はなかげ おとかげ

日本画家・書家 足立正平のブログです。

あおによし・・

2010年01月17日 | 過去のBlog記事

ある専門学校から依頼された作品を描くために、年明けから築160年の古民家を改装したスペースで制作をしている。

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大きな作品なので自分のアトリエでは不都合があり困っていたところ、縁あってこの場を貸していただけることになった。快く場所を提供してくださったご夫妻のご好意に感謝感謝・・

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まだ何も手を入れていない白い画面。

差し込む光が眩しい。

しばらくの間お世話になります。

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毎朝、庭の脇にある井戸で水を汲むことから制作を始める。

なんだかイイ・

ふつう井戸はもちろん水を汲むために掘られるものだが、古くは絵の具の顔料を採るためにも井戸が掘られた。

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右は「丹」(タン、に)

井戸の中に「丹」(に・・硫黄と水銀の化合した赤土)があるかたち。「・」で表されている。

これをもとに朱色が作られたので「あかい」意味となる。

左は「青」(セイ、あお)

もともと「生(セイ)」の下に「丹」。地中から採れる丹のうち、青い丹のこと。

「奈良」の枕詞「青丹(あおに)よし」の「あおに」。

これをもとに青い絵の具が作られた。

いずれも地中のすきまを上昇して鉱脈がタテに伸びるため、タテ穴の井戸を掘って採取されたそうだ。

「丹青」(タンセイ)とは単に赤と青の絵の具のみならず「絵画」そのものを表す言葉だ。

そのくらい貴重な顔料だったんだろうな・・

汲み上げた井戸水で絵を描きながら、井戸と絵画の不思議な関係に思いを馳せる・・・



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