきだ」と主張した。
大旦那は「ポン太の心を聞かずに上がり込むのは卑怯だ」と云う。
大旦那の困った表情を写すために、毎朝かわら版の記者が押しかけた。
「若旦那に会わないんですか」と意地悪な質問をくりかえす。
大旦那は「ポン太が嫌っている相手と、口を利きたくない」と答える。
やがて現われたのが、ヤフモン一家の代貸キタ兄ぃだった。
「若旦那クンが頭を下げてきたら、オイラ相談に乗ってやるぜ」
野次馬たちに向って(得意そうに)ぺらぺらしゃべりつづけた。
この男の話は(だれに頼まれたのか)どうもよく分からない。
どうやら、大旦那に風呂敷をかぶせて、どこかへ逃がしてしまった。
そのあとで、ポン太から(5年間の契約で)合鍵を預かったという。
若旦那が「三日後に会いたい」と云ってきたのを真に受けて、床柱を
背負ってふんぞり返っていたら、土壇場ですっぽかされた。
世間は「ざまぁみろ、エラそうな口を利くからだ」とあざわらった。
── Wilder,Billy《アパートの鍵貸します:The Apartment 196010‥ America》
── 春日 八郎・唄《お富さん 1954 キング》渡久地 政信・曲/山崎 正詞・詞
♪「粋な黒塀 見越しの松に 仇な姿の/死んだはずだよ お富さん」
かつて夜中に高利貸が戸を叩いても、近所の人は黙って聴いていた。
夫婦喧嘩で、泣きわめく声がしても、近所の人は黙って聴いていた。
誰かが110番しても“民事不介入”の原則から警察に断わられた。
実際の被害にかかわらず、まったく仲裁しないのはおかしい、という
ことから、家庭内暴力やサラ金に対して、ようやっと法改正された。
江戸時代の“モメゴト”は、もっぱら侠客の“しのぎ”だった。
侠客には、仁義があるはずだ。一、困った人に頼まれたら、断らない。
二、引受けたら約束を守り、最後まで見とどける。謝礼を受取らない。
三、頼まれない事には出しゃばらない。聞かれない事を語らない。
これは aedlib2000 さんの 42859 に対する返信です
スレッド [ 非表示 ] タイトル 投稿者 日時
株主に歴史 yohey_1 2005/ 2/25 15:19
>株主に歴史 moscowgal24 2005/ 2/25 16:03
ポン太の花道 ~ 大江戸色合戦 ~ aedlib2000 2005/ 2/25 16:09
鹿内家の人々 ~ フジ三系グループ ~ aedlib2000 2005/ 3/ 5 18:24
ポン太の助人 ~ 大江戸押問答 ~ aedlib2000 2005/ 3/26 18:13
役員を一掃しよう 監査しよう 世直し banlrky 2005/ 3/26 18:19
ホリエモンは男でござる~大江戸男伊達~ aedlib2000 2005/ 3/27 7:43
ポン太の鍵貸します ~ 大江戸鍵騒動 ~ aedlib2000 2005/ 4/ 5 14:23
20050405 14:23:00 メッセージ: 45179 / 45179 投稿者: aedlib2000
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=FN&action=m&board=1004660&tid=a5ka5ca5dda5sjfcaw&sid=1004660&mid=45179&thr=45179&cur=45179
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