フィギュアスケート日本人選手を語る
2008年ドリーム・オン・アイスの感想に代えて
中野友加里
日本人選手の中で一番美人じゃないですか?
何度も言いますが顔の話だけでなく、演技とか生き方とか。そして彼女の場合、顔も。
日本が誇るこれ以上にないぐらい美しい大和撫子。
彼女に贈る言葉はこれだなと思うのです。
ドーナツスピンの美しさなんて、日本の美をギュッと凝縮したような美しさです。スパイラルももちろんですし、ジャンプさえも。
フィギュアはアジア勢はやはり体型とか顔とかで不利で、例えば安藤や荒川のように個性的な顔立ち、真央のように長い手足が必要なのですが、彼女の場合日本的な美で勝負できるくらい美しいのです。
で、その日本的な美とは何かというと、結晶にまで純化され研ぎ澄まされた美です。
彼女は最も演技が安定したスケーターだと言われますが、そういう演技の安定感がマンネリとか鈍くささにつながらず美へと昇華できる希有な選手が彼女だと思います。
もう、毎年演技がどんどん研ぎ澄まされていっているのですよ。
ドーナツスピンなんてすでに完成されていると思うのに、その完成された美しさがさらに研ぎ澄まされるのですから、彼女に終わりはないんじゃないかと思っちゃうぐらいです。
彼女はドビュッシーの「海」が踊れなかったように印象的な音楽は苦手としているようです。ですがその反対に「シンデレラ」とか「SAYURI」とか役に入り込める踊りは得意としているらしいです。
今年も踊りの雰囲気は、真央のように音楽の見える踊りでもなく、美姫のようにドラマティックな踊りでもなく、何か物語が見えてくるような、しかもその物語の中の登場人物か何かが降りてきているかのようなそんな感じでした。
例えば世界選手権のエキストラでの「白鳥」なんて白鳥姫が氷上に降り立ち、しばし舞った後また飛び立ったかのようなそんな演技で、ため息ものでした。
歌舞伎に「藤娘」という演目があるのですが、これがひたすらオチのない演目なんですよ。
藤の精が人間に化けて出てきて、お酒飲んで、ちょっと酔っぱらっていい気持ちになって躍って終わりという、ストーリーを聞くとそれのどこが面白いんだと言いたくなる演目です。
ですがそこに歌舞伎とかの粋が集まっていて、人間国宝なんかが躍るとこれこそため息ものの演目です。
オチもヤマもないのがむしろいい、みたいな。
純粋に踊りに集中できるというか。その世界観に入り込めるというか。本当に可憐な藤の精が、演じる役者に降りてきている感じがするというか。背景にある偽物の藤まで本物に見えて来るというか。
様式化するまで研ぎ澄まされた日本の美の粋です。
中野友加里の演技にはその美しさがあるのです。
村主章枝
氷上のアクトレス。
彼女に贈ったマスコミの言葉だけは、的を射てるなぁと思います。
荒川静香はスケーティング技術はすごいなぁと思いますが、プロとして演じている演目はあまりいい趣味していると思いません。その衣装と共に。
まぁ、ぶっちゃけ面白くない。見ていて飽きる。
だけど村主の演技は、初めはびっくりして「何を考えているのだこの子は」とドン引きしちゃうのだけど、見ているうちに味が出て来るんですよ。
そしてシーズン最後にははまっちゃっていて、「まだ見たい!」という気持ちになります。
この魅力は一体どこから来るんでしょうね。
そしてアクトレスの言葉通り、彼女の魅力が一番発揮されるのが、氷上の上で行うパントマイムです。
これは本当にびっくりしました。
パントマイムといっても別に躍っていないわけではないのです。
ちゃんと踊りの上での演出なのですが、彼女が躍ると会話が聞こえてきそうな感じがするのです。
子供の頃初めてパントマイムを見たとき、パントマイムは一言も言葉を発しないのに普通に会話するより雄弁に物語を語ると思ったのですが、彼女の演技はまさしくそれです。
文字通り世界観に引き込まれてしまうのですよ。
で、気が付くと病みつきに。
う~む、何とも不思議な選手だ。
