はなかげ おとかげ

日本画家・書家 足立正平のブログです。

春をむかえて

2012年04月12日 | 過去のBlog記事

春。
日本が一番ニッポンらしい季節。
夕方、わざわざ遠回りをして薄墨色に染まる桜を眺めて家路につく。
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嵐模様が多い今年の春だが、この時期、多摩川の河川敷には数キロにわたって雪柳の歩道があらわれる。
数年前、シンガポールの友達とこの土手を歩いた事があった。

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「とてもきれい・・なんていう花?」
華僑である彼女はその美しい白に感動しながら中国語で僕に尋ねた。
さて・・・
中国名を知らないので仕方なく「雪柳」をそのまま中国語の発音で「シュエリウだよ」と答える。
すると漢字の説明をするまでもなく、言下に「なんて素敵な名前!!」と、ひどく感心してくれたのだった・

思えば日本人は美しい名前を付ける名人だ・・

こんな事もあった。
北京で友達同士鍋を囲んでいた時・・
具の一つに澱粉を固めて糸状にしたもの、いわゆる春雨があった。
澱粉を糸状にしたものだから、中国ではこれを粉絲(フェンスー)という。
極めて合理的な名付け方である。
ひとりが「日本にも粉絲ある?」
と聞いてきた。
「あるよ、春雨っていうんだよ」
これを聞いた先方の反応も上述の如く・・

「業平橋」が「東京スカイツリー」に駅名が変わったというニュースを見たが、
このごろなんだか安直なカタカナ語ばかりに囲まれている。
冬が寒かったせいか、いつになく待ち遠しかったこの春、日本にしかない風情を養ってみようと思う・・



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