ともかくこの不思議な魅力はスイスのサラ・マイヤー選手と通じるものがあって、ひたすら世界選手権とかオリンピックの出場枠が4枠あればいいのにと思います。
彼女はスピンは得意みたいですが、どうしても3回転以上のジャンプが出来ず点数を伸ばすことが出来ないみたいです。そういうのもあって、アレクサンドル・ズーリンに師事したのでしょう。フィギュアスケートの教本と言われたズーリン氏なら、完成度の高い技術を提供してくれたはず。
彼女の観客を引き込むような演技に高度で正確なジャンプが盛り込まれると一体どんな演技になるかと期待していたために、彼女がコーチを代えたと聞いたときはちょっと残念でした。
彼女はこのシーズンからモロゾフコーチに師事します。
出来れば華麗な変貌を遂げて、鳥肌が立つような演技を期待しています。
男子はあんまり興味がないので割愛。
ただ、見ているこっちがこっぱずかしくなるような演技ばかりしていた日本男子が高橋選手も含め見ていて恥ずかしくない演技が出来るようになったのは、さすがだと思う。
はっきり言ってフィギュアの王子はナルじゃないと出来ないので、日本男児はもっと恥を捨ててナルシストぶりを披露して欲しいです。人前で鏡を出して髪型をセットし、さらにその自分の男前度にうっとりするぐらいでお願いします。ショーウィンドウに映る自分の姿を眺めながら歩くとか。
まぁ、と言いながら、今私の期待の星は小塚崇彦です。
彼は日本初の、正統派王子になれるんじゃないでしょうか?
今はまだ荒削りな部分がありますが、スケーティング技術にどことなく王子の片鱗が……。
ただし、今男子シングルで私が興味を持って見ているのはチェコのトマシュ・ベルネルなので、まだまだ日本男児はお呼びじゃないかも。
注:荒川静香やキム・ヨナ選手に対してあまり良いコメントをしていませんが、単なる比較の上の話で、彼女たちも素晴らしいフィギュアスケーターです。また別の語る機会があれば彼女たちの良さも語っていきたいと思っています。
2008年ドリーム・オン・アイスの感想に代えて
中野友加里
日本人選手の中で一番美人じゃないですか?
何度も言いますが顔の話だけでなく、演技とか生き方とか。そして彼女の場合、顔も。
日本が誇るこれ以上にないぐらい美しい大和撫子。
彼女に贈る言葉はこれだなと思うのです。
ドーナツスピンの美しさなんて、日本の美をギュッと凝縮したような美しさです。スパイラルももちろんですし、ジャンプさえも。
フィギュアはアジア勢はやはり体型とか顔とかで不利で、例えば安藤や荒川のように個性的な顔立ち、真央のように長い手足が必要なのですが、彼女の場合日本的な美で勝負できるくらい美しいのです。
で、その日本的な美とは何かというと、結晶にまで純化され研ぎ澄まされた美です。
彼女は最も演技が安定したスケーターだと言われますが、そういう演技の安定感がマンネリとか鈍くささにつながらず美へと昇華できる希有な選手が彼女だと思います。
もう、毎年演技がどんどん研ぎ澄まされていっているのですよ。
ドーナツスピンなんてすでに完成されていると思うのに、その完成された美しさがさらに研ぎ澄まされるのですから、彼女に終わりはないんじゃないかと思っちゃうぐらいです。
彼女はドビュッシーの「海」が踊れなかったように印象的な音楽は苦手としているようです。ですがその反対に「シンデレラ」とか「SAYURI」とか役に入り込める踊りは得意としているらしいです。
今年も踊りの雰囲気は、真央のように音楽の見える踊りでもなく、美姫のようにドラマティックな踊りでもなく、何か物語が見えてくるような、しかもその物語の中の登場人物か何かが降りてきているかのようなそんな感じでした。
例えば世界選手権のエキストラでの「白鳥」なんて白鳥姫が氷上に降り立ち、しばし舞った後また飛び立ったかのようなそんな演技で、ため息ものでした。
歌舞伎に「藤娘」という演目があるのですが、これがひたすらオチのない演目なんですよ。
藤の精が人間に化けて出てきて、お酒飲んで、ちょっと酔っぱらっていい気持ちになって躍って終わりという、ストーリーを聞くとそれのどこが面白いんだと言いたくなる演目です。
ですがそこに歌舞伎とかの粋が集まっていて、人間国宝なんかが躍るとこれこそため息ものの演目です。
オチもヤマもないのがむしろいい、みたいな。
純粋に踊りに集中できるというか。その世界観に入り込めるというか。本当に可憐な藤の精が、演じる役者に降りてきている感じがするというか。背景にある偽物の藤まで本物に見えて来るというか。
様式化するまで研ぎ澄まされた日本の美の粋です。
中野友加里の演技にはその美しさがあるのです。
村主章枝
氷上のアクトレス。
彼女に贈ったマスコミの言葉だけは、的を射てるなぁと思います。
荒川静香はスケーティング技術はすごいなぁと思いますが、プロとして演じている演目はあまりいい趣味していると思いません。その衣装と共に。
まぁ、ぶっちゃけ面白くない。見ていて飽きる。
だけど村主の演技は、初めはびっくりして「何を考えているのだこの子は」とドン引きしちゃうのだけど、見ているうちに味が出て来るんですよ。
そしてシーズン最後にははまっちゃっていて、「まだ見たい!」という気持ちになります。
この魅力は一体どこから来るんでしょうね。
そしてアクトレスの言葉通り、彼女の魅力が一番発揮されるのが、氷上の上で行うパントマイムです。
これは本当にびっくりしました。
パントマイムといっても別に躍っていないわけではないのです。
ちゃんと踊りの上での演出なのですが、彼女が躍ると会話が聞こえてきそうな感じがするのです。
子供の頃初めてパントマイムを見たとき、パントマイムは一言も言葉を発しないのに普通に会話するより雄弁に物語を語ると思ったのですが、彼女の演技はまさしくそれです。
文字通り世界観に引き込まれてしまうのですよ。
で、気が付くと病みつきに。
う~む、何とも不思議な選手だ。
ともかくこの不思議な魅力はスイスのサラ・マイヤー選手と通じるものがあって、ひたすら世界選手権とかオリンピックの出場枠が4枠あればいいのにと思います。
彼女はスピンは得意みたいですが、どうしても3回転以上のジャンプが出来ず点数を伸ばすことが出来ないみたいです。そういうのもあって、アレクサンドル・ズーリンに師事したのでしょう。フィギュアスケートの教本と言われたズーリン氏なら、完成度の高い技術を提供してくれたはず。
彼女の観客を引き込むような演技に高度で正確なジャンプが盛り込まれると一体どんな演技になるかと期待していたために、彼女がコーチを代えたと聞いたときはちょっと残念でした。
彼女はこのシーズンからモロゾフコーチに師事します。
出来れば華麗な変貌を遂げて、鳥肌が立つような演技を期待しています。
男子はあんまり興味がないので割愛。
ただ、見ているこっちがこっぱずかしくなるような演技ばかりしていた日本男子が高橋選手も含め見ていて恥ずかしくない演技が出来るようになったのは、さすがだと思う。
はっきり言ってフィギュアの王子はナルじゃないと出来ないので、日本男児はもっと恥を捨ててナルシストぶりを披露して欲しいです。人前で鏡を出して髪型をセットし、さらにその自分の男前度にうっとりするぐらいでお願いします。ショーウィンドウに映る自分の姿を眺めながら歩くとか。
まぁ、と言いながら、今私の期待の星は小塚崇彦です。
彼は日本初の、正統派王子になれるんじゃないでしょうか?
今はまだ荒削りな部分がありますが、スケーティング技術にどことなく王子の片鱗が……。
ただし、今男子シングルで私が興味を持って見ているのはチェコのトマシュ・ベルネルなので、まだまだ日本男児はお呼びじゃないかも。
注:荒川静香やキム・ヨナ選手に対してあまり良いコメントをしていませんが、単なる比較の上の話で、彼女たちも素晴らしいフィギュアスケーターです。また別の語る機会があれば彼女たちの良さも語っていきたいと思っています。
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